音楽ナタリー Power Push - GLAY

TERU&逢坂良太が語る「ダイヤのA」と仕事の流儀

GLAYが2016年第1弾作品となるニューシングル「G4・IV」をリリースした。

本作はTAKURO(G)が作詞作曲を手がけた北海道新幹線開業イメージソングの「Supernova Express 2016」、TERU(Vo)作詞作曲でテレビアニメ「ダイヤのA -SECOND SEASON-」のオープニングテーマとしてオンエア中の「空が青空であるために」、HISASHI(G)が作詞作曲を手がけた「彼女はゾンビ」、JIRO(B)が作曲を、TAKUROが作詞を担当した「Scoop」の4曲入り。メンバーそれぞれの個性が発揮された1枚となっている。

今回の特集では、TERUと「ダイヤのA」の主人公・沢村栄純の声優を担当する逢坂良太の対談を掲載。さらにTAKURO、JIRO、HISASHIのほか、シングルのプロデュースを手がけた亀田誠治、「彼女はゾンビ」にドラムで参加した宮上元克、「Scoop」にドラムで参加したクハラカズユキ(The Birthday)のコメントを紹介し、「G4・IV」の魅力を掘り下げる。

取材・文 / 中野明子 撮影 / 西槇太一

TERUさんが「ダイヤのA」を好きでいてくれることがわかる

──お2人はプライベートでも交流があるそうで。

左から逢坂良太、TERU(Vo)。

TERU 最近食事に行ったりしてね。

逢坂 すごくうれしいんですけど、僕からすると不思議な感じなんです。アーティストさんとの交流というのはなかなかないですし、ましてや年上の大スターですから。親もGLAYのCDを買って聴いてたんですよ。

TERU そうなんだ(笑)。

──今回、TERUさんが書き下ろした「空が青空であるために」は、アニメ「ダイヤのA -SECOND SEASON-」のオープニングテーマとしてオンエア中です。逢坂さんは初めて曲を聴いたときどう感じましたか?

逢坂 「ダイヤのA」のための曲なんだなってことが曲全体から伝わってきたんですよね。歌詞に「ダイヤ」「青」っていう言葉も入ってるし、野球のことや努力する大切さとかも書かれてるし。僕、1番のサビが特に好きで。「マウンドに落ちた汗が キラリ消えてゆく」っていうところなんですけど。TERUさんが本当に「ダイヤのA」を好きでいてくれることが、歌詞の端々から感じられました。

TERU ありがとうございます! 「疾走れ!ミライ」で初めて「ダイヤのA」のオープニングテーマを担当したんですが、そのときはすでに完成していた「疾走れ!ミライ」を聴いたアニメのスタッフさんが使用したいと言ってくださって。次の「HEROES」は「GLAYに『ダイヤのA』の新しいオープニングを作ってほしい」という依頼を受けて、TAKURO(G)から「アニメの世界観を理解してるTERUが書くべきじゃないかな?」って言われて書き下ろしたんです。

逢坂 そうなんですね。

TERU で、「空が青空であるために」はアニメのスタッフさんから「今回はTERUさんに新しいオープニングテーマを書いてほしい」という話を受けて作ったんです。それが本当にうれしくて。「ダイヤのA」という作品をこよなく愛してきた自分に、オープニングテーマの話が直接来たんで、本気を出して書きましたね。実は今まではタイアップ曲だったとしても僕はあまり歌詞にそれをイメージさせる言葉を入れないようにしてたんですけど、今回は「ダイヤのA -SECOND SEASON-」の幕開けにふさわしい最高のものを作りたいって思ったので、思いきって「マウンド」「ダイヤ」といった言葉を入れちゃおうと。GLAYの曲ということはあまり考えず、「『ダイヤのA』のオープニングテーマはこれ以外ないよね」っていう曲を目指しました。

現場の空気って大事

──ちなみにお2人とも昔野球をやってたんですよね?

TERU 僕は中学時代ですね。

TERU(Vo)

逢坂 僕は小学生のとき野球をやってて、中学、高校のときソフトボール部でしたね。

TERU でも、2人でいるときはあんまり野球の話はしないよね(笑)。

逢坂 そうですね。だいたいお互いの仕事の話が多いです。

TERU そういう話をする中で、この前「今度アフレコ現場に来ませんか?」ってお誘いをいただいて。そしたら、アニメの監督さんがわざわざセリフまで作ってくださって、僕も「ダイヤのA」に声優として参加することになったんですよ。ところで、アフレコって大人数でやるの?

逢坂 「ダイヤのA」はアニメ内のチームごとにやってます。毎回18人くらい集まりますね。

TERU へー。過去最高でどれくらいの人数がアフレコに参加したの?

逢坂 一番多かったのは、試合の決勝戦のシーンの収録ですね。30人くらい集まったんですけど、人数が多すぎるから部屋に入りきらず順番に収録しました。

TERU すごいね。僕らの場合は、オーケストラと一緒にレコーディングしたときが一番多かったかな。全部で40人くらいいた気がする。もちろん個別に録ることもできるんだけど、1つの空間に一緒にいることでにじみでる空気が大事なんだよね。声優さんたちもそうなの?

逢坂 ええ。抜き録り(※アフレコの際に個別に収録する形)の場合と空気が違うんですよね。生のやり取りを現場でできるのが一番いい。

TERU 僕らもゲストボーカルを入れてレコーディングすることがあるんだけど、一緒に歌うほうがノリもよくなるんだよね。

逢坂 現場の空気って大事ですよね。あと意外とアフレコのテストでいいものが出るんです。

TERU わかる! レコーディングもそうで、最初の3テイクくらいがよかったりするんだよ。経験上、これ以上は無理して録ってもいいものはできないっていうのも感覚でわかるし。あとはダラダラしないで集中することが大事だね。いろんなところで言ってきたけど、GLAYのレコーディングって18:00に終わらせるようにしてる。

逢坂良太

逢坂 朝から始めて18:00に終わるんですか?

TERU いや、昼から。「集中できる時間って1日3時間か4時間だよね」ってメンバーと話して、昼からレコーディング始めて休憩なしで数時間ほど作業して終わるっていうスタイルになった。

逢坂 それは昔からなんですか?

TERU ここ5、6年だね。今回のシングルでもゲストドラマーの方とレコーディングしたんだけど、1テイク目ですごくいいものが録れたから14:00に終わっちゃった曲もあって。あれは史上最短記録でした。

逢坂 それはすごい!

TERU 自分たちでもびっくりした(笑)。ところで逢坂くんは何か仕事におけるこだわりってある?

逢坂 「ダイヤのA」の場合ですけど、テストでも全力を出すことですね。僕が演じてる(沢村)栄純っていうキャラクターは大声を出すことが多くて、テストで遠慮してると本番も出せないんで。

TERU でも、そうすると周りもテストで本気を出すようになるよね。GLAYも常にリハーサルで本気を出すようにしてて。リハーサルで本気を出さないと、本番で本気を出せないっていう持論があるんです。そういうところって「ダイヤのA」でも描かれてるよね。とにかく練習のシーンが多い!

逢坂 アニメ本編だけじゃなく、オープニングでもエンディングでも描かれてますからね(笑)。ギャグかと思われるかもしれないけど、タイヤ引きダッシュとか本当にやるし。

TERU オープニングの練習シーンは、野球をやったことがある人なら懐かしくなるシーンがいっぱいあるよね。

ニューシングル「G4・IV」2016年1月27日発売 / loversoul music & associates
「G4・IV」
CD+DVD / 2052円 / PCCN-00021
CD / 1512円 / PCCN-00022
CD収録曲
  1. 彼女はゾンビ[作詞・作曲:HISASHI]
  2. Scoop[作詞:TAKURO / 作曲:JIRO]
  3. Supernova Express 2016[作詞・作曲:TAKURO]
  4. 空が青空であるために[作詞・作曲:TERU]
CD+DVD盤 DVD収録内容
  • Music Video & Making
    彼女はゾンビ / Scoop / Supernova Express 2016 / 空が青空であるために
  • Live from Miracle Music Hunt Forever in TOKYO DOME
    pure soul(DAY2) / 百花繚乱(DAY2)
  • Live from GLORIOUS MILLION DOLLAR NIGHT vol.2
    My Private "Jealousy"(DAY1)/ いつか(DAY2)
GLAY(グレイ)

北海道函館市出身の4人組ロックバンド。TAKURO(G)とTERU(Vo)を中心に1988年から活動を開始し、1989年にHISASHI(G)が、1992年にJIRO(B)が加入して現在の体制となった。1994年にシングル「RAIN」でメジャーデビュー。1996年にはシングル「グロリアス」「BELOVED」が立て続けにヒットし、1997年に「HOWEVER」がミリオンセールスを記録したことでトップバンドの仲間入りを果たす。1999年7月には千葉・幕張メッセ駐車場特設会場にて20万人を動員するライブ「MAKUHARI MESSE 10TH ANNIVERSARY GLAY EXPO '99 SURVIVAL」を開催し、有料の単独ライブとしては世界最多観客動員を記録する。2000年に入ってからも数多くのヒット曲やヒットアルバムを生み出し、2010年4月には自主レーベル「loversoul music & associates」を設立。メジャーデビュー20周年となる2014年は、9月に宮城・ひとめぼれスタジアム宮城にて単独ライブ「GLAY EXPO 2014 TOHOKU」を行い、11月にオリジナルアルバム「MUSIC LIFE」をリリースした。2015年には5月に10年ぶりとなる東京・東京ドーム公演を2日間にわたって開催。2016年1月にニューシングル「G4・IV」を発表し、同月より全国ツアー「GLAY HIGHCOMMUNICATIONS TOUR 2016 "Supernova"」を開催する。ツアーファイナルとして東京・日本武道館での3DAYS公演を行う。

逢坂良太(オオサカリョウタ)

1986年生まれ、徳島県出身の声優。2010年より声優としての活動を始め、2012年4月にアニメ「つり球」で主人公の真田ユキの声を務める。以降「ダイヤのA」「山田くんと7人の魔女」「シドニアの騎士」などさまざまなアニメ作品で主役の声を担当する。

ツアー情報
GLAY HIGHCOMMUNICATIONS TOUR 2016 "Supernova"
  • 2016年1月28日(木)大阪府 オリックス劇場
  • 2016年1月29日(金)大阪府 オリックス劇場
  • 2016年2月1日(月)山口県 周南市文化会館
  • 2016年2月3日(水)広島県 ふくやま芸術文化ホール・リーデンローズ
  • 2016年2月8日(月)山梨県 コラニー文化ホール(山梨県立県民文化ホール)
  • 2016年2月10日(水)群馬県 ベイシア文化ホール
  • 2016年2月12日(金)神奈川県 よこすか芸術劇場
  • 2016年2月13日(土)神奈川県 よこすか芸術劇場
  • 2016年2月17日(水)宮城県 仙台サンプラザホール
  • 2016年2月18日(木)宮城県 仙台サンプラザホール
  • 2016年2月25日(木)富山県 オーバード・ホール
  • 2016年2月27日(土)愛知県 名古屋国際会議場センチュリーホール
  • 2016年2月28日(日)愛知県 名古屋国際会議場センチュリーホール
  • 2016年3月3日(木)京都府 ロームシアター京都
  • 2016年3月4日(金)京都府 ロームシアター京都
  • 2016年3月7日(月)北海道 ニトリ文化ホール
  • 2016年3月8日(火)北海道 ニトリ文化ホール
  • 2016年3月13日(日)福島県 會津風雅堂
  • 2016年3月15日(火)新潟県 新潟県民会館
  • 2016年3月16日(水)新潟県 新潟県民会館
  • 2016年3月20日(日・祝)高知県 高知県立県民文化ホール オレンジホール
  • 2016年3月21日(月・祝)香川県 アルファあなぶきホール
  • 2016年3月26日(土)福岡県 福岡サンパレス
  • 2016年3月27日(日)福岡県 福岡サンパレス
  • 2016年3月29日(火)熊本県 熊本市民会館崇城大学市民ホール
  • 2016年4月2日(土)沖縄県 沖縄コンベンションセンター
  • 2016年4月3日(日)沖縄県 沖縄コンベンションセンター
  • 2016年4月21日(木)東京都 日本武道館
  • 2016年4月23日(土)東京都 日本武道館
  • 2016年4月24日(日)東京都 日本武道館