日向坂46が7月26日にニューシングル「Am I ready?」をリリースした。
「Am I ready?」はディスコ調の軽やかなサウンドに乗せて“恋のワクワク感”を歌ったナンバー。センターに立つのは三期生の上村ひなので、彼女がシングル表題曲で同ポジションを担当するのは今回が初となる。
シングルのリリースを記念し、音楽ナタリーでは「Am I ready?」のフォーメーションで2列目の両翼を担う佐々木久美と東村芽依に話を聞いた。自称“楽しいコンビ”の2人がシングル収録曲に抱く思いとは? リラックスした空気感の中で、じっくりと語ってもらった。
取材 / 臼杵成晃文 / 三橋あずみ撮影 / 曽我美芽
曲の雰囲気にふさわしい子が1列目にいる
──新曲リリースのタイミングでのインタビューは、毎回2人のメンバーに登場いただく形になっていますけど、佐々木さんと東村さんはどんなコンビなんでしょう?
佐々木久美 どういうコンビなんだろうね?
東村芽依 “楽しいコンビ”です。
佐々木 そういう感じです(笑)。
──なるほど(笑)。今回のシングル曲「Am I ready?」で言うと、お二人はちょうど2列目の両翼を担っているんですよね。このポジション、見覚えがあるなと思って確認したんですが、シングル曲での佐々木さんの“表題曲2列目端”率が50%だったんですよ。「キュン」「ってか」「月と星が踊るMidnight」「One choice」「Am I ready?」が2列目端で。
佐々木 すごい、調べてくださったんですね。確かに私、端っこになることが多くて。逆に真ん中あたりにいることが少ないので、両端に人がいるとドキドキするんです(笑)。
──東村さんも「キュン」「こんなに好きになっちゃっていいの?」「君しか勝たん」と3曲が2列目の端で。
東村 そうですね。
──2人の“端っこ率”が高いのは、どういう理由なんだろうと。パフォーマンスを両端で締めてほしい、みたいなニュアンスがあるのかなと思ったのですが。
東村 端のポジションはダンスが見えやすいですからね。
佐々木 あと私の場合は、身長が高いのも理由かもしれないです。富田鈴花とか髙橋未来虹とか、ほかの身長が高いメンバーも端にいる率が高いなと思います。
──確かに、身長を基準にした見た目のバランスも1つの理由かもしれないですね。今日お話を伺うお二人がちょうどシンメトリーのポジションだったのでそんなお話をさせてもらったのですが、「Am I ready?」では上村ひなのさんが表題曲としては初のセンターを務めています。2列目の両脇を担う佐々木さん、東村さんは、今作のセンター・上村さんをどのように見ているのでしょう。
佐々木 ひなのは遅かれ早かれセンターに立つ人だと思っていたので、「このタイミングだったか!」と。なので「がんばれ!」という気持ちですね。あと、ひなののほかにも“かわいい系”の子が1列目に多いので、今回はそういう路線なんだな、みたいな……。
──1列目は上村さん、河田陽菜さん、丹生明里さん、金村美玖さん、そして表題曲初のフロントメンバーとなる松田好花さんですね。
佐々木 「きれい」よりも「かわいらしい」と言われるような5人で。曲の雰囲気にふさわしい子が1列目にいるのかな、という気持ちもあります。
東村 私も久美と同じで、ひなのはいつかセンターをやると思っていたから驚きはあまりなかったです。実際、曲を聴いてもひなのにすごく合っていますし。久美も言っていたように、とてもかわいらしい曲なので、フロントのみんなのイメージにぴったりだなと思いました。
──これは日向坂46ならではの特徴かもしれませんが、センターの人が引っ張っていくというよりは、曲のイメージにふさわしい人がセンターに立つことによって世界観を作る、みたいな感じがあるかもしれないですね。
東村 確かに、センターの人によってそのときどきのパフォーマンスの雰囲気は変わるかもしれないです。
聴いていると明るい気分になる曲
──「Am I ready?」はディスコの要素が入った明るい曲調の楽曲ですが、お二人はこの曲についてどのような印象を持っていますか?
佐々木 どこか昭和を感じるようなレトロでかわいらしい曲だなと思いました。テンポもゆっくりめでメロディが耳に残りやすくて。このどこか懐かしい感じは、日向坂46にとっては新しい一面なのかなって。
──東村さんはどうでしょう?
東村 全部言われちゃった……(笑)。
佐々木 ごめん!(笑)
東村 いいよいいよ(笑)。私、夏には明るい曲を聴きたくなるんですけど、「Am I ready?」は明るい曲なのでうれしいです。夏っぽい曲というわけではないけど、聴いていると明るい気分になる曲だなと思いました。
──歌詞は女の子目線で書かれていて、わりとカラッとした空気感のラブソングですよね。そのあたりはいかがでしょう?
佐々木 私たちの曲の歌詞は「僕」目線が多いので、がっつり女の子目線で書かれた歌詞は少し新鮮です。しかも同世代感があるというか、女の子が抱く“恋のワクワク感”を詰め込んだ歌詞がすごくかわいくて。「恋の導火線 点火しないわ」とか、1つひとつのワードが素敵なんですよ。
──女の子目線を表現するうえでも、上村さんのセンターは適任なのかもしれないですね。「“恋のワクワク感”を詰め込んだ」というお話もありましたけど、ミュージックビデオもいろんな要素を詰め込むだけ詰め込んだ、という感じですごいですね。CGあり、アニメあり、俯瞰も魚眼もあって、上村さんはフライングもしていて。最後はエンドロールまで差し込まれるという。
東村 MVも、セットの世界観が本当にかわいくて。衣装もみんなそれぞれ違うもので、今までになかった感じですし……髪の毛にアクセサリーをいっぱい着けたんですけど、そういうスタイルが私はすごく好みなのでうれしかったです。
佐々木 全員ががっつりと作り込まれた世界観に入るMVって、これまであまりなかったよね。私たちは外ロケでMVを撮ることが多くて、曲の世界観が表現されたセットで踊ることに憧れていたので、今回の撮影はテンションが上がりました。
──MVには佐々木さんと東村さんのペアカットも登場しますけど、あのシーンでお二人がしているポーズはなぜあのような感じになったんですか?
東村 歌詞の中にある「諦めてたけれど」を表現してみたんだよね?
佐々木 そうそう。カメラの前に立って、咄嗟に2人でやりました(笑)。
顔や手の表情がより大事
──「Am I ready?」はすでに音楽番組でも披露されていますが、実際にパフォーマンス込みで歌ってみた感覚はいかがでしょう。
東村 衣装がかわいらしいので、着ていて楽しいし、踊っていても楽しいです。スカートが、今までで一番短いんですよ。
佐々木 ダンスに関しては、顔の周りで見せる手振りが多いんです。今までは全身を使ってブンブン動く!みたいな振りが多かったんですけど。「Am I ready?」はテレビやスマートフォンの画角で観たときに「かわいいな」と思える振付だと思うので、だからこそ顔や手の表情がより大事になってくるなと感じています。
──そのあたりのパフォーマンス要素を考えても、「Am I ready?」はこれまで以上に皆さんと同世代の女性に響く曲かもしれないですね。
佐々木 そうですね。MVも、今回は特に女性に「かわいい」と言っていただけることが多いかもしれないです。
──それはお二人的にはうれしいことですか?
佐々木・東村 うれしいです!
曲調で好みを決めるタイプ
──TYPE-A収録の全員曲「接触と感情」は、表題曲とは打って変わって「僕」目線のセンチメンタルな雰囲気のある楽曲で、意外と今までになかった曲調なのかなと。この曲の印象についてはいかがですか?
佐々木 小悪魔に振り回されてるって思いました(笑)。
東村 振り回されちゃう曲ですね。
佐々木 相手はすごい思わせぶりなんだろうなって。それか、歌っている「僕」が単純なのか……どっちなんだろう?みたいな(笑)。そんなふうに考えましたね。
──そうやって曲のストーリーを受け止めて、実際に歌うときには表現のニュアンスを自分の中で噛み砕いて表現するという感じなんでしょうか?
佐々木 サビはだいたい全員で歌うのでニュアンスはあまり出せないんですけど、ほかのパートは少人数の歌割になっているので、どういう表現で歌おうか?ということを考えていますね。
──もう1つの全員曲「ガラス窓が汚れてる」(通常盤収録)は、アイドルソングを多数ヒットさせている杉山勝彦さんの作曲ですね。こちらも表題曲とはまた違うシリアス路線と言いますか。坂道系の王道と言えそうなキャッチーさがあり、カップリング曲にしておくのがもったいないなと感じました。
東村 この曲、私めっちゃ好きです。本当にいい曲。MVも撮ったんですけど、歌詞に合わせたストーリーが描かれていて、映像も合わせてすごくいいなと思っています。
──東村さんの中で好きな系統の曲があるんでしょうか? こういう感じの曲がグッときやすい、といったような。
東村 私は歌詞よりも曲調によって好みが分かれるタイプなんです。歌詞を読まない、みたいな聞こえ方になっちゃったらちょっと違うんですけど(笑)。
佐々木 でも、私も曲調で選ぶタイプ。
東村 もちろん、「ガラス窓が汚れてる」は歌詞も含めて好きです。
──佐々木さんは「ガラス窓が汚れてる」はいかがですか?
佐々木 私、この曲が今回のシングルの中で一番好きですね。私はもともと乃木坂46さんや欅坂46さんのファンで、いろんなアイドルソングを聴いてきた身なので……「ガラス窓が汚れてる」みたいな曲をアイドルが歌っていると刺さってしまうんです。ダークな世界観だけど前向きな笑顔の方向に向かっている、というイメージの曲がすごく好きなんですよ。もちろんアイドルの王道を行くような曲も好きだけど、踊るときに感情を出しやすい、一心不乱にパフォーマンスできる曲が好きということもあって、「ガラス窓が汚れてる」にはグッと来ます。感情が込めやすい曲だなって思いますね。
──この曲は、日向坂46にとってのちのち重要な位置を担う曲になりそうな予感がします。
佐々木 はい。ファンの方もきっとすごく好きなんじゃないかなと思います。さすが杉山さんですね。
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今回のシングルの“ベストフレーズ”