ナタリー PowerPush - HOME MADE 家族

新曲はHMKU流“口説きソング” 異色タイアップ曲の裏側告白

歌詞のテーマはスケベ

──新曲の歌詞は、どんな発想から書いたんですか?

MICRO

MICRO 僕がまず、サビのメロディを2パターン作ったんです。で、みんなで話して、今の形のサビにしようって決めたときに、その場でKUROがサビの歌詞を書いて。で、「Jackpot」をキーワードにして書いていけばいいんじゃないかっていうことになって、そこからはワーッと一気に書けましたね。

KURO パチンコっていうところからJackpotっていうワードが浮かんで、Jackpotってなんだろう?ってイメージしたら女性の姿と「大穴」っていう言葉が出てきたんですよ。その「大穴」と「女性」をスコンとハメちゃったんですよね(笑)。

──パチンコのスリルと興奮を、素敵な女性を見つけて口説くときの浮き立つ感情に置き換えて歌った、ちょっと軽薄な誘惑ソングですよね。

KURO そう。テーマはスケベ(笑)。夏に近い時期のリリースだし、僕らも今年35になるけど、大人のエロスみたいなものが少し出るような世界観の歌詞が作れないかなって。それで言葉をいろいろ考えて、つなぎ合わせていったんです。

──KUROさんの歌詞にはバカボンに出てくるキャラの名前も読み込まれていますね。

KURO はい。「くねくねのウナギイヌBody」。

──でも、「ウナギイヌBody」はあんまり魅力的じゃないなと思ったんですよ。ウナギイヌだとくねくねはしてるけど、クビレがない(笑)。

一同 あははははは!(笑)

KURO それは、先方からのいろいろな注文を受けて、なんとかがんばって入れたんですけどねー(笑)。

MICRO ま、ウナギイヌじゃ、エロくはないね(笑)。

KURO ウナギだけだったらヌルヌルしてるんだけどね(笑)。

──ちなみに、曲作りにあたって「CR天才バカボン4」を試し打ちしてみたんですか?

MICRO いや、タイミングが合わなくてできなかったんですよ。

KURO だから、映像だけ見させてもらいました。大当たり画面とか、すごいクオリティが高くてびっくりしましたね、フルCGで。

──そもそもパチンコはやるんですか?

MICRO 学生の頃はよくやりましたね。新装開店のときって大体勝てるんですよ。だから、住んでる地域で新しい店が開くと聞くと、前の夜から並んでた。

──KUROさんやU-ICHIさんは?

KURO 僕はやらないですね。

U-ICHI 僕も昔やってました。先輩でずーっと同じ台を打つ人がいて、「俺はこの台が好きなんだ」って。それで「いいから来い」「俺の横で打て」って言われて、その人とずーっと打っていました(笑)。

──連れションならぬ連れパチ(笑)。

U-ICHI そんな感じですね(笑)。

ファンと歌い手が掛け合う「お家芸 feat. みんな」

──2曲目「お家芸 feat. みんな」は、どんなコンセプトで作ったんですか?

KURO

KURO このトラックは結構前からあって。U-ICHIが作ったんですけど、すごくカッコよかったんです。で、「Oooh! 家~!」とか「一家言」のように、「家」にまつわるワードでまたタイトルを付けてみようと思って、そこから始まったんです。そしたら、バースをまるごとファンが歌ったらどうだろう?っていう大胆な発想が浮かんで(笑)。ファン対僕ら、みたいな。ファンと歌い手が掛け合うっていうのは誰もやってないんじゃないかって。

──「feat. みんな」の“みんな”は、ライブに集まるお客さんのことなんですね。

KURO そうなんです。曲を聴いたらわかるんですけどね。だから、みんなの予習が必要な楽曲なんですよ、これは。だから、ライブ会場で成功したらものすごく良い絵になると思うんですけど……。

──ハズすと凹みっぷりがすごそう(笑)。

KURO そうなんスよ(笑)。だから、一か八かの曲です(笑)。

──でも、一か八かなのに、お客さんにはたっぷり歌わせてる。

KURO そう。2番はファン始まりですしね(笑)。「Yeah!」とかの合いの手じゃない。丸投げですから。

──それだけファンやお客さんのことを信頼してるということですよね。

KURO そうなんですよ。信頼してるんです。

MICRO 昔から海外アーティストのライブDVDをよく見てますけど、向こうのお客さんってサビ以外も全部一緒に歌ってるんですよ。それってすごいことだよねってメンバーで話していて。歌えるコアなファンはいますけど、なかなかそこまではならないし、それが成立したら僕らのライブのひとつの形が見えるよねって。じゃあ、やってみようということで作ったんです。本当にできるかどうかわからないから、挑戦曲なんですよね。

KURO だから、そんな僕らの心意気を見てほしい。

MICRO いやいや、心意気を示すのはお客さんのほうなんだけど(笑)。

──あと、この歌詞には代表曲「サンキュー!!」の一節が入っていて、気が利いてるなと思いました。

KURO ありがとうございます。それはファンがアンコールのときに掛け声の代わりに歌ってくれる曲だし、意識して入れたんです。伴奏にはちゃんと「サンキュー!!」の音も引いてる。

──その部分は2人でラップしてるけど、MICROさんだけ「サンキュー!!」のほうのメロディで歌ってるんですよね。

KURO そうです、そうです。「MICROだけ、そっちに行ってね」って作ったんですよ。

HOME MADE 家族(ほーむめいどかぞく)

1996年に結成された2MC(MICRO、KURO)+1DJ(U-ICHI)スタイルのユニット。インディーズでの活動を経て、2004年5月にアルバム「Oooh!家~!」でメジャーデビュー。2005年の3rdシングル「サンキュー!!」をはじめ「少年ハート」「サルビアのつぼみ」などのスマッシュヒットを連発し、全国区のブレイクを果たす。2009年には、グループとしての夢だった日本武道館単独ライブを実現。2010年10月には地元愛知で初の主催野外フェス「家族 Fes. 2010」を成功させ、2011年10月にも「家族 Fes. 2011」を開催した。2010年にはアメリカ、2011年には台湾でのライブを敢行し、2011年9月リリースのアルバム「AKATSUKI」は台湾でもリリースするなど、海外での活動も積極的に展開している。2012年1月25日にNAOTO(ORANGE RANGE、delofamilia)を共同プロデューサーに迎えたシングル「琥珀色に染まるこの街は」を発表。同年5月、「CR 天才バカボン4 ~決断の瞬間(とき)~」のテーマソングであるシングル「気分はまるでJackpot!」をリリースする。