ソースビューティと醤油ダンディ、澪風 with 5人

──森さんと塚本さんの“ソースビューティと醤油ダンディ”による「ある蒼い恋の物語」は4月の東京・Zepp Tokyoワンマンで初披露された楽曲で、「リトル＊フラワーズ」とは対照的な大人っぽいナンバーです（参照：はちみつロケット、無謀すぎるZepp Tokyoワンマンで見た最高の景色）。

塚本　Zepp Tokyoのときはハットを被りながらマイクスタンドを使って歌って。テーマが“マスキュリン”なので、女性ファンに「きゃー！」と言わせるくらいカッコよく見せることを意識しました。いつもの私たちとは違う一面を見せようと楽曲の世界観に入り込んで歌っているので、自分たちも楽しいし、お客さんにもその世界観を楽しんでもらいたいです。

──間奏前には森さんのセリフがありますね。

塚本　（森の声色を真似しながら）「愛しているよ」って。

森　しょっちゅう真似してくるんですよ！（笑） 私は声がかわいくないので、これまではセリフのパートがあまり回ってこなかったんです。でも今回は歌割りを担当したのがいつもの方じゃなくて、ダンスの先生で。それもすごく新鮮でしたし、100人くらいの心臓を奪うつもりで「愛しているよ」のひと言に気持ちを込めています。

澪風　ハートじゃなくて心臓なんだ（笑）。

森　少しでも笑ってしまうと世界観が崩れてしまうので、毎回そこを意識して2人で歌っています。でも、スタンドマイクを使い慣れてないから、いつも颯来ちゃんが歌い出しを忘れるんですよ（笑）。

塚本　この前もスタンドマイクがおへそのあたりまで下がって、りんごちゃんみたいになっちゃったんです（笑）。そんなハプニングもありますが、カッコいい曲ですし、私じゃなくてクールなもりりんが「愛しているよ」というセリフを言うことに意味があるのかなと思っています。

──そしてもう1つの楽曲「NO ANSWER!」は澪風さんのソロ曲で、普段の天真爛漫な姿とのギャップを感じさせるダンストラックに仕上がっています。

森　ほかの5人はコーラスとバックダンサーを担当していて、“澪風 with 5人”みたいになってるんです！ ぜいたくですよ。

澪風　レコーディングではこの曲をいただけたうれしさを抑えつつ、クールに歌いました。私、声は低いんですけど、カッコよく歌おうとしたことがあまりなくて。アイドルだからかわいく明るく歌おうと意識してきたんです。でも、「NO ANSWER!」から悪っぽいイメージを受けたので、ステージ上でも悪そうにカッコよく歌おうと思います。

森　普通にCMや街で流れていそうなカッコいい曲だよね。アイドルファンじゃない方にも聴いてほしいです。この曲は澪風ちゃんしか歌えないと思っていて、澪風ちゃんはフィーチャーされると急に花が開くんですよ。今回こんな歌い方もできる人なんだなと改めて尊敬しました。後ろで私たち5人が踊ったときに、澪風ちゃんがどう輝くか楽しみです。

澪風　めっちゃプレッシャー（笑）。ぜいたくなことをさせてもらっているので、「私が歌ったほうがいいんじゃないか」と思われないようにみんなを引っ張ります！

「ライブスタイルダンジョン」で見せてきたものは間違ってない

──今年からスターダストの女性アイドルセクション「STARDUST PLANET」の所属グループらがパフォーマンスで競うライブ企画「ライブスタイルダンジョン」が定期的に開催されていますが、10月の第2回ではちロケは曲ごとに衣装を変えたり、はちロケダンス体操をやったり、カバー曲を歌ったりと正攻法じゃない戦い方をしていました。過去2回共に優勝には至らなかったものの、エンタメ性のあるグループとして認知が広がっていると思います。

公野　はちロケはほかのアイドルグループと比べていろんなタイプの楽曲があると思うんですよ。似ている曲があまりなくて、メンバー同士で「『ライブスタイルダンジョン』でも1曲1曲まったく違うものを見せたい」という話をしたんです。普段から楽しさを届けることを意識しているし、その日はメンバーが少なかったこともあって、いろんな見せ方に挑戦しました。

森　先ほども話に出たように、アイドルは歌とダンスだけじゃないと思うんです。優勝した桜エビ～ず（現：ukka）やアメフラっシはパフォーマンス力がすごく高いじゃないですか。それに負けたくないのはもちろんですが、お客さんに楽しんでもらうことが私たちのエンタテインメントだと思っているので、ときには笑いの要素も入れて、いろんな見せ方ができることを証明したかったんです。その日のライブだけじゃなく、この先もずっと応援してほしいという思いも込めて。それをたった4曲で伝えるのは難しいし、「はちロケは真正面から戦ってないよね」という声も聞くんですけど、私たちはその戦い方がはちロケのカラーだと考えているので、今まで「ライブスタイルダンジョン」で見せてきたものは間違ってないと思っています。

澪風　「ライブスタイルダンジョン」は実力勝負です。その中で楽しさも表現力の1つになると思うんです。私たちが表現力を高めて、さらに楽しさを届けられたら認めてもらえるのかなと。

──今回のシングルにも多彩な曲がありますし、1つのことに執着せずに振れ幅を持てることは強みですよね。

森　来てくれたお客さんの心に何かしら残したいと思っているので、ほかのグループと違うことをやりたいですね。

華山　何かに縛られずにいろんなことに挑戦していきたいですね。この間は私たちのやりたいことに実力が追いついていないせいで、お客さんにしっかりパフォーマンスを届けることができなかったのかもしれないです。“はちロケらしい”という言葉でなんでも片付けずに、実力も伴う形で勝負していければ、もっと多くの方に受け入れてもらえると思います。正直、ライブのあとにけっこう否定されたんですよ（笑）。なので、これからは「こういうのもありだな」と思ってもらえるように、より一層がんばります。