ナタリー PowerPush - ぐるたみん
「史上最強の歌い手」が目指す世界
投稿動画の総再生数が3363万再生を越えるなど、歌い手として圧倒的な評価を得ているぐるたみんが、3rdアルバム「EXIT TUNES PRESENTS た ~そんなふいんきで歌ってみた~」をリリースした。
2012年発売の1stアルバム「EXIT TUNES PRESENTS ぐ ~そんなふいんきで歌ってみた~」が歌い手史上初めてゴールドディスク(出荷枚数10万枚以上の作品)に認定され、ライブ活動も精力的に行うなど、ネットシーン以外でも知名度を上げているぐるたみん。今回のインタビューでは、新作のコンセプトと制作プロセスを中心に、アーティストとしての基本的なスタンス、今後の展開についても語ってもらった。
取材・文 / 森朋之
1stアルバムを聴き返すと「歌、下手だな」って
──1stアルバム「EXIT TUNES PRESENTS ぐ ~そんなふいんきで歌ってみた~」が歌い手史上初のゴールドディスクを獲得しました。
ねえ? おめでたいです!(と自分で拍手)
──(笑)。素直にうれしい、と。
うれしいですね。2年かけて徐々に増えていってる感じがあるし、いまだに少しずつ売れてるということは、新しい人が聴いてくれてるということなのでやっぱりうれしいですね。
──投稿した“歌ってみた”の再生数が伸びるのとは違う感覚なんですか?
同じような感じではないですね。再生数は旬があるような気がするけど、今回のゴールドディスクはずっと上がってきた結果だと思うので。それはいいですよね。
──今振り返ってみると、1stアルバムはぐるたみんさんにとってどんな作品ですか?
2年も経るので今聴くと「歌、下手だな」って思いますね。
──気になるところがある?
そうですね。当時は「これが最強だ」と思って作ってたし、自分のベストを出したと思ってたんですけど、今聴き直してみると「ヒドイな!」って(笑)。何がダメだったかが明確にわかってるから、余計に感じるのかもしれないですけどね。選曲、アレンジを含めた全体的なことでいえば、そのときのベストだと思うんですよ。でも、歌に特化して聴くと、別にそんなにうまくないなって……。もちろん、常にいいものを作ろうと思っていて、結果としていい作品を作れているからこそ、昔のアルバムを聴くと「うーん……」って思っちゃうんだろうけど。
──でも、「歌がうまい」という評価は十分に得たんじゃないですか?
いや、そんなことないですよ。「声が高い」みたいな特化した部分では評価されてるのかもしれないけど……。自分自身も「高い声を出してナンボ」と思っていたところがあるので。
今は「期待に応えたい」より「音楽を極めたい」
──では、リスナーの数が増えたことは音楽活動にどんな影響を与えてますか? たとえば「期待に応えたい」という気持ちが強くなるとか。
期待に応えたいという気持ちは、むしろ1stを作ってるときのほうが持ってたと思います。自分に過度のプレッシャーをかけていた気もするし。「ぐ」のときは「売れないといけない」という気持ちがあったし、「る」のときは「ぐ」を超えなくちゃいけないという雰囲気があって。今はプレッシャーとかよりも、音楽を極めたいとか、歌がうまくなりたいとか、純粋にそっちの方向に向かってるんですよ。もちろん、その中でもちゃんと目標を持ってやってるんですけどね。
──そういう気持ちの変化って、何かきっかけがあったんですか?
「ぐ」はこの界隈(投稿サイトを中心にした歌い手シーン)の中で一番売れたっていうのもあるけど、「一番じゃなくちゃいけない」っていうのが自分の中にあったんですよね。でも、あるときボイトレの先生に「一番で居続けるのは絶対に無理だから、そんなことを目標にしてもしょうがない」と言われて。「それよりも音楽とか歌をきちんと極めたほうがいいよ」と言われたのはきっかけになってますね。感銘を受けたってヤツです。
──数字の競争をしても、あまり意味はないっていう。
そうですね。歌のうまさって、(評価が)微妙じゃないですか。バスケットとかサッカーみたいにゴール数で決まるわけでもないし。一番になるとかじゃなくて、総合的に実力を上げたいなということですね。
──ニューアルバム「た」の制作スタンスも、これまでとは少し違いますよね。
違いますね。1stと比べたら明白だと思うんですけど、オリジナル曲が増えました。(作家による)書き下ろし曲もあるし、自分で作詞・作曲したものも2曲ありますからね。今まではみんなが思い描く「ぐるたみん像」っていうのをやろうとしてたんだけど、現在は「もっと自分の音楽を表現していこう」という感じになってるので。
- ニューアルバム「EXIT TUNES PRESENTS た ~そんなふいんきで歌ってみた~」
- 2014年3月19日発売 / 2057円 / EXIT TUNES / QWCE-00330
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収録曲
- 脳漿炸裂ガール(作詞・作曲:れるりり)
- 東京テディベア(作詞・作曲:Neru)
- ローリング・サバイバー(作詞・作曲:ゆうゆ)
- 放課後ストライド(作詞・作曲:Last Note.)
- 狂熱のBang!(作詞・作曲:みきとP)
- ナイフ(作詞・作曲:パワーコードP)
- レイワイテロリズム(作詞・作曲:じっぷす)
- ロストワンの号哭(作詞・作曲:Neru)
- 例えば、今此処に置かれた花に(作詞・作曲:164)
- ホシアイ(作詞:レフティーモンスターP・伊東歌詞太郎 作曲:レフティーモンスターP)
- 史上最強アルティメイトフェスタ(作詞・作曲:ぐるたみん)
- Dive to the Moon(作詞・作曲:ダルビッシュP)
- 恋愛勇者(作詞・作曲:Last Note.)
- Calc.(作詞・作曲:ジミーサムP)
- TIME UP(作詞・作曲:ぐるたみん)
- 千本桜-「た」arrange Ver.-(作詞・作曲:黒うさP arrange:おさむらいさん)
ボーナストラック
- ギガンティックO.T.N~うるおぼえで歌ってみた~(作詞:れをる 作曲:ギガP)
- ニセモノトレジャー-1st solo LIVE 2013 ~LIVE-G~-(作詞・作曲:糞田舎P)
- ぐるたみんワンマンライブツアー決定!LIVE-G TOUR 2014 ~EXIT TUNES PRESENTS「た」そんなふいんきで歌ってみた~
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- 2014年4月26日(土)
東京都 Zepp Tokyo - 2014年4月29日(火・祝)
北海道 Zepp Sapporo - 2014年5月2日(金)
愛知県 Zepp Nagoya - 2014年5月4日(日・祝)
大阪府 Zepp Namba - 2014年5月6日(火・休)
福岡県 Zepp Fukuoka
- 2014年4月26日(土)
- 前売券一般発売中
チケット料金:4500円(税別)※3歳以上有料 - <取扱いプレイガイド>
イープラス / ローソンチケット / チケットぴあ - 詳しくはぐるたみん公式ライブ情報サイト LIVE-Gをチェック
ぐるたみん
ハイトーンボイスと突き抜けるようなシャウトで「覚声類」と称される歌い手の代表格の1人。2009年に活動を開始して以来、動画サイトに投稿した楽曲はすべて殿堂入りを果たしており、ソロ投稿動画の総再生数は現時点で3300万再生を超えている。2010年8月には「【うるおぼえで歌ってみた】only my railgun」が投稿からわずか1カ月半で100万再生を突破し、2014年3月現在690万再生を記録。これは66万件を超える「歌ってみたカテゴリー」全投稿動画の中で再生数歴代2位となっている。2011年末にリリースした1stアルバム「EXIT TUNES PRESENTS ぐ ~そんなふいんきで歌ってみた~」は、ロングセールスの結果、発売日から2年3カ月を経て日本レコード協会によりゴールドディスクに認定。歌い手の作品がゴールドディスクに認定されるのは史上初の快挙となった。2014年3月には「EXIT TUNES PRESENTS た ~そんなふいんきで歌ってみた~」をリリース。同年4月からは5都市のZeppでワンマンツアー「LIVE-G TOUR 2014」を敢行する。