コンビを組むなら理芽ちゃんを指名したい
──「法螺話」は、バーチャルシンガーの理芽さんが歌うMVとGuianoさんのセルフカバーのMVが同時に公開されたことが話題を呼びました(参照:理芽の新曲「法螺話」と楽曲提供者Guianoによるセルフカバーを同時配信)。どういう経緯でMVが同時に公開されることになったんでしょうか?
「法螺話」は理芽ちゃんへの書き下ろし曲で、デモの音源に自分の仮歌を入れていたら、みんながその仮歌をすごくほめてくれて。当初予定になかったんですが、セルフカバーも作ることになったんです。オリジナルとセルフカバーが同時に公開されるなんて今まで経験がなかったので、投稿はすごくワクワクしました。
──「法螺話」はそれぞれ別バージョンとして公開されていますが、もう1つの理芽さんとのコラボ曲「透過夏」は2人のデュエット曲として制作されています。デュエットというアプローチはGuianoさんのキャリアの中でもこの曲だけですよね?
そうですね。今のところ「透過夏」だけです。この曲は最初から理芽ちゃんとのデュエットで歌うことが決まっていて、どちらのボーカルも生かす構成を考えながら作りました。例えば理芽ちゃんの声はすごく繊細だからあまり早口にならないほうがいいかなと思って、言葉を詰め込む歌詞は僕のボーカルに割り振ったりして。それが曲の抑揚にもつながって、いい具合のバランス感覚の曲になったと思います。僕、理芽ちゃんに曲を歌ってもらうのが好きで、いくらでも一緒にやりたいくらいなんです。YOASOBIのように誰かボーカリストと一緒に組んで活動をするとしたら、僕は理芽ちゃんを指名したいですね。
“優しい大人”になれたのか
──今年の1月に20歳の誕生日を迎えたGuianoさんが「優しい大人になりたい」を歌うことに特別な意味があるように感じました。
「優しい大人になりたい」は2年前に作った曲なんですが、当時の自分はこの曲をただ公開するのに少しためらいがあって。実はYouTubeの限定公開機能を使って、チャンネル登録してる人だけが聴けるように置いておいたんです。昔から僕のことを知ってくれている方が「好きな曲」として挙げてくれることも多い曲なので、作り直して今回のアルバムに入れました。
──Guianoさんは大人と呼ばれる年齢に達しました。大人になる前に作ったこの曲に今向かい合ってみて、気持ちの変化はありましたか?
昔の「優しい大人になりたい」には焦りが出ていたような気がして。東京に出てきたのが2年前なんですが、この曲は東京に出る直前に書いたものなんです。不安もあったし、正直に言えばどう生きて行けばいいかわからなかったけど、自分を信じてやるしかない。どこか躍起になってる感じも歌詞に表れているんですよね。2年ぶりにこの曲を歌ってみたら、そういう過去の自分を温かく振り返ることができた。この曲をアルバムの最後に収録することにはすごく意味があるような気がして、自分の2年間の成長をここで示せたかなと思っています。
──「変わらないよずっと 僕は僕のままだ」という歌詞は、18歳が歌うのと20歳が歌うのでは示す意味が変わってきますよね。もしそれを当時から予期して書いていたとしたら、相当達観しているなと思いました。
当時は先のことまで考えて歌詞を書いていなかったと思いますが、こうして俯瞰してみて今でもちゃんと歌えるというのは、自分の曲のメッセージ性を改めて感じるような気がしてうれしいですね。
──実際に20歳を越えてGuianoさん自身は「大人になる」ということをどう捉えていますか?
全然大人になった気がしていないんですよ。何も変わってないですね。お酒が飲めるようになったくらい(笑)。
──インタビューをしている中での感想ですが、同年代と比べてかなり大人びた20歳だと思いますよ。
自分ではそうは思えないんですよね。変なことでずっと悩んでいるし、どうでもいいことを考えすぎちゃう性格だし。まあそれが曲の種になるので職業病みたいなものなんですが。
──ちなみに去年、花譜さんにメールインタビューをする機会があって、そのときに先ほどと同じような「『大人になる』ということをどう捉えていますか?」という質問をしていたんです(参照:花譜「魔法」インタビュー)。
そうだったんですね。なんて答えていましたか?
──「早く大人になりたい!!!」と答えていました。
花譜ちゃんらしいですね(笑)。これは僕の感覚ですけど、大人か大人じゃないかを意識している人はきっとまだ大人になれないんですよね。大人とか子供とか、そういうくくりで物事を考えているうちは、きっと子供のままなんだと思います。ただ単に変わったことと、変わってないことを認められるようになって、気付いたときに大人になっているんじゃないかなあ。僕もまだ大人になった自覚はあまりないので、偉そうなことを言えないんですが。
今一番やりたいのがライブ
──4月には東京・WWW Xで2度目のワンマンライブ「A」が開催される予定です。ステージに立つことへの憧れが原動力になっているように、ライブはGuianoさんにとっても大事な活動の1つですよね。
前回のワンマンライブは無観客だったんですけど、配信でライブを届けるのは普段弾き語りを家でやるのと感覚があまり変わらなかった。4月のライブは有観客でできそうなので、直接人にライブを観てもらえるのがすごく楽しみですね。
──ニコニコ動画出身のアーティストの中にはライブをすることに前向きではない方もいらっしゃいますが、Guianoさんはステージに立つことにも積極的なのが印象的でした。
今僕が一番やりたいことがライブかもしれないです。前回の配信ライブは反省点もたくさんあって。ちゃんとライブハウスでステージに立って歌うことの難しさを感じたので、4月のライブは前回よりもいいライブにできるように準備しています。
──アルバム制作やライブ以外でやってみたいことは何かありますか?
すぐには思い付かないですね。今はライブがすごくやりたいけど、飽き性なのでそのうちほかのことに夢中になっているかもしれないです(笑)。音楽はもちろん、音楽以外でも何か見つけたらそれに没頭しちゃうかもしれないし。
──Guianoさんの人生のうちで音楽が占める割合はかなり高いと思いますが、それに固執はしていないんですね。
将来音楽で食っていけないかもしれないし、興味のあることをどんどん見つけていきたいタイプなんです。そういう不確定なところも楽しみなんですよね。できるだけ長生きして、面白いことができていたらいいなと思ってます。
ライブ情報
- Guiano 2nd ONE-MAN LIVE「A」
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2021年4月29日(木・祝)東京都 WWW X