音楽ナタリー Power Push - 港カヲル
永遠の46歳が本当の46歳に! グループ魂のアイコン、衝撃ソロデビュー
ある意味、バンドを牛耳ってますね
──前代未聞のライブになりそうですね。皆さんに改めて聞きたいのですが、港カヲルというキャラクターの面白さはどんなところだと思いますか?
暴動 まず、ほかのバンドにはいないパートですからね。バイト君もそうだけど(笑)、普通バンドに専属の司会者とかバイトなんていないでしょ? しかも最近は、カヲルさんの着替えありきで曲順が決まったりしてるんですよ。「ここで女子高生の制服に着替えるから」とか。ある意味、バンドを牛耳ってますね。
破壊 カヲルさんに関してはちょっと麻痺しちゃってるというか、自分たちは当たり前だと思ってることが実はそうじゃないこともあるよね。例えば、このお腹が出てるポスターの格好が面白いと思ってるじゃない? ステージでも普通に裸になってるし。でも、この前「王様のブランチ」に出ることになって「この格好で行きます」って伝えたら、「ちょっと待ってください」って言われて。
港 「お腹出しちゃダメだ」って言われました(笑)。
破壊 そのとき「あ、そうですよね」って思って。
暴動 むしろこれが正装くらいの感じだったのにね(笑)。じゃあ、今度出るときはこの格好をLiLiCoさんにやってもらおう。
石鹸 はははは(笑)。まあ、カヲルさんはバンドの象徴ですよね。すごく自由じゃないですか。
暴動 今日のライブ(2016年12月31日に行われた「COUNTDOWN JAPAN 16/17」)は、きっちり台本通りだったけどね(笑)。
港 難しいんですよ、あれだけの人数がいると。
暴動 そうだよね。お客さんが何万人もいるとザワつきが収まるのに時間がかかるから。45分のステージだったら、6曲くらいでいいんだよね。それなのに我々は9曲やって、さらにコントもやってるから。
石鹸 横から「巻いて巻いて」って言われて。
暴動 マジメだからセリフ削れなくて、どんどん被せちゃって。でも、カヲルさんのソロライブは座席もあるから、やりやすいんじゃない?(笑)
皆川猿時より港カヲルのほうがモテますから
──カヲルさんは港カヲルについてどう思ってますか? 当然、愛着もあると思うんですが。
港 もちろん愛着はありますよ。だって、皆川猿時より港カヲルのほうがモテますから。皆川猿時のファンなんて、1人しかいないんですよ?
石鹸 いつもバンテリンくれる人?
港 そうです! でも、港カヲルのファンはたぶん5、6人いるからね。
暴動 じゃあ、港カヲルでデリヘル呼んだらいいんじゃない? 「君にジュースを買ってあげる」を聴かせたら「『ケロロ軍曹』の歌ですよね? 子供のとき聴いたことありますー」って言われるでしょ。
破壊 それはいいねえ(笑)。
港 ……実はこの前ね、大阪でさあ、俺のことを知ってるっていうスケベな女がいたんだよ。「役者さんですよね」って。でも名前が出てこないわけ。「これだろ」ってスマホ見せたら“港カヲル”って出てきちゃって。しょうがないから「俺、バンドもやってるんだよ」って曲を聴かせたんだけどね。
暴動 すごいプレゼンだ!(笑)
破壊 何を聴かせたの?
港 もちろん「俺でいいのかい」ですよ。
石鹸 はははは!(笑)
港 何がおかしいか!
暴動 だって、知らないでしょ? まだリリースしてない曲だから。そこは「君にジュースを買ってあげる」でいいんじゃないの?
港 ちょっと待ってよ、そんなわけにいかないでしょ。あの曲を歌ってるのは破壊くんじゃないですか!
石鹸 まあね。で、「俺でいいのかい」の感想はどうだった?
港 「あ、下ネタですね」って言ってた(笑)。
──最後にカヲルさんから、改めてこのアルバムをアピールしてもらえますか?
港 たぶんね、聴いた人はビックリすると思うんだよ。歌がうまくてさ! 俺は思うんだけどさ、歌っていうのはさ、心なんだよ。ただうまく歌ってもダメなの! (破壊の肩に手を置きながら)お前もそう思うだろ!?
破壊 はい……正月に親戚のおじさんに絡まれてるみたいだな(笑)。
港 それぞれの歌にストーリーがあるのもいいよね。俺はこのアルバムでは“主演俳優”ですから。
石鹸 そうだよね。
港 というわけで、いろんな港カヲルを楽しめるアルバムだと思います! 僕のことを知らない人が聴いて、どう思うかはわかんないけどね!
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- 港カヲル ソロアルバム「俺でいいのかい ~港カヲル、歌いすぎる~」 / 2017年1月25日発売 / Ki/oon Music
- 初回限定盤 [CD+DVD] 3780円 / KSCL-2833~4
- 通常盤 [CD] 3024円 / KSCL-2835
CD収録曲
- 俺でいいのかい
[作詞・作曲:宮藤官九郎 / 編曲:宮藤官九郎、富澤タク] - ひとり
[作詞・作曲:村上てつや / 編曲:益田トッシュ / オリジナル:ゴスペラーズ] - 女子力発電おじさん ~私立恵比寿中学に迷いこんだ港カヲル~
[作詞:宮藤官九郎 / 作曲・編曲:前山田健一] - ランニング・ショット
[作詞:門間裕 / 作曲:吉松隆 / 編曲:向井秀徳 / オリジナル:柴田恭兵] - Be my ライバル ~カヲルが破壊に噛み付いた~
[作詞:宮藤官九郎 / 作曲:三宅弘城 / 編曲:グループ魂] - HOWEVER
[作詞・作曲:TAKURO / 編曲:益田トッシュ / オリジナル:GLAY] - ふたりのSecond party ~港カヲルが神田沙也加に出会った~
[作詞:宮藤官九郎 / 作曲・編曲:富澤タク] - 君は1000%
[作詞:有川正沙子 / 作曲:和泉常寛 / 編曲:富澤タク / オリジナル:1986オメガトライブ] - 東京午前3時
[作詞:松尾スズキ / 作曲:伊藤ヨタロウ / 編曲:伊藤ヨタロウ、関根真理、辰巳小五郎] - 壊れかけのRadio
[作詞・作曲:徳永英明 / 編曲:益田トッシュ / オリジナル:徳永英明] - カヲルの子守歌
[作詞:皆川猿時 / 作曲・編曲:坂本慎太郎] - 南部ダイバー
[作詞・作曲:安藤睦夫]
初回限定盤DVD収録内容
- 「情熱皆川大陸ディレクターズカット」
港カヲル 人間生活46周年コンサート ~演奏・グループ魂~
- 2017年2月1日(水)
東京都 東京国際フォーラム ホールA - 2017年2月7日(火)
大阪府 オリックス劇場
グループ魂(グループタマシイ)
1995年に破壊(Vo / 阿部サダヲ)、暴動(G / 宮藤官九郎)、バイト君(大道具 / 村杉蝉之介)の3人で結成。その後、小園(B / 小園竜一)、港カヲル(46歳 / 皆川猿時)、石鹸(Dr / 三宅弘城)、遅刻(G / 富澤タク)が加入して現在のメンバー編成となった。パワフルで直球なロックサウンドと過剰までの笑いにこだわったコントを多数織り込んだスタイルで、絶大な支持を集めている。結成当初はコント中心のステージだったが、オリジナル楽曲を徐々に増やしていく。2002年12月にアルバム「Run魂Run」でメジャーデビューを果たし、2005年10月にはシングル「君にジュースを買ってあげる♡」が大ヒット。同年12月にはこの曲で「NHK紅白歌合戦」に出場した。2011年には結成15周年を記念した全国ツアーを行い、ツアーファイナルとして初の東京・日本武道館ワンマンライブを敢行。2014年10月に初のセルフカバーベストアルバム「グループ魂のGOLDEN BETTER~ベスト盤じゃないです、そんないいもんじゃないです、でも、ぜんぶ録り直しましたがいかがですか?~」を発表した。2017年1月、港カヲルが実年齢で46歳を迎えることを記念してソロデビューアルバム「俺でいいのかい ~港カヲル、歌いすぎる~」をリリース。2月に東京と大阪でソロコンサートを開催する。