逆境をチャンスに変える力を持っている
──9月には定期ライブ「渋谷地元人~毎月やるよ!渋谷で会おうよ!~」がスタートしました。公野さん主導で観客と一緒に踊る“はちロケダンス体操”など、初の試みもありますね。
公野 最初はみんな「はちロケダンス体操って何?」とざわざわしてたんですけど、最近は踊ってくれるようになりました。これを育てていったらもっと一体感が生まれるんじゃないかなと、ちょっと安心してます(笑)。
──11月9日の定期ライブはフルメンバーでない中、とてもエモーショナルなライブになったそうで。
華山 自分たちでもなんて言葉で表したらいいかわからないんですが、すごくいい時間だったと思います。会場にいた人とステージ上の私たちが同じ熱量を持って1つになれた感覚がありました。忘れられない時間でしたね。
澪風 もりりん(森)が弾くピアノの音に合わせて歌うという新しい試みもあって、それがマンガや映画のワンシーンのようで。みんなで一緒に作り上げていく感覚って決して現実離れしたことじゃなくて、リアルにあることなんだと感じました。
──どうしてそういう空間を作り出せたんでしょう?
華山 その日は颯来がお休みで、もりりんも体調が万全の状態じゃない中でがんばっていて。お客さんも「支えなきゃ」と声援を送ってくれていたし、私たちも「この状況をなんとかしなきゃ」と必死でした。会場にいる全員が「このライブをどうにかしなきゃ」と思ったことで、素敵な空間が生まれたのかなと。みんなで1つのものに向かっていたような感じ。
──逆境だからこそ生まれたものだったと。
森 颯来ちゃんがいないぶんそれぞれの歌のパートが増えて大変だった中、さらに私の声が出なくなってしまったんです。それってお客さんからお金と時間をいただく以上ありえないことではありますが、アイドルは歌とダンス以外でも魅せられるというか、あのときは何か魔法がかかっていて。みんなでライブを作る感じがはちロケらしいと思いました。アイドルだからこそ万全じゃないステージも最高なライブにできるということ、自分たちは逆境をチャンスに変える力を持っているということを証明できたなと。自画自賛になるんですけど(笑)。
澪風 あははは!(笑)
森 自分でもよくやったなと思う場面があって。「ハニートランポリン」の落ちサビは私と颯来ちゃんの2人で歌っているんですけど、そのときに完全に声が出なくなったんですよ。ライブの後半戦でみんなが1つになって盛り上がっている中、「これはヤバいな」と思いつつ、でもなんか楽しくて、ロケッターのみんなに歌ってもらおうとフロアにマイクを向けたんです。そしたらみんな歌ってくれて……何笑ってんの!
塚本 いや、それを自分で言ってるのが面白くて(笑)。
森 「誰か言ってくれないかな」と思ってたけど、誰も言ってくれないから! 落ちサビだけ歌詞が違うのに、みんなしっかり歌ってくれて。実際にそこでグッときたでしょ?
華山 私、そこでうるうるしました。
森 ほらー!
華山 いや、もりりんにじゃなくて(笑)、ロケッターのみんなが私たちを支えようとしてくれたことにだよ。
永遠やないんや!
──ここからはニューシングル「ROCKET FUTURE」について聞かせてください。浅野尚志さんが手がけた表題曲は未来へ踏み出す勇気を歌った、新体制初シングルとしてぴったりなナンバーですね。初めて聴いたとき、どんな感想を持ちました?
塚本 私、「ROCKET FUTURE」の“FUTURE”を永遠という意味だと勘違いしてて(笑)、聴きながら「永遠にがんばろう」と思ってました。で、この間スタッフさんに未来という意味だと教えてもらって、「永遠やないんや!」って。
森 感想薄っ! 歌詞に「未来」って出てくるし。
華山 大丈夫? 受験生だよね?(笑)
塚本 それはともかく(笑)、「ROCKET FUTURE」はノリやすくてコールも入れやすいし、これこそアイドルっぽい王道の曲だと思います。聴いているとスキップしたくなりますね!
華山 サビに「未来は待つもんじゃない つかまえよう」「未来を怖がる必要なんてない」という、今の私たちに対して言っているような歌詞があって。歌っていると「今がんばんなきゃ」という思いが強くなります。
──応援歌でありつつ、自分たちも感情移入できる曲だと。
華山 そうですね。楽しい曲だけど、それだけじゃないというか、ちゃんと意味が込められていて、今の私たちだからこそ歌える曲だと思います。
──ライブでのロケッターの反応はいかがですか?
森 今までシングルの表題曲でコールが入る曲がほぼなかったので、すごく新鮮です。
播磨 初披露したときに、みんなもうコールを叫んでいました。ロケッターの対応力がすごいのはもちろん、コールを入れたくなるような曲なんだと思います。あと、雰囲気がメジャーデビュー曲の「はちみつロケット ~黄金の七人~」にちょっと似ているなと感じていて。なんて言うか、えーと、コールを入れやすい「黄金」みたいな……。
塚本 曲を曲で例えるな!(笑) 「黄金」と同じように等身大の私たちを表していて、前向きで明るい曲って言いたいんだと思います。
森 要するに、6人での再スタートの決意を込めた曲ってことですね!
播磨のラップがアクセントの「リトル*フラワーズ」
──今回のシングルには各形態にそれぞれ異なるユニット曲が収められています。まず華山さん、公野さん、播磨さんの3人が歌う「リトル*フラワーズ」は友情を描いた温かい楽曲です。
公野 メンバーのイメージを表した曲なのかなと。もともと私と志歩ちゃんの2人で“華々コンビ ”と言っているんですよ。舞華と華山の華を合わせて。
森 播磨、省かれててかわいそう(笑)。だったら、「ダブル*フラワーズ」でよかったじゃん。
播磨 最初、「フラワー*フラワー」ってタイトルだったんだよ。「私、入ってないじゃん! 『*』が私のことなのかな?」って(笑)。
華山 いつの間にか「リトル*フラワーズ」になってました。
公野 歌詞もかわいいし、落ち着いて聴ける曲調だし、ほかのユニット曲とは全然違う雰囲気です。
──播磨さんにも、そういう落ち着いたかわいいイメージがあるということでしょうか?
播磨 そうですね。私は声がかわいいほうだと思うので(笑)。
華山 (笑)。私ときみちゃん(公野)がメロディを歌っていて、播磨はその合間のラップパートを担当しているんです。播磨がいることによって、明るさがプラスされて聴いていて飽きない曲になっていると思います。
森 播磨がラップを担当するの初めてじゃない?
播磨 そうなの。でも、ラップというよりセリフみたいになっていて。「ラップできるかな」と思いながら練習していたら、レコーディングのときにスタッフさんから「ラップじゃなくてもいいよ。ラップ担当の澪風ちゃんと比べられちゃうから、セリフっぽくやってみて」と言われたんです。
華山 最初は「これ、播磨にできるかな」と心配していたんですけど、完成した音源を聴いたら播磨らしさが出ていてよかったです。
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ソースビューティと醤油ダンディ、澪風 with 5人