ナタリー PowerPush - Hi-Fi CAMP
コンセプトは“全曲フルスイング”! 表現の幅を広げた自信作「2nd BEST」
昨年夏にリリースした1stアルバム「1st BEST」に続き、満を持しての2ndアルバムが完成! その名も「2nd BEST」。このストレートすぎるタイトルには、彼らの楽曲に対する揺るぎないこだわりはもちろん、「世の中に自信を持って提示できる作品」という大いなる自負も含まれている。
全国ツアーや濃密な楽曲制作を経て、この1年間でさらなる進化を遂げたHi-Fi CAMP。それは、歌詞やサウンド面での新たな挑戦や、より表現力が深まった歌声から感じとってもらえるはずだ。和やかなトークから、アルバムの全貌をひも解いてみたい。
取材・文/川倉由起子
意図的に最初から“全曲フルスイング”のアルバムを作ろうと
──アルバムの収録曲については後でじっくりお伺いしたいのですが、まずは今回のタイトル「2nd BEST」。これにはちょっとツッコまずにはいられないと言いますか……。
AIBA(Key) あぁ、何のひねりもなく(笑)。
──(笑)。いや、決してそこをツッコんでるわけではないんですが、1stアルバムが「1st BEST」で、当時のインタビューでは「これはもしやシリーズ化する?」みたいな話をしてたんですよ。なので、資料が届いたときには「まさか!?」って。
一同 あはははは(爆笑)。
KIM(Vo) そうですよね。でも実は、その時点でほぼ次のタイトルを「2nd BEST」にしようと決めてたんですよ。でも、「そうです」ってあっさり言っちゃうのもなんなんで、とりあえずは匂わせとくくらいにして(笑)。でも、1stと2ndとでは、同じ“BEST”でも作り方が違うんですよね。
──なるほど。それは具体的にいうと?
KIM 「1st BEST」は、「できあがった曲を集めてみたら、なんかこれ全曲シングルにできるね?」みたいな感じだったんで、できあがった後に「1st BEST」ってタイトルを付けたんです。でも今回は最初から「2nd BEST」っていうタイトルにしようと決めてたんで。要するに、コンセプトが“全曲フルスイング”なので、最初から意図的にそういうアルバムを作ろうっていうところからスタートしたんです。目標が定まってた分、1stのときより1曲1曲を掘り下げて、広げていけた気がしてますね。
──確かに、今回は全曲がシングル級というクオリティの高さは十分感じるんですが、なかでも1曲目の「Prelude~Alive~」には度肝を抜かれました。ダイナミックで、美しい景色がパッと広がるインスト曲ですよね。
AIBA はい。まぁ、インストなんでこれはシングルにはならないですけどね(笑)。
──こういった曲をアルバムの冒頭に入れようと思ったのは、どうしてだったんですか?
AIBA 今思うと「1st BEST」のときからアルバムの構成やエンディングにはこだわってたんですけど、今回も何か新しいことをしたいなって思ってて。そんな中で最終曲「ALIVE」がすごくいい仕上がりになったので、そのエンディングからまた(アルバムの)頭につながっていけるように……と、「ALIVE」をモチーフにした壮大なインストを曲を作ってみたんです。
──アルバムを聴き進めていくのがすごく楽しみになるイントロでした。
AIBA ありがとうございます。自分でも、期待感はすごく出せたんじゃないかと思います。
今も仙台を拠点にしているからこそ、心をこめて歌える曲
──アルバムのリード曲「RIDE AWAY~雪の降る街から~」は、行ったことのない身からしても皆さんの地元・仙台の風景が何となくイメージできる曲でした。
SOYA(Vo, MC) そうなんですよ。「1st BEST」に「SENDAISTA」っていう曲があるんですけど、実はそれと「RIDE AWAY~雪の降る街から~」は、両方ともアルバムの最後にできた曲で。なんか僕、毎回締めくくりには必ず仙台の歌を書きたくなるみたいなんです(笑)。
──完成間近になると、仙台回帰の思いが湧いてくるんですかね。
SOYA 「あ、仙台書かなきゃ!」みたいな? 使命というわけじゃないんですけどね(笑)。この曲は、仙台というバックボーンがあってこその今の環境に僕たちが感謝したり、さらには上京していった人たちに向けても「いつでも僕らが帰りを待ってるよ」っていうことを歌っていて。今まさに地元を離れるという人に向けて贈ってもいいのかなって思いますね。
KIM この曲は、僕らが今も仙台を拠点にしているからこそ、すごく心をこめて歌うことができて。地元を離れてがんばっている人にぜひ聴いてほしいと思う曲ですね。
CD収録曲
- Prelude~Alive~
- 離れていても
- 一握りの空の下
- RIDE AWAY~雪の降る街から~
- ずっと幸せに
- 夢の向こうへ
- ドラゴンフィッシュ
- 夜空のLUV LETTER
- R
- 羅針盤
- メモリーズ
- Lost Love Song
- 春風~いつか桜の下で~
- ALIVE
Hi-Fi CAMP(はいふぁいきゃんぷ)
KIM(Vo)、SOYA(Vo,MC)、AIBA(Key)、TOSHIRO(DJ)の4人により2007年1月結成。2008年6月にシングル「キズナ」でメジャーデビューを果たす。デビュー曲が映画「僕の彼女はサイボーグ」挿入歌に起用され、リリース前からUSEN総合チャートベスト10入り、全国45局のラジオ局でパワープレイに選ばれるなど大型新人として話題に。その後、2008年8月リリースのSMAP「この瞬間(とき)、きっと夢じゃない」(TBS北京オリンピック2008テーマソング)の作詞作曲も担当。2009年5月発売のシングル「一粒大の涙はきっと」、8月発売のシングル「だから一歩前へ踏み出して」は、大塚製薬ポカリスエットCMソングに抜擢された。メンバーは全員仙台在住。