好きという感情に垣根はない

──アイドルもシンガーも含めたガールポップシーンについてはどう感じていますか？

相沢　アイドルになってみて感じるのは、いろんなことが怖くなくなって強くなれたなっていうことなんですよ。楽しいことはもちろん、つらくて悲しいことまでも音楽を通して聴いてもらうことができるし、それによってみんなとつながっていける。だからこそ世の中にあるジャンルというか、いろんな垣根をアイドルなら壊していけるんじゃないかなっていう気がすごくするんです。こういうことを言うのはちょっと恥ずかしいんですけど（笑）。

ハナエ　でも、ほんとにそう思います。今ってほんとにアイドルの力が大きくなってますもんね。その中でもでんぱ組が一番いい意味でのカオスだと思いますけど（笑）。だってN'夙川BOYSとBO NINGENと一緒にイベントをやって「ああ、なるほど」って思えるのってでんぱ組だけじゃないですか。ほんとに垣根を壊してくれてるなってすごく思います。

──シンガーであるハナエさんがアイドルイベントに出ることもあるわけですしね。

ハナエ　そうですね。アイドルファンの方も受け入れてくれていると思うし、私のファンもアイドルイベントに行って「ケチャってよくわかんないけど楽しかったです！」って言ってくれてるんで（笑）。もちろんアイドルというテーマは大切だし、私もアイドルイベントには出るけどシンガーだし、そういう区切りみたいなものはあるけど、好きという感情にはもう垣根なんてない時代になってる気がするんですよね。

相沢　みんなで一緒にもっともっと盛り上げていけたらいいですよね。いろんな人が出るごちゃまぜフェスがあってもいいと思うんですよ。今は情報がたくさんあるから、その中で自分の好きなものを見つけるのが大変な時代だと思うんです。でもそういうフェスがあればお客さんはいろんな音楽に触れることができるじゃないですか。そこで見つけた好きなものっていうのは、きっとその人にとっての本物だと思うから。

──アーティストにとっても他ジャンルの人と競演することが刺激にもなるでしょうし。

相沢　うんうん。ほかの人たちを見ることで、自分たちもがんばろうって思いますもんね。ただ、でんぱ組の場合は「ライバルは誰ですか？」って聞かれると、「プリキュアです！」っていつも答えてるんですけど（笑）。二次元は最強だと思うんですけど、いつか勝ってやりたいなって。

ハナエ　でんぱちゃんなら全然行けると思います！ だって、ニューシングルの二次元盤パッケージはもうほぼプリキュアじゃないですか（笑）。

相沢　あははは。今回のシングルにはGAME盤っていうのがあって、そのジャケは二次元キャラで私たちが描かれてるんですよ。めちゃめちゃうれしくて。

ハナエ　すっごいかわいい。梨紗ちゃんが中二病っぽいのがほんとに超タイプ（笑）。

相沢　中二病にしてください！ 眼帯お願いします！って私からリクエストしたんですよ（笑）。いつかは実際にこんな感じになりたいですね。

コラボしたら絶対楽しい！

──ではいい流れになったので、それぞれの新作のお話を最後に伺いましょう。ハナエさんのニューシングル「Boyz & Girlz」は、前作に引き続き真部脩一さんがサウンドプロデュースを手がけられたキュートなポップチューンです。

ハナエ　前作の「神様はじめました」をすごく楽しんで作ることができたので、真部さんとまた一緒にやりましょうっていうことになって。ペンタトニックの変な飛び方をする難しいメロディの曲なので、レコーディングではずいぶん鍛えられましたね。でも、その中で力をうまく抜く技術が身に付けられた気もしていて。今まではちゃんと音程を意識して、タイミングもばっちりで歌わなきゃいけないと思ってたんですけど、逆にちょっとゆるい感じのほうがかわいいかもなっていうことに気付けたんです。ささやくような歌い方も、今回はちょっと弾むような感じが入れられたのでよかったなって思います。

相沢　この曲、めちゃめちゃ好きです！ ハナエちゃんのたゆたうような歌声が1回聴くと頭から離れなくなっちゃって。あと歌詞がちょっとね、恥ずかしい！みたいな感じもあって。私の考えすぎなのかな（笑）？

ハナエ　キャッ！みたいな雰囲気は入ってますよね。でもそこを意識すると恥ずかしくなってしまうので、レコーディングではあくまでクールにしてましたけど（笑）。

相沢　そうそう。そこがまたいいんですよ！ ちっちゃい子が意味もわからずに大人な歌詞の曲を歌ってるような、そんな気持ちにさせられるんで（笑）。

──そして、でんぱ組はニューシングル「でんでんぱっしょん」をリリースします。これはもう、でんぱ組にしか歌えない最強アッパーチューンですよね。

相沢　ちょっとバカっぽいんですよ、今回（笑）。前作「W.W.D」がちょっと暗かったんで、いい意味でバカになろうっていう。「でんぱれーどJAPAN」以来のでんぱ組らしいお祭りシングルになってると思うので、原点回帰ではないけど、改めてでんぱ組らしさを感じてもらって、みんなが元気になったらいいなって思います。

ハナエ　これはもうキターッ！って感じでしたね。この曲を初めて聴いたのが原宿のイベントライブだったんですけど、そこからずっと「♪でんでんでんでんでんでんぱっしょん！」っていうフレーズが頭をグルグルしてて（笑）。やっぱりでんぱちゃんは楽しくて面白い世界へ一緒に連れて行ってくれる存在なんだなって思いました。カラオケに行くとでんぱちゃんの曲は毎回全部歌うんですけど、これも早く歌いたいですね。

相沢　えーうれしい。一緒に行って、ハナエちゃんの歌聴きたい！

ハナエ　え、そんなドキドキしちゃって歌えないですよお。

──あははは。この対談を経てさらに交流が深まるといいですね。

相沢　コラボとかできたらいいですよね。

ハナエ　やりたいです！ 私がでんぱちゃんの曲に寄せると途中でぶっ倒れちゃいそうですけど（笑）。

相沢　逆に私たちがハナエちゃんみたいな曲を歌ってもね、たぶん面白いことになっちゃうと思うし（笑）。でも何かやれたらいいですね。絶対楽しいと思うから。