G.U.M|とにかく笑わせたい男性ダンスボーカルグループが失恋バラードに挑戦

笑いも武器に戦う

──YouTubeやニコニコ動画など映像で音楽を届けられる時代に、路上ライブでお客さんを増やしていくことって、一番アナログな方法ではありますよね。

KIYO そこが大事なんですよね。動画で好きになってくださる方と、ライブに足を運んでくださる方は層が違うはずなので、どちらも力を入れたいなと思って。

──2017年は東京で初ライブを行いましたけど、手応えはどうでしたか?

SEIICHI 当時、東京のイベントに出演していた大阪のボーイズグループは、とにかくカッコいいダンスをバチバチに決めていくんですよ。そういったグループに触発されて、同じ土俵で戦おうとしたんですけど、見事に撃沈しましたね。パフォーマンス力に大きな差があるなと感じました。

──その経験からG.U.Mとしてどう戦っていこうと思いました?

SEIICHI ほかのグループと同じ土俵に立っても勝てないし、それは俺らのカラーじゃない。そこから自分たちらしさを見つめ直し、カッコよく魅せるライブじゃなくて、笑いも提供するスタイルが定まりましたね。そしたら出演するイベントも増えていって、ライブハウスでも「G.U.M=面白い奴ら」と認知されるようになりました。

これって現実なの?

──結成から約3年が経ち、「ALLGUM」で待望のCDデビューを果たしました。ほかのグループと比べても、かなり時間を要しての初リリースでしたね。

TAKA 普通だったら、2曲くらいできた時点でシングルを作って早々にCDデビューをすると思うんですけど、僕らは盤を出さずに活動していて。お客さんから「いつCD出すの?」という声もいただいていたんですけど、僕らも発売ギリギリまでリリースすることを知らなかったんです。CDを出せると知ったときは、最初よくわからなかったです。これって現実なの?みたいな。

SEIICHI 1つ大きな夢が叶った感じだったよね。お店に行って自分たちのCDを見つけたときの感動はいまだに覚えてます。

「G.U.M 1st ONEMAN LIVE がむしゃら10 in なんばHatch」の様子。
「G.U.M 1st ONEMAN LIVE がむしゃら10 in なんばHatch」の様子。

──この年のG.U.Mにとっての大きな出来事といえば、CDデビューもそうですけど、7月に開催した大阪・なんばHatchでのワンマンライブ(G.U.M 1st ONEMAN LIVE がむしゃら10 in なんばHatch)も大きかったのではないかと思います。

AOI あれは一生忘れられないですね。今でも会場の空気感やステージから見た景色をハッキリと覚えてます。

KIYO ライブの冒頭でTAKAくんが「来たぜ、なんばHatch!」と言ったとき、めちゃくちゃ鳥肌が立ちましたね。お客さんのいない状況から路上ライブを重ねてきて、やっとここまでたどり着いたんだ!って感慨深い気持ちなりました。

SEIICHI TAKAの言葉でスイッチが入ったよね。あのひと言を聞くまで、僕は袖から動けなかったんですよ。

KIYO そうそう。SEIICHIくんのあとに僕がステージに入場する流れだったんですけど、全然動かないから「SEIICHIくん、行きますよ!」って背中を押しましたもん。

SEIICHI 右も左も分からないゼロの状態から始めたグループだから、大勢のお客さんが僕らを待っててくれることは当たり前じゃないわけで。だからこそ不思議な感覚に襲われましたね。