「ほほ笑み」のイメージ

──2ndシーズンまでの流れだったら、ハウスミュージックが1曲あったらカップリングは異なるタイプの楽曲が選ばれていたんじゃないかと思うんですけど、今回は3曲ともSTUDIO APARTMENTによるクラブ系のサウンドで、非常に明確なコンセプトを感じました。

最初にいただいた「MOMENT」を何度も聴いていたので、あとでいただいた2曲はスッとなじむことができました。

──この3曲は“クラブミュージック”としてひとくくりにはできるものの、それぞれに少しずつ色合いが違いますよね。2曲目の「Timeless」はとりわけ硬質なハウスサウンドで、一番戸惑ったんじゃないかなと思ったのですが。

カッコいいですよねー。でも実はこの曲が一番レコーディング時間は短かったんですよ。歌のイメージがスッと固めやすかったというか。「ほほ笑みモード」が一番難しかったなあ。

──それは意外ですね。「ほほ笑みモード」はハウスの中でもブラジリアンハウス的というか、生っぽいパーカッションやエレピなど温かい音色で構成されていて、実はそれほど違和感を感じなかったんですよ。これまでの作品の延長線上にある音楽だなと。

サウンドは大人な雰囲気だけど、「ほほ笑み」のイメージを自分なりに表現しようとすると少し子供っぽくなってしまったりして。歌い方のさじ加減、声の表情の付け方がすごく難しかったんですよね。今回もボーカルディレクションは北川（勝利 / ROUND TABLE。2ndアルバム「25」まですべての作品のサウンドプロデュースを手がけた）さんにお願いして、最終的な声と音楽のバランスは北川さんに見てもらいました。初めて一緒にお仕事するスタアパさんと私の間を取り持ってくれて、仮歌を作ってくださったり、道しるべを作ってもらったような。

──スタアパのお2人とはどのようなお話を？

レコーディングでは音楽的な話よりも、世間話のほうが多くて。阿部（登）さんがなんとも言えないまったり感のある人で（笑）。

「KANAight」でクラブ初体験

──この3曲、ライブで歌うときどんな感じになるんでしょうね。

私もそれは真っ先に考えました。実はクラブでライブをやることが決まったんですよ（11月9日に東京・SOUND MUSEUM VISIONにてシングル購入者を対象としたイベント「KANAight」が開催。参照：花澤香菜の新曲PV公開、初クラブイベントも）。自分でもどうなるのか想像が付かなくて……。

──これまでのライブで培ってきた発声やふるまいとはまた違うものを要求されるかもしれない。

違いますよね、きっと。「ほほ笑みモード」のPVを撮るときも「クラブっぽく踊って」という指示があったんですけど、もう全然できなくて（笑）。なんかこう、こんな感じ（両手をひらひらさせながら）かなと思ったんですけど、1人でやるのはなんか変だなって。ちょっと落ち込んだけど、「ほほ笑みモード」の歌詞にはげまされるっていう（笑）。でも来てくれるお客さんの中には私と同じようにクラブは初めてという人もいると思うので、一緒にクラブの雰囲気を楽しんでもらえたらいいなと思います。私もお客さんも、きっと今までのライブのようにはいかないと思いますけど……。

──そこは不安もあれど、楽しみでもある？

そうですね。楽しまないと損ですよね。衣装とか演出も、きっと今までとは違うものになると思うので、そこも楽しみにしてほしいですね。