「1stアルバムだっちゃ」、みたいな？（笑）

──今回新録の楽曲制作も、4人それぞれがまずデモを持ち寄って？

SOYA　はい。で、最終的には4人でディスカッションして作り上げていくので、クレジットにはHi-Fi CAMPと。

KIM　デモは各々が作ってくるので、まずは作った人が若干のイニシアチブを取りつつ。でもそこからAIBAのアレンジが入って、4人で意見を出し合う頃には完全に4人の楽曲になってる感じです。本当に絶妙なバランスですね。

──それってこの4人でしかできないことですかね？

KIM　うん、だと思います。

──3曲目の「SENDAISTA」は地元・仙台に捧げるカッコいい1曲ですね。これはやっぱり皆さんの故郷へ向けての“愛”ですか？

SOYA　愛、です！ 歌詞はかなり苦戦しましたけど、これはどうしてもアルバムに入れたくて。

KIM　仙台への想いを書いた楽曲をずっと作りたいとは思ってたんです。それで今回SOYAがデモを持ってきたときに「めちゃくちゃイイじゃん！」って思って。僕も本当に「歌いたい！」って思える曲だったので、楽しんでレコーディングもしました。まだライブではやってないんですけど、仙台で歌ったらそれこそどんな盛り上がりになるのかな～と。

──地元のファンはめちゃめちゃうれしいと思いますよ。

SOYA　そうだとうれしいです。実は僕、この歌詞はギリギリまで東北弁にするか迷ってたんです。「～だっちゃ」「～だべ」「おばんでがす」……って（笑）。でもそういうのはちょっと雰囲気と合わないかなって（笑）

──個人的には聴いてみたかったですけど（笑）。じゃあ皆さんは今インタビュー中は、割と無理して標準語をしゃべってるんですか？

AIBA　そうですね。作業してても気を抜いたときは出ちゃいますね。

TOSHIRO　今も「濁点つけたいなー」とかね（笑）。「1stアルバムだっちゃ」、みたいな？（笑）

全員　あはははは！（笑）

SOYA　でもみんな、仙台について1曲書きたいっていうのは思ってたことではあると思うんです。やっぱりHi-Fi CAMPを生んだ街だし、僕ら一人ひとりも生まれ育った街なので。迷惑ばっかかけてきた場所に恩返しできたらっていうのもありますしね。

AIBAの奇跡、AIBAの魔法

──ラストナンバーの「ありがとう、ずっと…」は、本当に泣かせるシメでした。

AIBA　個人的に「ありがとう、ずっと…」は今作で一番思い入れが強い曲で。アルバムの最後に入れることで、ファンの皆さんや普段お世話になっている人たちへ向けての“ありがとう”というメッセージを絶対に伝えたかったんです。

TOSHIRO　感謝の気持ちっていうのは、どこの世界でも必要で当たり前のことで。でもそれがなかなかできなかったり……という現状もある中で、この曲は歌詞にしてもメロディにしてもその気持ちを素直に表現できたと思います。

──アウトロで流れるピアノの旋律もすごく素敵でした。

SOYA　あのアウトロはいいシメですよね。僕らは“AIBAさんの奇跡”って呼んでるんですけど（笑）。

TOSHIRO　そうそう。“AIBAさんの魔法”、とも言いますね。

──ではAIBAさん、このピアノのアウトロはどういった想いで？

AIBA　僕らが今回のアルバムを作るにあたって1年ちょっとっていう期間があったんですけど、そこを振り返るような感じで。映画のエンドロールみたいなイメージです。聴いてくれる人には、こういう曲もあったし、ああいう曲もあったなって思い出してもらえたらいいなっていう。

KIM　クールダウンをしてもらって、でもまた感情を揺さぶり始める、ナイスなアウトロだと思います。

SOYA　で、うまいところでフェードアウトするからもう1回聴きたくなるんですよね。不思議ともうひと回し聴こうかってなるんですよ。

12月からの全国ツアーも1stにして“BEST”なものを

──最後に改めて、この1stにして“BEST”なアルバムを作り上げた手ごたえは？

SOYA　本当に4人のベストを尽くせたって感じです。これまでお世話になった人、かかわってくれた人全員に自信を持って出せる最高のアルバムだと思います。

KIM　だから、今後もっともっといろんな楽曲に挑戦していけるし、前向きな気持ちにもなれる気がします。

TOSHIRO　できれば1～13曲目までを順に聴いてほしいかなと。バラバラでもいろんな表情はあるんですけど、やっぱり曲順もじっくりも考えた上での1枚なので、流れも味わってもらえたらうれしいです。

AIBA　やっぱりHi-Fi CAMPには、“メロディ”と“歌詞”という普遍的なものが芯にあるので。どの曲もシングルだと思って作ったくらい、ぬかりはないです！

──1stツアーもいよいよ12月から始まりますね。

AIBA　（ツアータイトル「1st BEST TOUR～大変恐縮です…～」を見て）今ふと思ったんですけど、これ「1st BEST」というアルバムのツアーじゃないですか？ でもちょっと区切り方を変えると、初めての“BESTツアー”とも読めるなって。

SOYA　あらららら～！（驚）

──本当だ！

AIBA　だからどの会場でも、最初のベストになりうるライブができたらいいなと思います。

SOYA　ハードル上がりましたね（笑）。まあ今は少し心配な面もあるんですが、必ず本番までに間に合わせたいと思ってますから。楽しみにしていてください！