LAで初の海外レコーディング
──FLOW×GRANRODEOでの台湾遠征に続き、2018年10月に2度目の海外渡航にして初の海外レコーディングが行われました。場所はロサンゼルス。ポール・マッカートニーも使っていたという有名な「キャピトル・スタジオ」でしたね。
e-ZUKA 8thアルバム「FAB LOVE」に収録された「JUNK-YARD DOG」と「Take it easy」の2曲を、アメリカ在住のレジェンド級のスタジオミュージシャンの方々に演奏してもらいまして。ドラムはジェフ・ベックとも一緒にやっているヴィニー・カリウタ。ベースはアラニス・モリセットとも共演しているクリス・チェイニーとか、そうそうたる顔ぶれで。そこで僕が一緒にギターを弾くという、いい経験をさせてもらいました。
KISHOW みんな大ベテランなんだけど、気持ちが若いしみんなフランク。言葉さえ通じれば仲良くなれたんじゃないかと思った。スタジオも格式があって、まあ珍しい経験をさせてもらいましたよ。ただね、そこで歌うというのはなかなか難しかったな。日本でゆっくり、言葉がわかる環境でボーカル録りしたかったなあと思わないでもない(笑)。
e-ZUKA 僕もナーバスにはなりましたね。やっぱり英語ができないと、こういう演奏をしてほしいというのをミュージシャンに伝えるのは難しい……んですけど、弾いてほしいフレーズを楽器の口真似でやると、けっこう通じちゃったり(笑)。音楽に国境はないなんて言いますけど、ホントだよなと思いましたね。
──レコーディング2日間以外に、観光も楽しまれたそうで。
KISHOW 僕はNBAが大好きで、ロサンゼルス・レイカーズのファンなんです。残念ながらレイカーズの試合じゃなくクリッパーズの試合だったんだけど、本拠地のステイプルズ・センターに行くことができたのは楽しかった。
e-ZUKA 僕は、コラムの連載をしている「ヤングギター」さんの取材で、僕のシグネイチャーギターにも使っているピックアップメーカーのセイモア・ダンカン本社へ工場見学に行きました。創業者の方と対談をして、レアなお土産をたくさんもらって。貴重な体験ができましたね。もう2年も前になるなんて……なんか信じられない感じですけど。
──次はアメリカでライブですかね?
KISHOW 時期がよくなったら、また行ける機会はあるかも?
初のオンラインライブ全世界同時生配信、「GRANRODEO 15th ANNIVERSARY Startup Live 〜たかが15年〜」開催
──そして今年、15周年イヤーのイベント始めは、7月31日に行われた初のオンラインライブ「GRANRODEO 15th ANNIVERSARY Startup Live 〜たかが15年〜」でした。同時視聴者数18000人を記録したということで。
e-ZUKA 無料ということもあって、たくさんの方に観ていただけてよかったです。本当は3月にアニバーサリーライブを開催予定だったんですけど、このご時世を鑑みてオンラインライブでやることにしました。無観客でのワンマンってどうなるのかなと思っていましたけど、メンバー同士のディスタンスも気にしながらなのですべてがいつも通りとはいかないまでも、ライブハウスでやれたこともあって楽しめてやれましたね。
KISHOW お客さんがいないからゲネプロみたいな感じなのかなと思っていたけど、想像してたよりもずっといいライブができたな。相手はカメラだったりするんだけど、コール&レスポンスや煽りなんかも、できる限りいつも通りにやっていったので、モニターの前の皆さんにも楽しんでもらえたんじゃないかと思う。
e-ZUKA セットリストは最新シングルの「情熱は覚えている」以外、15年間の1年ごとのリリース楽曲からライブで聴きたい曲をファンの方に投票してもらって1位の曲だけで構成したんですね。だから、激しい曲がとても多くて。
KISHOW 面白いことに、さっき「Can Do」が代表曲って言ったばかりなのに「黒子のバスケ」の主題歌が1曲も入らなかった(笑)。
e-ZUKA ライブで聴きたいとなると、また違うんでしょうね。ファンの方がGRANRODEOのライブに望んでいるのはそういうことなんだなというのがわかりました(笑)。僕らにとっても去年の暮れから、ひさびさのステージなので……自粛期間中も個人練習を随分やりました。
KISHOW このライブで、人間は環境に適応していく生き物だなというのを実感しましたよね。いないはずのお客さんの姿が見えた!とまでは言わないものの、いつものライブの疲労感、達成感を思ってたより感じることもできたし。コロナと共存していかなければならない世の中が目指していく方向の中で、僕らエンタメの人間がどうすればいいのかという、1つの経験にはなりました。あとからスタッフに聞いたら、コメント欄にコール&レスポンスで声を出す代わりに絵文字や文字がたくさん流れてたっていうし。
e-ZUKA そういう楽しみ方はオンラインライブならではですよね。このライブの映像は「GRANRODEO Singles Collection "RODEO BEAT SHAKE"」のアニバーサリーボックスに同梱されているBlu-rayに収録されているので、ぜひご覧いただければと!
KISHOW 生配信されたものとは映像も違う編集になっているので、よりいいですよ。
初のトリビュートアルバム「GRANRODEO Tribute Album "RODEO FREAK"」リリース
──初めてづくしの15周年イヤー、初めてのトリビュートアルバム「GRANRODEO Tribute Album "RODEO FREAK"」も8月にリリースされました。でんぱ組.inc、BREAKERZ、OxT、シド、FLOW、ベリーグッドマン、超特急、MUCC、西川貴教と、なんともバラエティに富んだ9組が参加しましたね。
e-ZUKA アイドル、バンド、ダンスボーカルグループ……と、ホントにジャンルもさまざまな人気の方々に参加していただいてありがたい限りですよね。カバーする楽曲もそれぞれのアーティストさんが選んでくれたんですけど、シド、BREAKERZ、FLOWなんかはライブで共演したときに一緒にやった曲をまた違うアレンジで聴かせてくれたり。
KISHOW あ、FLOW以外はね(笑)。FLOWはほぼオリジナルアレンジを継承しちゃってるから。
e-ZUKA それこそ西川さんは、原曲を超えちゃうくらいのパワフルさを見せてくれましたし。でんぱ組.incやベリーグッドマン、超特急なんかは「その曲をそんなアレンジで?」という驚きがありました。こういうときにしかできない企画で、とても面白い1枚になりました。
KISHOW そういえばこの間、OxTはポニーキャニオンさん主催のイベントライブで、レーベルの枠を超えちゃってこのアルバムのアレンジで「変幻自在のマジカルスター」を生で歌ってくれてましたからね。
e-ZUKA うれしいですね。
KISHOW 拝見したけど、すごくよかった。OxTらしくて。
e-ZUKA 僕が自分ではできそうにない緻密なアレンジでやってくれたOxTの「変マジ」はクオリティが高かったですからね。自分では絶対やらないだろうアレンジという意味だと、テクノアレンジになったでんぱ組.incの「Can Do」も新鮮でした。どのアーティストさんも個性があって素晴らしいです。
KISHOW みんなある意味、GRANRODEOの曲を実に自分のものにされていてすごいなと。中でもMUCCの「メズマライズ」はまさに独自の世界を築いてる。さすがでしたね。
──こういったアルバムも、15周年だからこその企画です。11月23日からは16年目に突入するということで、ぜひ抱負を。
KISHOW まあこういうご時世なので、Gナンバリングの「ROCK☆SHOW」も含めて今年やりたくてもできないこともいろいろあったんですね。なので、少しずつでもいいから来年以降に実現していけたらなと。特にライブかな。対策を工夫して、皆さんと直接会ってライブをできる日が早く来るといいなと思います。
e-ZUKA 抱負というのも難しいんですけど、ほかのアーティストの方と一緒に演奏するとか歌ってみるとか、オンラインライブにお邪魔するとか……カジュアルなコラボレーションができるといいなと最近思うんです。同じランティスのレーベルメイトでも、SCREEN modeとちゃんと共演したことなかったなとか。今日は空いてるからFLOWのライブでちょっと弾かせてよ、とか(笑)。
KISHOW 実現しそう(笑)。
e-ZUKA 今年は11月29日にブルーノート東京で「GRANRODEO Live Session "Rodeo Note" vol.1」という新しいライブ企画の生中継も決まってるんです。こういう時期だからこそフットワークを軽くして、さらにいろいろなことに挑戦できたらなと思います。
ライブ情報
- GRANRODEO Live Session "Rodeo Note" vol.1
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2020年11月29日(日)20:00~※フジテレビTWO / TWOsmartにて完全生中継