3月にデビュー4周年を迎えた日向坂46が、5年目の幕開けを飾るニューシングル「One choice」を4月19日にリリースした。表題曲のセンターを務めるのは、日向坂46のピースフルな雰囲気を象徴する笑顔が印象的な二期生・丹生明里。さわやかな魅力を放つ日向坂46のポップな楽曲がまた新たにレパートリーに加わった。
シングル発売にあたり、音楽ナタリーでは一期生の齊藤京子、三期生の上村ひなのにインタビュー。4月1、2日に神奈川・横浜スタジアムで行われたデビュー4周年記念ライブ「4周年記念MEMORIAL LIVE ~4回目のひな誕祭~」の振り返り、そしてカップリング曲を含む新作「One choice」の楽曲について話を聞くうちに2人が自然と口にした「日向坂46らしさ」「日向坂46っぽさ」という言葉の中に、彼女たちの魅力が詰まっているのかもしれない。
取材・文 / 臼杵成晃撮影 / 須田卓馬
日向坂46の4周年、横浜スタジアムの大歓声
──ニューシングルの話に入る前に、まずは日向坂46の4周年について聞かせてください。2019年2月の会見で、けやき坂46から日向坂46に改名することをメンバーの皆さんがサプライズで知らされたとき、齊藤さんが飛び上がって喜んでいたのがすごく印象に残ってまして。当時の記事にその瞬間を押さえた写真があるんですけど(参照:けやき坂46が“日向坂46”に改名して単独デビューシングル発売、横アリで2DAYSライブ)。
齊藤京子 (記事を見て)すごい。ありがとうございます(笑)。
──日向坂46になったことをあんなに喜んでいた齊藤さんは、4周年を迎えたことにどのような感慨をお持ちでしょうか。
齊藤 私たち一期生は“ひらがなけやき”の活動が3年ほどありましたけど、日向坂46としての活動がその年数を越えたんです。ひらがなけやき時代は歌番組に出演することもほとんどありませんでしたが、日向坂46はデビューの年からありがたいことにたくさんの番組に出させていただいて。こうして5年目を迎えられたことはすごくうれしいですし……4周年記念ライブの「ひな誕祭」では初めて横浜スタジアムに立たせていただいたんですよ(参照:日向坂46、おひさまの大声援に包まれ迎えた4歳の誕生日)。
──昨年3月の「ひな誕祭」では皆さんが長年目標として掲げていた東京ドームでのワンマンライブが実現しましたが(参照:日向坂46、ついに“約束の彼の地”に立つ!東京ドーム「ひな誕祭」は新たな出発の場所に)、今年は屋外のスタジアム公演でしたね。
齊藤 日向坂46の野外公演は単独としては初だったので、東京ドームに立ったときとは違う感動がありました。
──「コロナ禍で皆さんに会えなかったときにもがんばってきてよかった」という齊藤さんのMCが印象的でした。横浜スタジアム公演はひさびさに観客の声出し応援が可能だったことも、皆さんにとっては大きな出来事だったのではないでしょうか。
齊藤 以前は握手会で毎週のようにおひさま(日向坂46ファンの呼称)の皆さんにお会いできていたんですけど、それが2020年の春にピタッと止まってしまって。そのときにけっこう大きな壁にぶつかったと言いますか……ライブをやっても無観客だとあまりやりがいを感じられないし、「おひさまの皆さんはまだ応援してくれているのかな」という不安な気持ちがずっと続いていたんです。でも、横浜スタジアムに立って皆さんの声援をいただいたときに「がんばってきてよかったな」と素直に思えました。
──やっぱり声援が届けられるのはうれしいことですか?
齊藤 めちゃめちゃうれしいですね。私が活動を始めた頃は歓声があるのが当たり前だったので、あの頃の気持ちを思い出しました。
──上村さんは4周年を迎えたことにどういう思いを持っていますか?
上村ひなの 私はけやき坂46に加入したのが4年ちょっと前で、加入して3カ月後に日向坂46に改名したんです。日向坂46と一緒に、自分自身もちょっとずつ成長していけているような……なんか、同い年の仲間みたいな感覚があります(笑)。そんな日向坂46が4周年を迎えた今、こうしてまた新しい曲をリリースできたり、横浜スタジアムという初めての場所でライブをさせていただいたり、まだまだ新しい挑戦ができているこの現状はすごくありがたいなと思います。
一番のスター上村ひなの、憧れの齊藤京子
──横浜スタジアムでは上村さんがソロ曲「一番好きだとみんなに言っていた小説のタイトルを思い出せない」を歌う場面もありました。三期生そろってのパフォーマンスではありましたが、あの広い会場でソロで歌うことにも臆せず堂々としているように見えました。緊張はしませんでしたか?
上村 去年の東京ドームでの「ひな誕祭」までは緊張のほうが大きくて、あまり楽しむ余裕がなかったんですけど、東京ドームの感動を味わったことによって、ちょっとだけ殻を破れたような。緊張よりも楽しさが上回る瞬間が増えてきた気がします。
齊藤 本当に堂々としてますよね。私、ひなのちゃんは日向坂46の中で一番のスターだと思っていて。あの、けっこう、ファンですね。
上村 えへへ。
齊藤 気付いてるかわかんないけど、リハのときとかめっちゃ見ちゃいますね。この子はすごいなと思うし、こういう子が同じグループにいるのは心強いです。同じように過ごしてきたのに、この子はどうしてこんなにどんどんスターになっていくんだろうって。すごい逸材だなとずっと思ってます。
──ベタ褒めじゃないですか。
上村 すごい! びっくりしました。うれしいですー。
──こういうことを直接言われることはあまりないんですか?
上村 はい。でも京子さんは「髪型が変わったよね?」とか、ちょっとした変化にも気付いて褒めてくださるんです。絶対に嘘で言ってないんだろうなという安心感があるので、京子さんに褒められるのが一番うれしいです。
──逆に上村さんが齊藤さんのことを褒めるなら?
齊藤 えっ。
上村 京子さんは本当に私の理想像というか、「こうなれたら」という憧れの存在で。歌もダンスもバラエティも演技もすべて完璧で「京子さんみたいになりたいな、カッコいいな」といつも思っています。
齊藤 なんだか言わせちゃったみたいで申し訳ないです(笑)。
上村 いえいえいえ、本心です。
四期生の加入による変化
──横浜スタジアムの「ひな誕祭」はいろんな見せ場がある中で、四期生の活躍も目に留まりました。四期生初の楽曲「ブルーベリー&ラズベリー」を歌う場面に加え、先輩メンバーが大事に歌ってきた「青春の馬」を四期生のみで歌い切ったシーンにはドラマを感じました。お二人は四期生の加入から約半年の奮闘ぶりをどう感じていますか?
齊藤 四期生はみんなすごくがんばってるなと思いますね。挨拶とかもしっかりしていて、四期生がいるとちょっと部活感がある(笑)。「青春の馬」のパフォーマンスでは、楽曲をしっかりものにしていて、まだ入ったばっかりなのにすごいなと思いました。リハーサルでも一切手を抜かずに「そんなにやると倒れちゃうよ!」というくらい踊っていて。
──日向坂46のイメージが4年かけてしっかり固まってきたところに加入するというプレッシャーもあるでしょうし、先輩たちが見守る中で「青春の馬」を歌うというシチュエーションに燃えるものがあったのかなと。先輩と後輩、両方の立場を体験している上村さんはいかがでしょう?
上村 四期生が入ってくれたことで、先輩たちの気持ちがわかるようになりました。私が入ってすぐの頃は「先輩に話しかけていいのかな。私なんかが話しかけたら迷惑じゃないかな……」と思ってしまっていたんですけど、後輩から話しかけられるのってすごくうれしいことなんだなって。四期生に影響されて自分自身も変化しているような気がしますし、尊敬する部分も多いですね。
──ちゃんと先輩らしい振る舞いをしているんですか?
上村 えー、どうなんでしょう。同い年の子が4人いたり、みんな歳が近いんですよ。にもかかわらず、みんな慕ってくれて「ひなのさん!」って呼んでくれたり(笑)、しっかり返事をしてくれてみんないい子だなって思います。
──齊藤さんは後輩に接するうえで、何か気に留めていることはありますか?
齊藤 私、むしろ後輩に対して緊張しちゃうめっちゃ意味わかんない性格なんですよ(笑)。先輩とか年上の方を前にしてもそんなに緊張はしないんですけど、後輩や年下にはめっちゃ緊張しちゃって。うまい接し方がいまだにわからないです(笑)。こうしてひなのちゃんと一緒にいても緊張しちゃう。
上村 えー(笑)。
齊藤 昔からそうなんです。
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センター丹生明里の安心感