HKT48が10枚目のシングル「キスは待つしかないのでしょうか？」を8月2日にリリースした。メンバーの明るさを打ち出したシングル曲を多く歌ってきたHKT48にとっては珍しく、今作の表題曲は片思いする女の子の気持ちを描いた切ない恋愛ソング。この曲のミュージックビデオは、19歳の映画監督・松本花奈が手がけ、片思いに悩む松岡はな、彼女の背中を押す宮脇咲良、メンバーたちの日常をカメラで切り取っていく指原莉乃らの姿を描いている。

今回音楽ナタリーでは、同い年の宮脇と松本監督へのインタビューを実施。新曲やMVに込めた思い、撮影の裏話などを語ってもらった。

取材・文 / 近藤隼人　撮影 / 森脇裕介

メンバーみんなで「監督かわいい！」って言ってました

──お二人が顔を合わせるのはMVの撮影以来ですか？

宮脇咲良（HKT48）・松本花奈　はい、そうですね。

宮脇　撮影は6月の総選挙後でした。

──お二人共現在19歳ということですが、宮脇さんは自分と同い年の女性がMVを監督すると聞いたときどう思いましたか？

宮脇　びっくりしました！ 私が知っているドラマなどの監督さんは助監督などの経験を積んでから監督になった方が多いので「そんな若くから監督に就けるんだ」という驚きがあって。同い年ということでちょっと焦りも感じました。

──実際にお会いしてみて、どうでした？

宮脇　撮影のときに初めてお会いしたんですけど、メンバーみんなで「かわいい！」って言ってました。監督はノーメイクで、着飾ってないのにすごくかわいくて。監督が女性なのも、同じ年齢なのも初めてだったし、撮影自体も楽しかったです。緊張するような空気ではなくて、アットホームな現場で。お互いを信じ合って作品を作り上げていく感じが、とてもよかったです。

松本　私が普段映画を作っているというのもあり、今回のMVは前半にお芝居のパートがあるドラマ仕立てになってるんですけど、皆さん飲み込みがすごく早くて。私も撮影してて楽しかったです。

成長した大人な私たちを見せられた

──監督は曲を聴いてからMVの内容を考えたんですか？

松本　内容については曲を聴く前から考えていました。雨を吹き飛ばすようなHKT48さんのエネルギーや元気さにインスピレーションを受けて、虹をコンセプトにしたMVを作りたいとずっと思ってたんです。その後聴いた曲については、「メロディがスッと入ってくる、何回も繰り返し聴きたくなる曲だな」と思いました。歌詞をじっくり見てみたんですけど、女性も男性も共感する部分がある内容で。何回も聴いてるうちにハマりました（笑）。

宮脇　今までのHKT48の曲は底抜けに明るい、「悩みなんかない」みたいな曲が多かったんですが、今回の曲は少し違って。成長した大人な私たちを見せられたんじゃないかなと思います。曲中にセリフがあるのも新しい試みだったんですけど、（松岡）はなちゃんがすごく緊張してました。

松本　「緊張する！」ってずっと言ってましたね（笑）。

──宮脇さんとしては、今回のような恋愛ソングとライブで盛り上がるような曲、どちらが好きですか？

宮脇　どっちも好きなんですけど、今回の曲の歌詞のような、自分の気持ちを伝えられず、もどかしいと思っている子をすごくかわいいと思います。この曲は振り付けも簡単で、女の子らしくて好きです。サビの最後で目をつぶったあとにパッと上を向くところがあって、キスを待ってるみたいですごくかわいくて。15分くらいで振り入れが終わった曲なので、ファンの方もライブを観ながら踊れるんじゃないかな。

──曲の中で、好きな歌詞はありますか？

宮脇　「図書室の棚の隙間から彼の横顔に憧れた」という歌詞がお気に入りです。私は本が好きなので、図書室での恋愛っていいなあと思って。運動している姿じゃなくて、本を読んでいる姿に恋をするという部分に共感します。私も学生時代はずっと図書室にこもっていました。

松本　私は「雨の日の渡り廊下って彼に会えそうな気がする」のところが好きです。MV撮影の日も雨が降ってくれたらよかったんですけど。降ったあとに晴れてくれたら理想でした（笑）。