音楽ナタリー Power Push - グッドモーニングアメリカ
渾身のアルバム携え武道館へ “育ての親” O-Crest店長・室清登と辿るグドモの歩み
「グッドモーニングアメリカ」
──そして、武道館ワンマンの1カ月前にはフルアルバム「グッドモーニングアメリカ」がリリースされます。
室 聴かせてもらったんですが、熱いバンド感を取り戻したよね。グドモのもともとのよさが蘇りつつ、新しい表現も身に付けた。曲自体がいいっていうのはずっと思っていることなので、今回のアルバムではもともとの“グドモらしさ”みたいなものを表現したかったんじゃないかな? と僕は思ったんだけど、どうかな。
金廣 正解です。制作の最初の段階から、バンド感のあるサウンドを追い求めていたんです。
室 すごく聴きやすかった。生々しいライブ感もあるから、自分みたいにライブハウスで働いている人間にもすごく聴きやすいし、ずっとグッドモーニングアメリカが好きで……っていう人にもしっかり届く1枚。それこそ、セルフタイトルだしね。これまでの集大成なのかなって思える。
金廣 今の段階で求めていたものが表現できたなっていう思いがありますね。
室 アレンジもすごく攻めていたよね。個々のレベルもすごく上がってるなって思ったよ。聴きやすいながらに攻めている感じがよかった。
渡邊 ありがとうございます。
たなしん 俺はこのアルバムにすごく4人の熱気を感じてて。メンバー全員、もともと気持ちがすごくあるヤツらだし、今回の作品には4人の熱みたいなものがまっすぐに出ているんじゃないかなと思っているんです。だから、室さんみたいな熱い人に「熱いね」って言ってもらえるのはうれしい。
室 ジャケットも4人の顔をつなげてあって、バンドの一体感が表現されてるよね。
渡邊 そうなんですよ。今まではペギの知り合いのイラストレーターさんにお願いしていたんですけど、今回はカネちゃん(金廣)が「セルフタイトルだから自分たちの顔がいいんじゃない」って提案して、こういうデザインになりました。
金廣 4人で1つ、っていう感じが出せたかなって思います。
ペギ いいよね。
──どうして今回、セルフタイトルを付けるという選択をしたのですか?
金廣 バンドの色が出た作品ができたと感じていたし、4人で作った曲も半分くらいあるし、武道館前に原点回帰をしたいっていう思いもあったし……いろんな意味で、セルフタイトルにするっていう選択が腑に落ちたんです。
「これがグドモだ!」って、胸を張って提示できる
室 「友よ」とか「低気圧の夜」とか、いい曲だよなあ。
金廣 イエーイ!
室 聴きやすさもあるし、「攻めてるな」っていうアレンジも随所にある。それ以外の曲も本当によかった。全曲通して聴いて、グドモのよさがしっかりとわかる1枚だよね。
渡邊 「攻めてる」と言われると、確かにそうかもしれないです。「友よ」って、最後に4人で大合唱するパートがあるんですけど、そういうアレンジって今までになかったなって、今思いました。奇をてらったわけでは全然なかったんですけどね。
たなしん 自然とだよね。
室 これはグドモの長所だと思うんだけど、4人はそれぞれ個性がすごいじゃない。この作品には今までのアルバムよりも4人の個性がはっきりと表れてるなって思うよ。音数を減らして聴きやすくしたからそういった部分が浮き彫りになったのかもしれないね。
金廣 ああ。そうかもしれない。
──あえて推し曲を挙げるとしたら、室さんはどの曲を選びますか?
室 1曲目の「ディスポップサバイバー」はみんなに好かれそうだね。
金廣 これは1番の推し曲ですね。ドンッと飛び込んでくるような勢いのある曲を1曲目にするって決めてたんです。「ディスポップサバイバー」は“ずっとサビの曲”を作りたいと思って作ったんですよ。1サビのあとにそれよりも大きいサビがあって、そのあとにもっと大きいサビがあって……って、サビがサビを超えていくようなイメージの曲ですね。
室 そうだったんだね。で、僕が推したい曲は「ハローハローハロー」。
グドモ おお。
──その理由は。
室 好きなんで。
ペギ 最高の理由ですね! それ以上の言葉はいらないです。
室 本当に好きな曲ばっかりだよ。
金廣 捨て曲はないと思います。今のグドモが、いい雰囲気のままでパッケージングされたと思ってる。
渡邊 今回セルフタイトルっていう“必殺技”を使わせてもらったんですが、そのセルフタイトルに恥じない作品になっているっていう自信はあります。「これがグドモだ!」って、胸を張って提示できる。
たなしん この音源には「前向きになれる」「元気になれる」っていうような前向きなパワーが詰まってると思ってるんですよ。で、そのメッセージが伝わりやすいアルバムなんじゃないかなとも思う。室さんに「よりバンドっぽくなった」って言ってもらえたのはうれしいなあ。
ペギ 「4人全員で、バンド感のあるアルバムが作りたいね」って俺が言い始めて制作に入ったんですけど、結果、理想通りのアルバムができたと思っているので……評価していただけたら、すごく4人の自信にもつながりますね。
──では最後に、室さんがこれからのグドモに期待することはありますか?
室 バンドマンとしてただただカッコよく居続けてほしいですね。本当に、グドモは僕らの希望なんですよ。
金廣 善処します(笑)。
渡邊 若手のバンドが「グドモが育ったライブハウスだから、Crestにデモ持って行こうぜ」ってなってくれたら俺らもすごいうれしいもんな。カッコ悪いことはできないですね。
室 いや、おかげさまでめちゃくちゃ増えたよ。「Crestでライブやりたい」って言ってくれるバンド。
たなしん うれしいなあ。
- 3rdアルバム「グッドモーニングアメリカ」 / 2015年10月28日発売 / 日本コロムビア
- 初回限定盤 [CD+DVD] / 3292円 / COZP-1091~2
- 通常盤 [CD] / 2880円 / COCP-39297
CD収録曲
- ディスポップサバイバー
- サイダーでも飲んで
- コピペ
- 友よ
- オールグリーン
- 南風と太陽
- 雨ニモ風ニモマケズ
- 低気圧の夜
- アウトサイダー
- ビッグバン
- ハローハローハロー
- 一陽来復
初回限定盤DVD収録内容
グッドモーニングアメリカ「挑戦 㐧六夜」@八王子オリンパスホールライブセレクトDVD
- コピペ
- 南風と太陽
- inトーキョーシティ
- 未来へのスパイラル
- イチ、ニッ、サンでジャンプ
- STAY WITH ME
- グッドモーニングアメリカ「挑戦 第七夜」
- 2015年11月27日(金)東京都 日本武道館
グッドモーニングアメリカ
金廣真悟(Vo, G)、渡邊幸一(G, Cho)、たなしん(B, Cho)、ペギ(Dr, Cho)からなる4人組バンド。2001年に前身バンドfor better, for worseを結成し、2007年より現在のバンド名に変更。for better, for worse時代は英語詞だったが、バンド名変更を機に日本語詞へと切り替え、サウンドもよりポップさを増す方向へ転換した。2008年より現在の編成で活動を開始し、自主企画の開催や作品のリリースを積極的に行う。2012年冬には初のワンマンツアーを成功に収め、2013年5月に1stフルアルバム「未来へのスパイラル」で日本コロムビアよりメジャーデビュー。2014年5月にはテレビアニメ「ドラゴンボール改」のエンディングテーマに採用された「拝啓、ツラツストラ」をシングルとしてリリースした。同年10月に2ndフルアルバム「inトーキョーシティ」を発表し、12月から翌年3月にかけてレコ発ツアーを実施。8月にテレビアニメ「ドラゴンボール超(スーパー)」のエンディングテーマ「ハローハローハロー」をシングルリリース。今作よりコロムビア内のロックレーベル・TRIADに移籍した。10月には3rdアルバム「グッドモーニングアメリカ」を発表。11月には初の日本武道館ワンマンが控えている。