音楽ナタリー Power Push - Helsinki Lambda Club
目指せ1万枚!? グッとくる“最強のB面集”
ポップでほどよいエロ要素
加藤 私がヘルシンキをいいなと思う理由はちゃんと歌詞に男性的なエロス欲求というか、平たく言うと“チンコ感”があるところなんですよね。優心さんって“チンコ感”出さないじゃないですか。
武井 え、出してますよ。“チンコ感”。
加藤 いや、普段出しすぎてて曲には出てないと思いますよ(笑)。「ME to ME」の2曲目の「Skin」とかまさにそうなんですけど、いわゆる性豪って言うんですか? 嫌な言葉だけどヤリチン的な見え方もしないし、ムッツリっていう感じでもないあたりが独自性があっていいなって。だってその曲を聴いて女の子たちがワーッて盛り上がってるんですよ? 私としてはヘルシンキの醸し出すちょっとしたエロス、あえて申し上げれば“チンコ感”のバランスっていうんですかね。これが非常に優れているんですよ。「メサイアのビーチ」とかみたいな男メンヘラの具合もいい塩梅。さっき優心くんが言っていた中間っぽいと同じになっちゃうかもしれないんですけど、ヘルシンキって何事においてもちょうどいいんですよね。
橋本 こないだちょうどKidori Kidoriのマッシュさんともヘルシンキの“チンコ感”について話しました。“チンコ感”をどれくらい出すのがベストなのかっていう。
加藤 ロックンロールっていう言葉自体、元々セックスの隠語だったらしいですしね。エルヴィス・プレスリーの下半身の動きが卑猥過ぎてテレビで映せないみたいな。それでも女の子たちがキャーキャーしていて。そういう意味ではヘルシンキのスタイルって正しい形なのかなって思います。
武井 ヘルシンキのエロはモザイクがかかる生々しいエロじゃなくて、ポップに描かれているから女の子たちがキャーキャー言うんでしょうね。カーテン越しに何かが行われていてそのシルエットで何をしているかわかるみたいな。
加藤 うんうん。開けっぴろげなエロ。Flaming Lipsの「Watching The Planets」みたいな。裸の人がいっぱい出てくるMVなんだけど、清々しい。ヘルシンキっていい匂いのする童貞って感じがする。
このアルバムが売れたら革命が起きる
橋本 お二人はこのアルバム、売れると思いますか?
加藤 最近私、そのへんの感度がめちゃくちゃ鈍ってるんですよ。感度がよくないことを前提に言うなら、このアルバムは正直厳しいと思います! だから売れたらすごいと思いますよ。
武井 俺もそう思う(笑)。これが1万枚売れたら俺、下北沢を裸で走るよ。
橋本 1万枚ってハードル高いですね(笑)。
加藤 パンツ1枚でもOKだったら?
武井 パンイチだったら5000枚かな。だって人のバンドのために捕まるかもしれないリスク背負って走るんですよ?
橋本 その映像使って、マニさんにMV作ってもらいたいなあ(笑)。
武井 でも俺もマニさんと一緒で売れたら面白いなと思いますよ。こういう作品が売れない世の中は非常に残念だとも思ってますし。
橋本 このアルバムが売れたら小さな革命になるんじゃないかなって思ってるんです。だからがんばって売りたい気持ちでいます。このアルバムである程度の結果が出なかったら僕は拗ねます。
武井 拗ねたら終わりだよ。拗ねたら一瞬で終わる。ヘルシンキはポップなバンドだからさ、この先思ったようにバンドが進んでいけなかったりしたときに、ポップなバンドなのに態度が悪いとかそういうのがステージで見えちゃうとどんどん難しくなっていっちゃうと思うから。かわいい青年でい続けてほしいですね。
橋本 重みがすごい(笑)。今僕らは一応商業音楽っていうくくりの中でやっていて、これがまったくダメだったら、もっとコアなものをやりたくなっちゃうかもしれない。近い人にだけ届けばいいやって諦めてしまうかも。
武井 それは悲しい出来事だ。
加藤 あともう1枚は出して!
橋本 なんだかんだ言って、多くの人に届けたい気持ちを持ってゆるゆるやっていくとは思います(笑)。
武井 で、アルバムの目標売上枚数は?
橋本 今までの実績とかもあるんで、3000枚……少ないですか?
武井 そんなことないよ。3000枚売れなかったらどうする? 裸で走る?
橋本 それだったら自分で足りない分買いますよ(笑)。僕の負担が減るように皆さんよろしくお願いします!
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収録曲
- This is a pen.
- Skin
- NEON SISTER
- メサイアのビーチ
- Justin Believer
- Morning Wood
- lipstick
- 彷徨いSummer Ends
- 声
- 目と目
- マニーハニー
Helsinki Lambda Club(ヘルシンキラムダクラブ)
橋本薫(Vo, G)、稲葉航大(B, Cho)、佐久間公平(G, Cho)、アベヨウスケ(Dr, Cho)からなる4人組バンド。2013年夏に千葉で結成され、2014年にはUK.PROJECT主催のオーディションで応募総数約1000組の中から見事最優秀アーティストに選出された。その賞品として同年12月に2曲入りの8cmシングル「ヘルシンキラムダクラブのお通し」でUK.PROJECTからインディーズデビュー。2015年3月に1stミニアルバム「olutta」を発表した。楽曲のテイストはUSインディーに由来するものが多く、2016年10月には“ニューオルタナティブ”と謳った1stフルアルバム「ME to ME」をリリースする。
Czecho No Republic(チェコノーリパブリック)
武井優心(Vo, B)と山崎正太郎(Dr, Cho)を中心に2010年3月に結成。メンバーチェンジを経て、現在は武井、山崎、八木類(G, Syn, Cho)、タカハシマイ(Cho, Syn)、砂川一黄(G)の5人で活動している。2010年11月に初のCD作品「erectionary」をタワーレコード限定でリリース。同作が高い評価を受ける中、2011年10月に初のフルアルバム「Maminka」を発表した。2013年10月に2ndフルアルバム「NEVERLAND」で日本コロムビアよりメジャーデビューし、2014年10~12月にはフジテレビ系アニメ「ドラゴンボール改」のエンディングテーマとして「Oh Yeah!!!!!!!」が全国でオンエアされた。2015年9月に3rdアルバム「Santa Fe」を発表。2016年7月には4thアルバム「DREAMS」を発売した。
- Czecho No Republic
- Czecho No Republic(チェコノーリパブリック)メジャー4thアルバム『DREAMS』2016/7/20発売|日本コロムビア
- Czecho No Republicの記事まとめ
ライブ情報
- Czecho No Republicワンマンツアー「Welcome to the Hotel Flamingo Tour」(※終了分は割愛)
- 2016年10月28日(金)福岡県 DRUM Be-1
- 2016年10月29日(土)鹿児島県 SR HALL
- 2016年11月6日(日)大阪府 BIGCAT
- 2016年11月12日(土)東京都 Zepp DiverCity TOKYO
加藤マニ(カトウマニ)
企画、撮影、編集までのすべてを自身で手がける映像クリエイター。キュウソネコカミやCzecho No Republic、ゆるめるモ!など幅広いジャンルのアーティストのミュージックビデオを手がけている。自身もPILLS EMPIRE、lowtide、バレーボールズというバンドに所属し、音楽活動も行っている。