はちロケ、次はこう来るんだ！

──MVはかわいらしくもコミカルな映像に仕上がっていて、最初観たときにすごくシュールだなと思いました。

雨宮　確かにシュールって言葉がぴったりかもしれない。

森　水泳帽を被ってるのが1周回ってかわいく見えてくるよね。

塚本　カメラのほうを振り返って真顔で歌う冒頭のシーンがすごく面白いです！（笑）

森　特に澪風ちゃんと播磨がシンクロの選手みたいで（笑）。

公野　キレがすごい（笑）。じわじわくるよね。

播磨　ぬるっと振り向くより、ガチでやったほうがシュール感が出るかなと思って（笑）。

澪風　私はキレ味がよすぎて撮り直しました（笑）。

──（笑）。最後のほうの真顔で踊ってるダンスもシュールで面白いですよね。

播磨　109、センター街、ハチ公、スクランブル交差点を両手で表しているんです。

森　はちロケはMVもかわいらしいものが多かったから、観た人は「はちロケ、次はこう来るんだ！」と思うんじゃないかな。

華山　今までは学校とか実際に行ったことがある場所が舞台だったけど、今回は異空間というか、不思議な世界に入り込んだ感じがする。

塚本　でも全体を通してすごくおしゃれだよね。

華山　アメリカンテイストで。

播磨　途中で登場するワッフルのチラシに「HACHIROKE WAFFLES」と書いてあったり、新聞に「HARICHIROKE NEWS」という文字が載ってたり、何回も観ているうちに気付くことがたくさんあって、飽きないMVになってると思います。

塚本　あと本物の秋田犬と撮影したんだよね。

雨宮　播磨と一緒に撮影してたんですけど、全然なつかなくて。

澪風　播磨も若干ビビってたよね（笑）。

播磨　どうしたらいいかわからなくて、とりあえずなでてました（笑）。なぜかすぐに逃げちゃうんですよ！（笑）

森　そりゃ怖いよ。水泳帽被って、付けまつ毛して。

──おしゃれでクールな雰囲気のアーティスト写真やジャケット写真とは、かなり印象が違う格好ですよね。

森　ファンの方の期待をいい意味で裏切るのもはちロケっぽいと思います。

塚本　裏切るの大好き！（笑）

公野　はちロケをよく知らずにこのMVを観た人、同一人物ってわかるのかな……。

播磨　水泳帽に名前書いとけばよかったかな（笑）。

在原業平に恋をしちゃった女の子

──シングルの初回限定盤Bには、華山志歩さんをフィーチャーした楽曲「千年ミラクル」がカップリング曲として収録されます。

華山　そうなんです！ この曲は歌人の在原業平に恋をしちゃった女の子の歌なんですけど、まずその設定が意味わからないですよね（笑）。

播磨　普通は教科書に出てくる人物に恋しないからね（笑）。

華山　時代を超えて恋をするってすごいことだよね。どんな気持ちなんだろう。こういうテーマの曲はほかのアイドルにはないだろうし、またはちロケが新しいジャンルを開拓したなと思いました。そんな曲を任せてもらえたのだから、私にしか歌えない「千年ミラクル」にしたいです。千年受け継がれるような曲になるといいな（笑）。

雨宮　1人で千年歌えばいいんじゃない？（笑）

播磨　長生きしてくださーい！

塚本　（笑）。設定がロマンチックですよね。初めて聴いたときから素敵な曲だなと思ったんですけど、パッと頭に浮かんだメンバーが志歩ちゃんでした。なんだかこの曲が似合うなって。平安美人みたいで。

澪風　歴史上の人物の中でも在原業平というチョイスがすごいよね。

森　中森明菜さんの曲などを手がけた許瑛子さんが作詞してくださったんです。

華山　「いにしえ」とか、普段使わない言葉に触れられるのもいいですね。

正直、無謀なZepp Tokyoワンマン

──4月6日には東京・Zepp Tokyoではちロケ史上最大規模のワンマンライブ「H.R.ADVENTURE～はちロケ 春の大冒険！～」が開催されますが、一気に会場のキャパシティが大きくなりましたね。

公野　思い切りすぎてますよね。

華山　段階を踏むんじゃなくて、飛び越えちゃってる感じ。

塚本　はちロケを知っている人がどれくらいいるのかもよくわからない状態でのZepp Tokyoワンマンなので、楽しみな部分もあるし、ドキドキもします。

──Zepp Tokyoでワンマンを開催すると聞かされたとき、正直どう思いました？

塚本　「えっ？ 今日エイプリルフールだっけ？」って（笑）。

澪風　すごく驚きましたが、決まったからにはできる手をすべて尽くしてお客さんを集めたいと思いました。

華山　でも、播磨だけ知らされてなかったんだよね。

──ほかのメンバーがすでに知っている中、播磨さんはMt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASURE公演で1人だけサプライズ発表されて、感極まって思わず泣いていましたね。

播磨　ステージ上でいきなり発表されて、「何言ってんの？」という気持ちだったんですけど、みんなのリアクションを見て「ホントなんだ……！」と気付きました。

塚本　播磨以外の6人は、レッスンが終わったあとに店長（長谷川ミネヒコチーフマネジャー）に呼び出されて知らされて。私はあまりライブ会場について詳しくなくて、正直今までライブをやってきた会場のこともよく知らなかったんですけど、Zepp Tokyoは誰でもわかるじゃないですか。私でさえ大きな会場だと知っているし、そんな場所でライブをしている自分たちを想像できないです。

──不安な気持ちもあります？

澪風　うーん、今はどうやったら人をたくさん呼べるんだろうと必死に考えてます。

森　お客さんを集めるのはすごく大変なことだし、まずは私たちがリリイベなどを通して「はちロケの現場は楽しいんだよ」ということをいろんな人に伝えることが大事だと思います。ちょっと前までは埋めることに対して必死でしたが、Zepp Tokyoがゴールではないし、来なかった人を後悔させられるくらい楽しいライブにしたいです。

華山　大人がZepp Tokyoワンマンという試練とチャンスを与えてくれて。今まではちロケには「みんなでここを目指すぞ！」という大きな目標がなかったから、全員が同じ方向を向いて1つになるのは初めてのことで、ファンの方も「一緒にがんばろう」という気持ちになってくれています。はちロケのメンバーは考え方がバラバラなので1つの目標があることがうれしいし、この試練を越えたときに私たちがどうなっているのか気になります。

──リーダーの雨宮さんとしては、今どんな心境ですか？

雨宮　正直不安はあるんですよ。だって無謀なことじゃないですか。今まで千人キャパの会場でもワンマンをやったことがない私たちがZepp Tokyoって。でも、無謀なことだからこそファンの方にも「面白いじゃん」と思って観に来てもらえたらうれしいです。会場が埋まっても埋まらなくても4月6日は確実に来るので、今までで一番楽しいライブすることが何より大事だと思います。