ナタリー PowerPush - 平井堅

攻め続ける「Ken's Bar」店主の珠玉カバー盤第3弾

平井堅、アートワークを語る

──この特集内で「Ken's Bar III」のアートワークが一部初公開されました。今回は平井さんの歌う姿をハッキリとしたコントラストで見せるクールな仕上がりで、ニューヨーク在住のコナー・ハウタニエミ(※2)さんがアートディレクションを手がけたそうですね。

スタイリストの方がコナーというアートディレクターがいいって勧めてくれて、実際に過去の作品を見てすごくよかったので、お願いしたら引き受けてくださって。まず彼は、歌っている平井堅をキレイにというより強く、無骨に出したいっていうコンセプトを仮で上げてくれたんですけど、それ自体がもうカッコよかったので「これで行きましょう」と。あと写真に関してはフォトグラファーとディレクターのセンスなのでお任せでしたね。本当に満足いく仕上がりになりました。

──平井さんはもともとアートワークにあまり口を出さないほうなんですか?

はい。ビジュアルに関しては、例えば髪はヘアメイクさん、服はスタイリストさんにお任せで、基本的に僕は何も言わないですね。

──「Ken's Bar」シリーズ作は毎回“ミュージックバー”というテーマに則ってコンセプチュアルな画を作っていますよね。

そうですね。ユーザーにとって重要かどうかはわからないんですけど、こちらの勝手なこだわりとして、ビター・エンド(※ダニー・ハサウェイやカーティス・メイフィールドの名ライブ盤が生まれたニューヨークの老舗ライブハウス)で撮るということを今のところ決まりにしていて。「I」「II」「III」すべてそこで撮ってます。でも狭いライブハウスだしシチュエーションも限られてきちゃって(笑)。今回はそのこだわりを守りつつ新しいビジュアル展開をしたいなっていうことで、あまりビター・エンドにいることがわからないかもしれないけど、白壁をバックに撮りました。

Conor Hautaniemi(コナー・ハウタニエミ)

ファッション、美容、ジュエリーを専門とするニューヨーク拠点のアートディレクター。ニューヨークの著名なファッションクリエイティブエージェントであるLloyd & Co.社、高級書籍などを取り扱うAssouline社、東京のBig Magazine社などでの実績を持つ。紙媒体およびデジタルメディアにおける静・動双方のイメージのクリエイティブディレクション、ブランディングとアイデンティフィケーションのスペシャリスト。

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コンセプトカバーアルバム「Ken's Bar III」 / 2014年5月28日発売 / アリオラジャパン
初回限定盤A [CD+DVD] 5400円 / BVCL-590~1
初回限定盤B [CD2枚組] 3888円 / BVCL-592~3
通常盤 [CD] 3240円 / BVCL-594
平井堅(ヒライケン)

1972年大阪生まれのシンガーソングライター。大学在学中にソニーミュージックのオーディションに入選したのをきっかけに、1995年にシングル「Precious Junk」でデビュー。2000年にリリースしたシングル「楽園」がヒットを記録し、その卓越した歌唱力と完成度の高い楽曲で一躍トップシンガーの仲間入りを果たす。2002年には童謡「大きな古時計」のカバーで世代を超えた人気を獲得。その後も「瞳をとじて」「POP STAR」など多くの楽曲をヒットチャートに送り込んでいる。また「Ken's Bar」と題したアコースティックライブシリーズを自身のライフワークとして定期的に開催しており、同タイトルのカバーアルバムも3作発表。フェイバリットアーティストはダニー・ハサウェイ。