GANG PARADE時代を振り返ると……
──メンバーが違うと、同じグループ、楽曲でも大きく印象が変わりますね。
ヤママチ そうですね。新しいPARADISESは、メンバーのキャラが濃いので、キラキラを目指したところでできない(笑)。
月ノ いやいや! 出せるよキラキラ!(笑)
チャンベイビー 私はキラキラ、あきらめてないけどね。
ヤママチ 今のPARADISESではベビが唯一のキラキラ担当(笑)。2組集まって話したときに思い出したんですけど、GANG PARADEのときってキラキラした曲もやっていたんですよね。エモーショナルで激しい曲の多かったGANG PARADEでも。曲がかわいかったらぶりっ子しないといけないのかと言えば、別にそんなことないし。例えばギャンパレだと「Happy Lucky Kirakira Lucky」はかわいい曲ですけど、暑苦しくパフォーマンスしていたなという記憶が、PARADISESになってふとよみがえりました。
月ノ 逆にPARADISESからGO TO THE BEDSになった私たちは、曲のメッセージと自分の思いをリンクさせてさらけ出すような感じのパフォーマンスを目指しています。
続けるって大事なことだな
──トレード発表直後、10月6日のTwitterでの出来事ですが、ココ・パーティン・ココさん、ユイ・ガ・ドクソンさん、テラシマユウカさんはWACK入所から5年が経った日、渡辺さんから「合格」の印をもらうというできごとがありました。
月ノ ナタリーさんがすぐにその記事を出してくれて。めちゃめちゃ喜んでいましたよ!
ヤママチ めっちゃ記事になるの早くてびっくりしました(笑)。
──見出しだけだと経緯を知らない人は意味がわからないだろうなとは思いましたが、心温まる出来事でした(参照:WACK入所5年のココ・パーティン・ココ、テラシマユウカ、ユイ・ガ・ドクソンがついに合格)。
キャ・ノン 経緯や歴史も細かく書いてくれていましたよね(笑)。
月ノ 理解するために必要な最低限の情報が多すぎるんだよ(笑)。
ヤママチ 私が今、7年目なくらいだからね。まあいろいろありますよ。
──ヤママチさんはそれだけ長く在籍している中で、進化、アップデートしている感じは実感としてありますか?
ヤママチ 進化し続けられてないから、今もトレードがあったりするのかなって思います。自分だけがどうのという話ではないことはわかってはいるんですけど、自分が進化しないとグループだって進化していかない。進化し続けられてないからいろいろテコ入れをしてもらって、ギリギリで活動を続けられている状態なのかなって。
──その部分だけ聞くとつらそうだなと思うところもありますね。
ヤママチ つらくないと言ったら嘘になります(笑)。でもやっぱり自分がやりたくてやっていることだし、それに対して応援してくれる方がたくさんいるんです。コロナ禍になってから、お客さんが「ミキちゃんが活動してるから私もがんばれる」とか「生きがいです」と言ってくれることが多くて。多少なりとも誰かの人生の一部になっていると思うと、より一層やらなきゃって気持ちになります。今の原動力としてはそれが大きくて、ファンの皆さんに支えられているからがんばれるんですよね。
月ノ 進化や成長って分析が難しいと思うんです。求められるものが年々変わりますし。それこそキャ・ノンとかベビみたいにWACKに入って間もないメンバーって進化することより、どこにいてもいかに自分らしい色を見せられるか、いかに輝くかを求められているような気がする。私は「自分が何を見せられるんだろう」と思ったとき、進化じゃなくて変化のほうを求められているんだろうなって。その期待に応えられている自信は正直まだないですけど、ココ、ドク、ユユ(テラシマユウカ)の5年越しの合格発表を見て、「続けるって本当に大事なことなんだ」と。だから私もあきらめずにがんばろうって思いました。
──ちなみに皆さん、今回のトレードに驚いたと言っていましたけど、普通に考えると2組のメンバーがまるごと入れ替わるってありえないことですよね。驚いたとは言え、それにしても皆さんの適応能力が高いなと。新体制1発目のツーマンライブを観てふと思ったんです。「この子たちはなぜメンバー総入れ替えして別の曲をパフォーマンスしているんだろう」って。
キャ・ノン そうやって冷静に言われると、確かにおかしい(笑)。だけど私たち以上にお客さんの適応能力がすごいです。SNSで発表のあとすぐ「よし! 振り覚えなきゃ」みたいに書いてくれてましたし(笑)。
ヤママチ WACKファンはみんな慣れちゃっているんだと思います(笑)。ありがたいことです。
変な歌詞を書いたら自分たちで歌うことに
──ここからは新曲について話を聞きたいと思います。GO TO THE BEDSの新曲はテラシマさん作詞の「merry bad end」、PARADISESの新曲はヤママチさん作詞の「you」です。
キャ・ノン まず今回のシングル曲の歌詞は、どちらもトレード発表前に書かれたものです。GO TO THE BEDSとPARADISESのデモ音源が同時に送られてきて、2組の楽曲の歌詞をみんな書いて提出したんですよ。そしたら私の場合、GO TO THE BEDSの曲が自分たちの曲になったんです。
──WACKではよくあるコンペ形式のメンバー作詞ですが、別のグループの歌詞を同時に書くというのは珍しいですね。
月ノ そうなんですよ。現GO TO THE BEDSメンバーはPARADISES在籍時に作詞していたので、まさか自分がGO TO THE BEDSの曲を歌うようになるとは思いもしませんでした(笑)。
キャ・ノン だからこれは前体制のGO TO THE BEDSが歌うと思って歌詞を書いているんです。作詞したユユちゃんも自分が歌うわけじゃないからか、「すごい変な歌詞にしよう」なんて言っていたんですよ(笑)。これまでのGO TO THE BEDSにないような面白い雰囲気の歌詞を歌ってほしいって気持ちで書いていました。
ヤママチ ねえ、うちらに歌わせるために変な歌詞書いているんだって(笑)。どう思うベビ?
チャンベイビー 面白い(笑)。
キャ・ノン ははは。その歌詞の雰囲気もあって、遊び心のある新鮮な曲になったと思います。
月ノ 確かに振りを作るとき、新鮮な感覚だったよね。私とユユはギャンパレのときに激しいロック系の曲を踊ってきた経験はあるけど、それにしてもひさしぶりだったな。「merry bad end」の振りを考えているとき、キャ・ノンが「バイクやりたい!」って言い出したんです(笑)。
キャ・ノン 「パラリラパラリラ」って暴走族みたいな振りをやりたくて。それには隠れたメッセージがあって、暴走族が結婚式に乗り込んで花嫁を誘拐していくみたいなストーリーを描いていたんですけど、あんまり落とし込めなかったです(笑)。
月ノ 暴走族だけ残ったね(笑)。
──ヤママチさんが笑っていますけど(笑)。
ヤママチ キャ・ノンの「パラリラパラリラ」が面白くて(笑)。バイクに乗っているポーズのキャ・ノンが面白いのでそこは注目してほしいですね(笑)。
月ノ あとメイちゃんがガヤのパートを担当しているんです。メイちゃんはPARADISESの頃、かわいらしい声で歌っていたんですけど、この曲だとがなるような歌い方がカッコよくて。
ヤママチ 才能が開花した?
月ノ そう! こんな歌い方できるの!?って驚いた。
キャ・ノン ガヤの声にディストーションがかかっているんですけど、メイちゃんの声とディストーションの相性がめちゃくちゃいいんです。
月ノ それこそGO TO THE BEDSにならなかったら、そんな発見はできなかったかも。メイちゃんは今、足を怪我しているのでパフォーマンスに制限があるのですが、復活したらグループとしての振りの構成や見え方が変わってくると思います。
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ナルハワールドへの思いを歌に込めて