ナタリー PowerPush - グループ魂

「脇役の卒業ソング」を機に新曲続々リリース宣言

僕が楽する方向にできるだけシフトしたい

──楽器隊の4人が曲を書くスタイルって、暴動さんの中で、ひとつの理想のバンド像だったりします?

写真左から港カヲル(46歳 / 皆川猿時)、暴動(G / 宮藤官九郎)。

暴動 そうですね。バンドってどっちかだと思うんです。ワンマンバンドのパターンもあるし、その方がうまくいく場合も多い。でも幸いなことにグループ魂は最初から分業ができていたんですよね。遅刻が入る(2002年に加入)までは、それこそ全部俺がやってたけど、音楽作れる人が入ったぞ、そしたらそれまで作らなかった人も作るようになった、みたいな。そういうのでどんどん広がっていったので、さらに広がっていくといいなあ、と。僕が楽する方向にできるだけシフトして、それがバンドとしてもいい方向にいったらいいなあって。いい意味で楽したいと思ってるんです。

──なるほど。グループ魂の場合は、暴動さんの負担が減ることが、バンドの活動展開の広がりや、継続につながっていく部分もすごく大きいですよね。

暴動 そうだといいですね(笑)。遅刻も小園も石鹸も、作ってくる曲にそれぞれ個性があるんですよ。結果、集まった曲がすごくバラエティに富んでたらいいな、と。今はそんなことを思ってますね、はい。

この7人で我慢してやってこうよって域に達した

──5月にはツアーも。東京、大阪、仙台、と。仙台は電力ホールですね。仙台でライブをやるアーティストがライブハウスの次、最初のホールとしてやる会場ですよね。

暴動 そうそう。僕、仙台出身なんですけど、学生時代とか電力ホールには本当にいろんなバンドを観に行ってた。だから「いつかはここでライブをしたい」って思ってたし、会場にかかわらず「仙台でライブやりたいな」ってのが、すごくあったんです。前に仙台でライブをやったのが震災前だったっていうのもあって、ずっとやりたいなって。でも前のツアーが終わってから、グループ魂はちょっとクールダウンていうか、熱が冷めちゃった?(笑)もうメンバー同士で連絡も取り合わない、みたいな。15周年のとき、バスに乗って移動してた時期が濃密すぎたんだよね。

 そうだね。

暴動 毎日一緒っていう状態があったから。でも、あのバス移動があったからメンバー同士の関係も良くなり。バンドとしてはすごくいい状態だったのに、活動がなくなってしまったので、今はケンカするほど仲よくもない、みたいな(笑)。ほんと、2010年の年末から2011年の春に、15周年ということもあってアルバムやツアーとグループ魂にすごく集中したのが、いい経験になったと思うんです。一度一生懸命になってその状態で終わってるから、あのいい状態が思い出としてまだ残ってるんですよね。

石鹸 あるねー、それ、すごく残ってる。

 当時、15周年ってことでがんばってたんだけど、まだそれが続いてる感っていうのがありますね。去年はライブもイベントの3回しかやってないけど「あ、これ、15周年の続きでしょ」みたいな感覚でしたねえ、ええ。

暴動 そういう意味では、今改めて思うと「なんでグループ魂やんないのかなっていうくらい、やってなかったなあ」って。そこになんの理由もなかったんですけど。

石鹸 ただ、メンバーが忙しかっただけだよね。

暴動 やっぱりライブは7人揃わないとできないから。それに「今さらメンバー変わることもないでしょ、この歳で」っていうのもあったり(笑)。もういいじゃんこれで、我慢しようよこれで、みたいな。この7人で我慢してやってこうよって域に達してきたんで(笑)。だったらこの7人でやれることをやっていこう、と。実は今回のツアーも、石鹸が舞台の稽古が入ってて。その稽古の合間に休みをもらってツアーをやるって、わりと無理やり入れた感じなんですよね。でも、ツアーやライブはそうやって無理してやっていかないともう無理。わかったんですね、これ以上全員が暇になることはないってことが。ちょっと我慢してやってこうよって感じです。

──今「15周年がまだ続いてる」ってお話をなさっている3人の様子を見ていて、もうすぐ新学期が始まるような、そんな印象を受けました。

暴動 ああ、そうですね。新学期かもしれない。ほんとそうだといいですね。不登校なヤツがいないといいけど(笑)。

石鹸 はははははははは(笑)。

暴動 新学期始まったのに、来ねえぞあいつ、って(笑)。

写真左から暴動(G / 宮藤官九郎)、港カヲル(46歳 / 皆川猿時)、石鹸(Dr / 三宅弘城)。
配信限定シングル「「卒業」からの卒業」 / 2013年2月20日発売 / 250円 / Ki/oon Music
配信限定シングル「「卒業」からの卒業」
収録曲
  1. 「卒業」からの卒業

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新曲ができました!グループ魂の、今月はワンマン3回でカンベンしてくださいツアー
  • 2013年5月7日(火)東京都 Zepp Tokyo
  • 2013年5月22日(水)大阪府 Zepp Namba
  • 2013年5月30日(木)宮城県 電力ホール

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グループ魂(ぐるーぷたましい)

グループ魂

1995年に破壊(Vo / 阿部サダヲ)、暴動(G / 宮藤官九郎)、バイト君(大道具 / 村杉蝉之介)の3人で結成。その後、小園(B / 小園竜一)、港カヲル(46歳 / 皆川猿時)、石鹸(Dr / 三宅弘城)、遅刻(G / 富澤タク)が加入して現在のメンバー編成となった7人組パンクコントバンド。パワフルで直球なロックサウンドと過剰までの笑いにこだわったコントを多数織り込んだスタイルで、絶大な支持を集めている。結成当初はコント中心のステージだったが、オリジナル楽曲を徐々に増やしロックシーンにもその名をアピールした。2002年12月にアルバム「Run魂Run」でメジャーデビューを果たし、2005年10月にはシングル「君にジュースを買ってあげる♥」が大ヒット。同年12月にはこの曲でNHK「紅白歌合戦」へ出場した。2011年には結成15周年を記念した全国ツアーを行い、ツアーファイナルとして初の日本武道館ワンマンライブを敢行。2013年2月に配信限定シングル「「卒業」からの卒業」をリリースした。