音楽ナタリー Power Push - 港カヲル

永遠の46歳が本当の46歳に! グループ魂のアイコン、衝撃ソロデビュー

本人が気持ちよく歌えて、面白いと思った曲

──カバーする曲はどうやって決めたんですか?

暴動 「ランニング・ショット」「君は1000%」は絶対面白くなるだろうなと思って。あとはカラオケに行って、カヲルさんにいろいろ歌ってもらったんですよ。その中から、本人が気持ちよく歌えて、我々が面白いと思った曲を選びました。「ランニング・ショット」は向井秀徳さんにアレンジしてもらったんですけど、すごくカッコいいんですよ。デモに入っていた向井さんの歌もそのまま生かして。

破壊 柴田恭兵さんにも許可を取ったの?

 そんなの“関係ないね!”。

──モノマネですね(笑)。カヲルさんは本当の46歳になることについて、何か思うことはありますか?

 うーん、どうかな……。

破壊 実際には何歳のときに始めたんだっけ?

 たぶん20代後半から30代前半くらいかな。最初はバイト君が33歳で……。

暴動 そうそう。俺らが27、28歳くらいのときにバイト君が1人だけ30代だったから、それより上じゃなきゃと思って46にしたんです。だけど、もはや我々は50歳に近いわけですから。50代も2人いるしね。これからは46歳のカヲルさんが一番下っ端ですよ。

──確かに(笑)。徐々にキャラクターも変わってきてますよね、カヲルさん。

暴動 最初は全然違ってましたからね。

石鹸 そうだよ。もっとカッコいい感じだったでしょ?

破壊(Vo)

 そうなんだよね。

破壊 奥さんが病気っていう設定もあったよね。コントの中で「病院行かなくちゃいけないから、最後にギャグをやらせて」って言うの。

暴動 そのギャグがスベるっていう設定だったんだよね。

 最初は僕の相方の人がいて、その人が「笑えよ」って言って。その相方の人、大人計画を辞めちゃったんですけどね。

暴動 その後、バイト君でやってみたんだけど、全然うまくいかなかったんだよ。

破壊 バイト君は稽古しないからな。

石鹸 そのコント、客席で観てました。

暴動 もう20年前の話ですけどね。

一生に1回ですよ、こんなことは

──2月1日に東京・国際フォーラム ホールA、2月7日に大阪・オリックス劇場で行われるソロライブについても聞かせてください。2月1日はカヲルさんの誕生日ですね。

 そうなんですよ。

暴動 誕生日にライブやるって、どういう気持ち?

 僕、子供の頃から誕生日を祝ってもらったことがないんですよね。せいぜいバターケーキが食卓に出てくるくらいで。サンタクロースも来たことないし、とにかく記念日みたいなものになじみがなくて、全然好きじゃなかったんです。でも、そういうネガティブな気持ちはなくなりましたね、結婚してから。うちの嫁が記念日を大事にする人なんですよ。

暴動 豚キムチで号泣するんだよね。

 あ、その話しちゃう? 嫁の誕生日が1月なんですけど、昔は全然お金がなくて、2人で天下一品に行ったわけ。僕が「今日は誕生日だから、豚キムチも頼んでいいよ」って言ったら、号泣しちゃったの。「悔しいー!」って。

暴動破壊石鹸 ははははは(笑)。

──当時は仕事がなくて、豚キムチを頼むのも大変だったのが、今や引っ張りだこのうえ、国際フォーラムでソロライブですからね。

 ありがたいですよね。一生に1回ですよ、こんなことは。

暴動 やっぱり来賓席作って、家族も呼ぼうよ。

破壊 そうだね。でもさ、演奏はグループ魂でしょ? アルバムの曲、どうやるの?

左から港カヲル(46歳)、暴動(G)。

暴動 やる曲とやらない曲があるんだよね。早々にあきらめたのが「東京午前3時」。あと、「HOWEVER」「壊れかけのRadio」はカラオケです(笑)。「ひとり」は、東京では本物が歌ってくれます。

──ゴスペラーズがゲスト参加しますからね。あのハーモニーが響く中で、カヲルさんが歌い上げるっていう。

破壊 ヤバいね(笑)。

暴動 大阪では俺らがコーラスするけどね。1週間かけて練習して。

石鹸 大変だよ(笑)。

暴動 だからグループ魂が演奏するのは4曲くらいかな。あとは神田沙也加さんが来てくれたらいいんだけど。

 会いたいねえ。

港カヲル ソロアルバム「俺でいいのかい ~港カヲル、歌いすぎる~」 / 2017年1月25日発売 / Ki/oon Music
「俺でいいのかい ~港カヲル、歌いすぎる~」
初回限定盤 [CD+DVD] 3780円 / KSCL-2833~4
通常盤 [CD] 3024円 / KSCL-2835
CD収録曲
  1. 俺でいいのかい
    [作詞・作曲:宮藤官九郎 / 編曲:宮藤官九郎、富澤タク]
  2. ひとり
    [作詞・作曲:村上てつや / 編曲:益田トッシュ / オリジナル:ゴスペラーズ]
  3. 女子力発電おじさん ~私立恵比寿中学に迷いこんだ港カヲル~
    [作詞:宮藤官九郎 / 作曲・編曲:前山田健一]
  4. ランニング・ショット
    [作詞:門間裕 / 作曲:吉松隆 / 編曲:向井秀徳 / オリジナル:柴田恭兵]
  5. Be my ライバル ~カヲルが破壊に噛み付いた~
    [作詞:宮藤官九郎 / 作曲:三宅弘城 / 編曲:グループ魂]
  6. HOWEVER
    [作詞・作曲:TAKURO / 編曲:益田トッシュ / オリジナル:GLAY]
  7. ふたりのSecond party ~港カヲルが神田沙也加に出会った~
    [作詞:宮藤官九郎 / 作曲・編曲:富澤タク]
  8. 君は1000%
    [作詞:有川正沙子 / 作曲:和泉常寛 / 編曲:富澤タク / オリジナル:1986オメガトライブ]
  9. 東京午前3時
    [作詞:松尾スズキ / 作曲:伊藤ヨタロウ / 編曲:伊藤ヨタロウ、関根真理、辰巳小五郎]
  10. 壊れかけのRadio
    [作詞・作曲:徳永英明 / 編曲:益田トッシュ / オリジナル:徳永英明]
  11. カヲルの子守歌
    [作詞:皆川猿時 / 作曲・編曲:坂本慎太郎]
  12. 南部ダイバー
    [作詞・作曲:安藤睦夫]
初回限定盤DVD収録内容
  • 「情熱皆川大陸ディレクターズカット」
港カヲル 人間生活46周年コンサート ~演奏・グループ魂~
  • 2017年2月1日(水)
    東京都 東京国際フォーラム ホールA
  • 2017年2月7日(火)
    大阪府 オリックス劇場
グループ魂(グループタマシイ)
グループ魂

1995年に破壊(Vo / 阿部サダヲ)、暴動(G / 宮藤官九郎)、バイト君(大道具 / 村杉蝉之介)の3人で結成。その後、小園(B / 小園竜一)、港カヲル(46歳 / 皆川猿時)、石鹸(Dr / 三宅弘城)、遅刻(G / 富澤タク)が加入して現在のメンバー編成となった。パワフルで直球なロックサウンドと過剰までの笑いにこだわったコントを多数織り込んだスタイルで、絶大な支持を集めている。結成当初はコント中心のステージだったが、オリジナル楽曲を徐々に増やしていく。2002年12月にアルバム「Run魂Run」でメジャーデビューを果たし、2005年10月にはシングル「君にジュースを買ってあげる♡」が大ヒット。同年12月にはこの曲で「NHK紅白歌合戦」に出場した。2011年には結成15周年を記念した全国ツアーを行い、ツアーファイナルとして初の東京・日本武道館ワンマンライブを敢行。2014年10月に初のセルフカバーベストアルバム「グループ魂のGOLDEN BETTER~ベスト盤じゃないです、そんないいもんじゃないです、でも、ぜんぶ録り直しましたがいかがですか?~」を発表した。2017年1月、港カヲルが実年齢で46歳を迎えることを記念してソロデビューアルバム「俺でいいのかい ~港カヲル、歌いすぎる~」をリリース。2月に東京と大阪でソロコンサートを開催する。