音楽ナタリー PowerPush - GRANRODEO

KISHOWとe-ZUKAが誘う リアルとファンタジーの狭間

言いたいことなんてなんにもないんだもん!

──音楽に限らず、ほかのクリエイターの作品にインスパイアされて詞を書くことって多いんですか?

KISHOW GRANRODEOは基本的に曲先。メロディが先にできあがるから、そのメロディが気持ちよく聞こえる響きを持ってる言葉を探したり、メロディが際立つ韻の踏み方を考えるようにしていて。そういう音のハマり方を完全に無視して言葉を並べたこともそうだし、映像をモチーフにしたこと自体も「Blue Pandora Box」が初めてですね。だから「あっ、オレこういうこともできたんだ」って、意外な発見がありました(笑)。

──「オレのメッセージを聴きやがれ」みたいな意識は?

KISHOW そんなもん、ないないない(笑)。オレ、言いたいことなんてなんにもないんだもん!

──へっ!?

KISHOW もともとシンガーソングライターではない。声優っていう与えられた言葉を伝えることが生業の人間ですし。「メッセージがどうのこうの」とか「オレとはこういう人間なんだ。みんなに知ってほしい」みたいな意識はホントに薄いんですよ。「何かを歌うこと」自体が自分の表現だと思ってますし。歌詞はあくまで、何かを歌うためのもの。9年前「歌を歌うためには歌詞がなきゃいけねえ」「だったらしょうがねえ。歌い手が作ったほうがサマになるだろう」って言い出しちゃったから、今もそのケツを拭いている。それだけといえばそれだけのものなんですよ(笑)。

自己顕示欲の塊ですよ! 俗物です!

──では、9年前のKISHOWという人はなぜ「何かを歌う」という表現を選択したんでしょう?

KISHOW 自己顕示欲です! 今もそうなんですけど、僕もe-ZUKAさんも間違いなく俗物ですから(笑)。

e-ZUKA(G)

e-ZUKA 間違いない。自己顕示欲の塊、俗物です!

──あはははは(笑)。

KISHOW いやホントに自分たちを卑下するつもりも道化を演じるつもりはなくて、ただただホメられたいし、モテたい。そういうモチベーションをもって活動しているだけですから。

e-ZUKA オレだったら「あの曲カッコいいですね」「ギター、すごいですね」って言われたいだけだし(笑)。

KISHOW オレは「歌、カッコいいね」って言われたいだけ。あと歌詞については「なんかKISHOWさんって難しいことを言ってて、頭がよさそう」って思われたいとかね(笑)。ホントにそういう動機に突き動かされているっていうのが、GRANRODEOの音楽活動の本質なんで。だからホメてくれないヤツは大っ嫌い!

──あはははは(笑)。その自意識のありようって面白いですよね。2人とも“自己”顕示欲を満たすために音楽活動をしているんだけど、アルバムタイトルを決めるときや「DAWN GATE」を作るときには、スタッフという“他者”の言葉に素直に耳を傾けている。

e-ZUKA GRANRODEOとは何者なのか、っていう考え方が皆さんとは違うのかもしれないですね。もちろん僕ら2人のユニットではあるんだけど、サポートメンバーの瀧田(イサム / B)さんとVALさん(長井“VAL”一郎 / Dr)やスタッフ、それから僕らはロデオボーイ、ロデオガールなんて呼んでますけど、そういうファンの子たちも含めてGRANRODEOだと思ってるので。特にライブなんかは彼らも参加している。というよりも、彼らが主役。ロデオボーイ、ロデオガールが作ってるようなものだから。だから彼らが楽しめる曲をやりたい。彼らがCDやライブを楽しんでくれたとき初めて自己顕示欲が満足されるんですよ。そのために僕らは苦労しながらも曲を作るっていう“仕事”をするし、彼らはCDを買ったりライブに足を運んだりするために日々“仕事”をする。そうやってお互いがんばって働いてライブ会場で会おう、って感じなんですよね。

ロデオガールの“お仕事”とは?

──確かにGRANRODEOファン、特にロデオガールってアクティブだなあ、と思っていて。ワンマンライブはもちろん「アニサマ」みたいなGRANRODEOファン以外の人もたくさんいるイベントでも上半身ビキニ一丁になってガンガン踊りまくってフロアを盛り上げている。

e-ZUKA たぶんあれが自分の“仕事”だと思ってるんですよ(笑)。「あっ、GRANRODEOが出てきた! 私も仕事しなきゃ!」ってことで……。

──やにわに上着を脱ぐ、と(笑)。で、ロデオガールっていい女が多いですよね。

KISHOW ああ、そういうことを言ってくれるとアイツらスゲー喜ぶし、これから“仕事”にスゲー精を出すと思いますよ(笑)。

──じゃあ、積極的にホメるようにします(笑)。あとロデオボーイの数が多いのもGRANRODEOのライブの面白さだと思っていて。男性デュオなんだけどお2人をアイドル視する女の子ファンばかりではない。ちゃんと若い男の子がボーカルヒーロー視、ギターヒーロー視している。

e-ZUKA いやあ、それは違うと思うなあ。

KISHOW うん。6月にZepp Tokyoで男子限定ライブをやったんですけどソールドアウトしませんでしたからね。

──e-ZUKAさんがネットで見つけたファン曰く、Zeppクラスのチケットは取れないはずなのに?

KISHOW だからあのときにわかりました。「なんだお前ら、そういうことか」と。

──あっ、なるほど。ビキニのロデオガールを見たかったのか、と(笑)。

KISHOW オレらを口実にあの子たちとお近づきになりたいだけなんじゃねえか、と(笑)。

──2015年にはたまアリや大阪城ホールで、そんな彼らのためのツアーが……。

KISHOW スタートする感じですね(笑)。

GRANRODEO
GRANRODEO LIVE TOUR 2015
  • 2015年2月7日(土)愛知県 愛知県芸術劇場 大ホール
  • 2015年2月8日(日)愛知県 愛知県芸術劇場 大ホール
  • 2015年2月15日(日)大阪府 大阪城ホール
  • 2015年3月8日(日)北海道 Zepp Sapporo
  • 2015年3月15日(⽇)福岡県 福岡サンパレス
  • 2015年3月21日(⼟)埼玉県 さいたまスーパーアリーナ
  • 2015年3月22日(日)埼玉県 さいたまスーパーアリーナ
  • 2015年3月29日(日)宮城県 イズミティ21
  • 2015年4月3日(⾦)香川県 サンポートホール高松
  • 2015年4月5日(日)岡山県 倉敷市芸文館
ニューアルバム「カルマとラビリンス」2014年9月24日発売 / Lantis
初回限定盤 [CD+DVD] 3780円 / LACA-35430 / Amazon.co.jp
通常盤 [CD] 3240円 / LACA-15430 / Amazon.co.jp
CD収録曲
  1. Blue Pandora Box
  2. silence(「musicるTV」9月度オープニングテーマ)
  3. 変幻自在のマジカルスター(「黒子のバスケ」第2期新OP主題歌)
  4. ボルケーノ
  5. DARK SHAME(「CODE:BREAKER」OP主題歌)
  6. baby bad boy(PS3用ゲームソフト「スーパーロボット大戦OG INFINITE BATTLE」OP主題歌)
  7. The Other self(「黒子のバスケ」第2期OP主題歌)
  8. 桜色第2ボタン
  9. 偏愛の輪舞曲(「カーニヴァル」OP主題歌)
  10. 絶頂ポイズン
  11. Pink Phantom
  12. wonder color
  13. DAWN GATE
初回限定盤 DVD収録内容
  1. カルマとラビリンス(Music Clip)
  2. OPENING ※
  3. 欲望∞ ※
  4. メリーゴーランド ※
  5. NO PLACE LIKE A STAGE ※
  6. OPENING ※※
  7. SUPERNOVA ※※
  8. Y・W・F ※※
  9. メズマライズ ※※

※:GRANRODEO LIVE TOUR 2014 MAGICAL RODEO TOUR@Zepp Tokyo 2014.6.28 男子限定ライブ

※※:GRANRODEO LIVE TOUR 2014 MAGICAL RODEO TOUR@Zepp Tokyo 2014.6.29 女子限定ライブ

ライブBlu-ray / DVD「GRANRODEO LIVE 2014 G9 ROCK☆SHOW」2014年10月22日発売 / Lantis
「GRANRODEO LIVE 2014 G9 ROCK☆SHOW」
Blu-ray3枚組 / 12744円 / LABX-8081~3 / Amazon.co.jp
DVD3枚組 / 10584円 / LABM-7156~8 / Amazon.co.jp
DISC1
  • G9 ROCK☆SHOWさいたまスーパーアリーナ公演
DISC2
  • G9 ROCK☆SHOW大阪城ホール公演
DISC3
  • 「MAGICAL RODEO TOUR」メイキング映像
  • 「MAGICAL RODEO TOUR」ツアーファイナルZepp Tokyo公演ダイジェスト
GRANRODEO(グランロデオ)

GRANRODEO

KISHOW(谷山紀章)とe-ZUKA(飯塚昌明)からなるユニット。2005年結成。同年11月、アニメ「IGPX」のオープニングテーマにして、ユニットの1stシングル「Go For It!」のリリース直後から、声優としても活躍するKISHOWの表現力豊かなハイトーンボーカルと、e-ZUKAによるハードロックマナーに則ったヘヴィでメロディアスな楽曲群で人気を博す。以来コンスタントにリリースを重ねる一方で、2010年には東京・日本武道館で結成5周年記念ライブを実施。その後も神奈川・横浜アリーナ、大阪・大阪城ホール、埼玉・さいたまスーパーアリーナなどホール、アリーナクラスでのワンマンライブを敢行する一方で「Animelo Summer Live」などの大型フェスでヘッドライナークラスのポジションを確立する。そして2014年9月、6枚目のアルバム「カルマとラビリンス」をリリース。なおメンバーをモデルにした初のオリジナルアニメ「ぐらP&ろで夫」の放送も決定。10月よりBSフジ「ロデオ倶楽部~season II」内でオンエアされる。またランティスYouTubeアカウントでも配信予定。