ロックバンドは綱渡り
──アルバムの最後を飾る「Moonshine」もノスタルジックな手触りがありますね。
牧 「Moonshine」はアルバム制作の後半に書いた曲です。「HIBITANTAN」と同じく、この曲も入れようかどうか悩んでたんですけど、歌詞が気に入っていたので、やっぱり入れようと。フィクションというか、架空のストーリーを描いているんですが、テーマとしては僕が一番美しいと感じていること。ロックバンドやロックスターは、ある意味、ずっと酔い続けてるような感覚で上り詰めていくものだと思っていて。一瞬でも醒めた瞬間にダメになる人もいるし、僕らは綱渡りみたいなことをやってるんだなと。「Moonshine」には密造酒という意味もあるんですよ。
──酔っていることを宿命付けられたロックミュージシャンのイメージとつながりますね。
牧 あとは子供の頃、友達とちょっと悪さをして、「僕らだけの秘密な」と言い合う楽しさも込めてます。やってることはよくないかもしれないけど、当人たちにとっては正義というか、絆が深まるきっかけでもある。それはそれで美しいんじゃないか、という気持ちもありました。
──「抱擁 君となり君は僕となって」「死ぬまでやろう」というラインも印象的です。
牧 その言葉は「HUNTER×HUNTER」に出てくる好きなセリフがもとになってるんです。ヒソカ、クロロというキャラクターがいるんですけど、その2人は憎しみ合っていると同時にお互いに憧れてもいて。好きだけど殺したいという相反する感情を持っている。それが美しいなと思うんですよね。
プリティ 「Moonshine」の歌詞は、美しい物語だなと思います。曲の後半にはコーラスではなく、主旋律をみんなで歌っているパートがあって。最初に言った“人肌”やマンパワーがトップクラスに詰まっている曲ですね。
柳沢 ギターもすごくいいプレイができたと思います。レコーディングではいろんなパターンで弾いたんですけど、ボーカルのメロディが強いのもあって、2番ではかなり減らしてバッキングギターが中心になっているんですよ。昔だったら「せっかく弾いたのに!」と思ったかもしれないけど(笑)、「こっちのほうがいいな」と素直に思えたのは、自分自身も進化できているのかなと。「アルバムの中で一番好きな曲は?」と聞かれたら、「Moonshine」ですね。
セイヤ 曲調としては「パラノーマルワンダーワールド」や「LIFE IS BEAUTIFUL」の進化系だと思っていて。歌詞は冒険ソングですね! 映画で言うと「スタンド・バイ・ミー」みたいな、童心、冒険心を持ちながら大人になっていく感じというか。
──「そうだもう人生を賭けた旅に出ようじゃないか」という歌詞もありますね。
セイヤ そうなんです。今回のアルバムはラブソング的なものがなくて。「ONE PIECE」じゃないけど、デッカい船で冒険の旅をしている感じが強いのかなと。
モードを変えながら音楽を届ける
──アルバム「Lab.」の楽曲をライブで体感できるのがめちゃくちゃ楽しみです。まず11月10日には、両国国技館でフリーライブが開催されます。
牧 両国国技館でフリーライブって、すごいですよね。あの場所自体が好きだし、枡席とかもあって、いつもとは違う雰囲気でライブを観てもらえると思います。「トーキョーギタージャンボリー」(両国国技館で定期的に開催されている弾き語りをテーマにしたライブイベント)もそうだけど、弾き語りのイメージもあって。僕らみたいなバンドはあまりライブをやってない会場だと思うので、楽しみですね。
──そして11月下旬にはバニラズ史上最大規模の全国ツアー「go!go!vanillas Lab.TOUR2024-2025」がスタートします。ホール、Zepp、日本武道館、大阪城ホールなどいろいろな会場を回るツアーですね。
牧 はい。小さめのライブハウスも入ってるんですけど、基本的にはZepp、ホールが中心なので、後ろのお客さんにまでしっかり届く熱さを出しながらライブしたいなと。
プリティ 武道館もあるし、ライブハウスもあって。アルバムの曲もすごく振れ幅があるので、ぴったりだと思います。行ったことがない会場もけっこうあるんですよ。静岡市民文化会館、長崎ブリックホール、別府国際コンベンションセンター ビーコンプラザとか。音や雰囲気を含めて、どんな感じになるだろう?とワクワクしてます。
柳沢 素晴らしいエンジニアやスタッフの皆さんと一緒に作ったアルバムなので、ライブでさらにカッコよくなるようにがんばります。
──武道館や大阪城ホールとライブハウスでは、当然、楽器のセッティングやバランスも変わりますからね。
牧 うん、そうですね。
柳沢 そのことも含めて、毎日めっちゃ悩んでてて。頭がパンクしそうです(笑)。
セイヤ 9月に金沢の本多の森 北電ホールでPEOPLE 1とツーマンライブをやったんですけど、めっちゃいい感じで。音もいいし、お客さんも見やすいじゃないですか。
柳沢 席もフカフカだしね。
セイヤ もちろんライブハウスでみんなともみくちゃになるのも楽しいし、武道館や大阪城ホールも楽しみで。いろいろとモードを変えながら、しっかり音楽を届けたいと思ってます!
ライブ情報
go!go!vanillas 東京 Lab. ストーリー
2024年11月10日(日)東京都 両国国技館
OPEN 18:30 / START 19:30 / END 20:30(予定)
協賛:株式会社セブン‐イレブン・ジャパン
※入場料無料
※チケット1枚につきシステム利用料220円、セブン-イレブン発券手数料110円
go!go!vanillas Lab. TOUR 2024-2025
ライブハウス&ホール編
- 2024年11月27日(水)東京都 Zepp Haneda(TOKYO)
- 2024年11月28日(木)東京都 Zepp Haneda(TOKYO)
- 2024年12月4日(水)大阪府 Zepp Osaka Bayside
- 2024年12月5日(木)大阪府 Zepp Osaka Bayside
- 2025年1月18日(土)静岡県 静岡市民文化会館 大ホール
- 2025年2月7日(金)愛知県 Zepp Nagoya
- 2025年2月8日(土)愛知県 Zepp Nagoya
- 2025年2月14日(金)福岡県 Zepp Fukuoka
- 2025年2月15日(土)福岡県 Zepp Fukuoka
- 2025年2月22日(土)石川県 本多の森 北電ホール
- 2025年2月24日(月・祝)新潟県 新潟テルサ
- 2025年3月2日(日)北海道 Zepp Sapporo
- 2025年3月20日(木・祝)秋田県 Club SWINDLE
- 2025年3月22日(土)宮城県 SENDAI GIGS
- 2025年3月29日(土)長崎県 長崎ブリックホール
- 2025年3月30日(日)大分県 別府国際コンベンションセンター ビーコンプラザ フィルハーモニアホール
- 2025年4月12日(土)広島県 上野学園ホール
- 2025年4月13日(日)香川県 サンポートホール高松 大ホール
アリーナ編
- 2025年3月8日(土)東京都 日本武道館
- 2025年3月9日(日)東京都 日本武道館
- 2025年4月20日(日)大阪府 大阪城ホール
プロフィール
go!go!vanillas(ゴーゴーバニラズ)
牧達弥(Vo, G)、柳沢進太郎(G)、長谷川プリティ敬祐(B)、ジェットセイヤ(Dr)による4人組バンド。2013年1月に7inchシングル「人間讃歌 / アクロス ザ ユニバーシティ」、7月に1stアルバム「SHAKE」をSEEZ RECORDSよりリリースした。2014年11月にはビクターエンタテインメント内のレーベルGetting Betterよりメジャーデビューアルバム「Magic Number」、2015年4月にメジャー1stシングル「バイリンガール」を発表。2020年11月にはツアー「ROAD TO AMAZING BUDOKAN TOUR 2020」を開催し、最終公演では東京・日本武道館のステージに立った。2022年12月に6thアルバム「FLOWERS」をリリース。2023年10月にはデビュー10周年記念アルバム「DREAMS」を発表した。2024年1月にポニーキャニオン内のレーベル・IRORI Recordsに移籍し、シングル「SHAKE」を配信リリース。11月にはアルバム「Lab.」を発売した。11月10日に東京・両国国技館でフリーライブ、11月27日から2024年4月20日にかけて全国ツアーを行う。
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