ナタリー PowerPush - HAPPY BIRTHDAY
2700と赤裸々“アイプチ”対談
最新ミニアルバム「嘘でもかわいいと言って」をリリースした2人組ガールズバンド・HAPPY BIRTHDAYと、大ブレイク中のお笑いコンビ・2700がナタリーに初登場。HAPPY BIRTHDAYからのオファーによって実現した今回の異色対談は、アルバムの話はもちろん、赤裸々な恋愛観から互いへの質問まで幅広い分野にトークが波及。初対面にもかかわらず、笑いの絶えない和やかな雰囲気となった。
取材・文 / 川倉由起子 撮影 / 平沼久奈
歌詞の主人公は限りなく自分に近い
──まずはHAPPY BIRTHDAYの2人にお伺いしますが、ミニアルバム「嘘でもかわいいと言って」は女の子のすごくリアルな感情がむき出しになった1枚ですね。
きさ(Vo, G) 普通に生活してると誰だっていろんなつらいことがあると思うんですけど……この作品は1人の女の子が悲しみや苦しみ、嫉妬、コンプレックスといったいろんな感情を抱えながらも、それを乗り越えようと必死にもがきながら頑張る姿を収めた1枚になってます。
──全5曲の主人公は同じ女の子ということですか?
きさ 基本的にはそうなってますね。
──全体的に、実際に経験しないと書けないような描写だったり、臨場感のある歌詞が印象的でした。これは、きささん自身がモデルなんですか?
きさ 曲はすべて実体験を元に作っているので、限りなく自分に近いですね。ただ、今までは100%実体験で作ってたんですけど、今回は自分に近い架空の女の子を別に作って書いていきました。
──それはなぜでしょう?
きさ だんだん自分が成長していくにつれて、100%実体験で表現するってことが一番良い形ではないかも……と思い始めて。もっとたくさんの人に聴いてもらうために、自然とそんなふうに変わっていきました。
──あっこさんは今作にどんな印象を持っていますか?
あっこ(Dr) 基本的に私はきいちゃん(きさ)の曲のいちファンなんです(笑)。毎回きいちゃんが持ってくる曲が楽しみだし、すごく共感もしていて。その際に曲の感想や意見を言うこともあるんですが、今回だったら選曲の時点で「『アイプチコンプレックス』は絶対やりたい!」って言いました。個人的にすごくお気に入りだったので「これはやったほうがいい!」って推したんです。
──そうなんですね。では、タイトルの「嘘でもかわいいと言って」はどんな思いで命名したんですか?
きさ 「アイプチコンプレックス」の中に「『かわいい』と嘘でも言って」という歌詞があるんですけど、アルバムのタイトルをたくさん考えてるときに「この言葉、わかりやすくていいな」って思って。それこそが今回の主人公がずっと思ってる気持ちなのかなと思ったので、タイトルにもすることにしたんです。
すごく応援したくなる歌詞
──では、ここからは2700のお2人にも参加していただきます。
八十島・ツネ はい! よろしくお願いします!
──まず、この作品の感想はいかがでしたか?
ツネ 声が印象的でしたね。すごく透き通ってて、優しくてやわらかい感じがいいなと思いました。歌詞は女の本性というか、ちゃんと洗いざらい出してるなっていう。きれいな恋愛だけを書いてるわけじゃないところにインパクトがありましたね。
八十島 僕は今回の曲が全部切なく聴こえたんですよ。ポップな曲調もあるんですけど、結局は切なさを感じるというか。それって新しいなと思って。
きさ すごくよく聴いてくださったんですね! ありがとうございます。
八十島 もう4億回くらい聴きましたよー!(笑)
ツネ うん、大体4億回くらい聴きましたね(笑)。
八十島 歌詞もさっきツネが言ったように、誰もが共感するものというより、本当に自分の気持ちをさらけ出してるなって感じ。めっちゃ気持ちがこもってるのが伝わってきましたね。だから僕は……「もうがんばれや!」「彼氏だって取り返せや!」みたいに(笑)、すごく応援したくなりました。
HAPPY BIRTHDAY(はっぴーばーすでぃ)
きさ(Vo, G)、あっこ(Dr)の2人からなるガールズバンド。2007年4月に専門学校の入学式で出会った2人はそれぞれでバンド活動を行っていたが、2010年2月にHAPPY BIRTHDAYを結成して活動をスタートさせる。2010年11月、初のアルバム「デートに行けない日曜日」をリリース。女の子らしい感情や日常の情景を描いた歌詞とカラフルなサウンドで、同世代の女性を中心に人気を集める。2011年10月、アルバム「ファーストキス」でメジャーデビューを果たす。2012年5月には最新ミニアルバム「嘘でもかわいいと言って」をリリース。
2700(にせんななひゃく)
八十島、ツネの2人によるお笑いコンビ。2008年2月に結成し、そのわずか8カ月後には第1回「キングオブコント」で決勝進出を果たし、一気に注目を浴びる。同年12月より活動拠点を東京に移し、2011年には再び「キングオブコント」で決勝に進出し、準優勝に輝いた。テレビやラジオ、舞台を中心に幅広い活躍を続けている。