ナタリー PowerPush - ヒルクライム
2ndアルバムは原点回帰の意欲作!新曲に込められた“MESSAGE”とは
新潟と東京、インディーズとメジャー
──アルバムリリース後の全国ツアーはライブハウスもホールもあるから、同じツアーでも会場ごとに見せ方が変わってくるのでは?
TOC 前回のツアーでは、小さなライブハウスは2人だけ、ホールではバンドセットを組んだり、という見せ方をしましたけど、今回はおそらくほとんど共通したものを見せれるんじゃないかなと思います。今いろいろと作戦を練ってるところです。
──ツアー後半は新潟公演が集中した、地元愛あふれるコースになってますね。
TOC アハハ。やっぱり地元は単純に需要が多いので。
──あえて新潟に自分たちの拠点を置いているのは、何か強いこだわりが?
TOC いや、「現実的にそれで可能だったから」ていうのが一番大きいです。仕事に支障が出る、スピードが遅くなるとかあるんだったら迷わず東京に来てたと思いますけど。新潟でやってもいいよって優しい人たちが言ってくれるので、甘えてます(笑)。
──ヒルクライムに続いて、新潟のシーンから新しいアーティストが全国区に進出してくると面白いですよね。「ヒルクライムを輩出した場所」というだけで、新潟のシーンに各レーベルのスカウトマンが視察に来てるんじゃないかと思いますけど、どうなんでしょうね。
TOC どうでしょう。俺らズバ抜けてたからなあ~。
DJ KATSU アハハハハハ!!
TOC 「負ける気がしねえ」みたいな気持ちで出てきて、今「すいませんでしたー!」って感じなんですけど(笑)。
──でも「負ける気がしねえ」という気構えは、プロでやっていく上で絶対に大事なことですよね。
TOC ラッパーってみんな自分が世界一カッコいいと思ってやってるんですよ、きっと。そうじゃないとダメなのがラッパーかなと。
──最近は特にテレビに出演する機会も多いと思いますが、例えば「ミュージックステーション」のような、きらびやかな舞台に立つのはどういう気分ですか?
TOC やっぱりうれしいですよ、子供の頃から観ていた番組に出られるのは。「ああ、ホントにここまで来られたんだな」って。
ただのサングラスじゃない
──まだヒルクライムの音楽を知らないナタリー読者に、このアルバムについて説明するとしたら?
TOC 一般の人にこのアルバムを説明するのであれば「問いかけるように歌っているので、その問いかけを受けてどう思うか、どう行動するか、君ならどうするか。そういう捉え方をしてほしい」って伝えますけど。コアな音楽ファンにはどう伝えるかな……。
──じゃあ「CDTVをご覧の皆さん」という前フリで始めるなら?
TOC 「大ヒットシングルが3曲入ったアルバムです」って(笑)。
──アハハハハ。きっかけはいずれにしても、これまでヒルクライムを知らなかった人がアルバムを聴いて、ライブ会場に足を運べばこっちのものですよね。
TOC そうですね! だから僕は正直に言うと「新曲9曲には強いこだわりがあります。だからちょっとシングル曲は置いといて、他のヒルクライムを聴いてください」という思いはありますね。
──なんとなくテレビや雑誌でしか知らなかった人たちは、アルバムを聴くときっと印象が変わると思いますね。
TOC うん。ただのサングラスじゃなくなると思う(笑)。アハハハ。
CD収録曲
- ルーズリーフ
- BOYHOOD
- SKYDRIVE
- トラヴェルマシン
- 押韻見聞録
- No.109
- デタミネーション
- Moon Rise
- SH704i
- Shampoo
- X Y Z
- 大丈夫
- MESSAGE BOX
初回盤DVD収録内容
- 「大丈夫」Music Video
- 「ルーズリーフ」Music Video
- 「トラヴェルマシン」Music Video
ヒルクライム
TOC(MC)とDJ KATSU(DJ)からなるラップユニット。それぞれ地元・新潟で音楽活動を続けてきた2人が、「熱帯夜」というイベントを通じて2001年に出会い、イベント終幕後の2005年にユニットを結成する。ピアノやストリングスの柔らかな音像に、アクの強いビート用いたトラック、メロウなフロウといった、クラブにもJ-POPにも寄りすぎることのない新たなスタイルを追求。インディーズでの活動を経て、2009年7月にシングル「純也と真菜実」でメジャーデビューを果たす。続く2ndシングル「春夏秋冬」がチャートTOP10ヒットなど、ロングセールスを記録。2010年1月にはメジャー1stアルバム「リサイタル」をリリースし、大ヒットとなった。