ナタリー PowerPush - Heavenstamp
混沌の時代に新進気鋭バンド現る 2011年最新型サウンド
全員共通のルールは「普通じゃダメ」
──なるほど。じゃあお2人は「バンドやってるんだよね。どういうバンドなの?」と誰かに訊かれたとき、自分たちのことをどう説明します?
Tomoya.S それ一番難しいって最近気付いたんですよね! なんて言ったらいいかわかんないんだよなー。考えてはいるんですけど……。
──では、メンバーの中で決めているルールとか?
Tomoya.S あ、全員共通のルールは「普通になっちゃったらダメ」っていうことですかね。
Sally#Cinnamon うん。
Tomoya.S 例えば歌詞を作っても、読んで「普通だな」って思うんだったらそれはボツ。ギターでも普通のフレーズはダメ、みたいな。みんなこのルールに則って書いてるからそうはならないはずなんですけど。
──普通のフレーズとは?
Tomoya.S たやすく想像のつくものですね。
Sally#Cinnamon 歌詞だったら「なんか聴いたことあるよね」とか「こういうこと書いてる人いるよね」みたいなものを見せるとたぶん却下されるんだろうな(笑)。まず自分でも却下すると思いますし、つまんないから。メンバーそれぞれに「普通じゃダメ」って意識はあると思いますね。
──でも、だからといって奇をてらおうとしてるわけでもないですよね。
Tomoya.S そうですね。そうすると奇をてらいたいだけの普通のバンドになっちゃうので。
──はい(笑)。
Tomoya.S あぁ奇をてらおうとしてるなって根底が見えてしまう人もいますよね、正直。でもそれじゃダメだと思うので、何が言いたいかっていうと……。
Sally#Cinnamon バランスかな。すべてにおいてバランスが最重要だと思います。単なる変なもので人に届かない音楽では意味がないので。やっぱり私たちは人に届けるために音楽やっているので、常にバランスは考えていきたいですね。
私たちはめちゃくちゃキャッチーに作ったつもり
──これからメジャーシーンで活動すると、リスナーは格段に増えどんどん層が広がっていきますが、ズバリHeavenstampの音楽は万人に受けるものだと思いますか?
Tomoya.S 受けるんじゃないでしょうか? 受けない人もいるのかなぁ。
Sally#Cinnamon 受けてほしいと思ってます!(笑)私たちはめちゃくちゃキャッチーに作ったつもりですから。そんなことないですか?
──キャッチーだと思います。リミックスも含め、とても覚えやすいし癖になる音で。
Sally#Cinnamon ジャンルや言葉の隔たりも全部取っ払って、この音が一番届きやすいようにしてあるので、どうぞ! って自信持って差し出せますね。なので覚えやすいって言ってもらえるとすごくうれしいです。
Tomoya.S 音楽って聴き手にもセンス求められますよね。でもこれはセンスある人はもちろん、そうではない人にも届くと思うんです。そんなこと言っちゃまずいか(笑)。
──インタビューの冒頭でも話してくださったとおり、リリースされるのが楽しみだというのが伝わってきますね。
Tomoya.S 自分がいち音楽ファンとして音楽で感動する瞬間の1つが、気に入ったCDがあって、そのCDをたくさん聴いてライブに行って、実際に曲が演奏されるときなんです。ステージで初めて聴く曲ももちろん感動するけど、やっぱり聴き込んだ音源を生で観れたときの感動、イントロ始まった瞬間の「やった!」っていう気持ちは最高ですよね。で、僕らもお客さんにそういう気持ちになってもらうには、まずCDを出さないと。この「Stand by you E.P.+REMIXES」を出すことで、ライブに来てくれるお客さんと感動の共有みたいなものができたらいいなと思いますね。
CD収録曲
- Stand by you
- Pops
- Cambrian.
- Stamp your feet
- Stand by you - 80KIDZ remix
- Pops - Bloc Party vs CoPilots Drunk In Charge remix
- Stamp your feet - Pepe California remix
Heavenstamp(へぶんすたんぷ)
それぞれ別のバンドで活動していたSally#Cinnamon(Vo, G)、Tomoya.S(G)、Shikichin(B)、Mika(Dr)が集まり2009年に結成。ライブをベースに活動し、2010年12月に初のCD作品「Hype -E.P.+REMIXES」をインディーレーベルGoldtone Redordsからリリース。本作はBLOC PARTYのメンバーであるラッセル・リサックがリミックスで参加し、各方面から高い評価を受ける。2011年1月にはフレンチロックバンドJAMAICAと東阪でライブを行うなど、注目度が高まる中、ワーナーミュージック・ジャパンと契約。同年5月にミニアルバム「Stand by you - E.P.+REMIXES」でメジャーデビュー。ニューレイブ以降のギターロック、ディスコ、パンク、シューゲイザーサウンドを日本人的ポップ感覚で消化した、美しいアンサンブルを武器に活動している。