ナタリー PowerPush - GLAY
それぞれの“GLAY”を刻んだ 20周年シングル「BLEEZE」
自分1人で全部書き上げたいとは思わない
──今回亀田さんと一緒に制作を進める際に、歌詞や曲に対して何かアドバイスはありましたか?
TAKURO 俺の場合はデモテープを作ったあとに必ずサウンドと歌詞の相性チェックをするんですけど、そのときは亀田さんから「ここの歌詞は『彼女』じゃなくて『あの子』にしたほうが、より意味が深くなるんじゃないか」みたいなアドバイスをもらいますね。それこそ「外灘SAPPHIRE」の「TRAP TRAP TRAP」ってフレーズは「トラトラトラに聞こえて、これから行くぞって感じが出るんだよね」ということで、TERUには「トラトラトラ」と歌ってもらってますし。そういう細かい部分でのやり取りは多々あります。20年やってきて自分のスタイルはできあがってるけど、それでもモノ作りをしてるときは誰かと一緒にやるのが好きですね。言葉であれメロディであれアレンジであれ、自分1人で全部書き上げたいとは思わない。亀田さんはサウンドにしても歌詞にしても相談できるので、楽しいパートナーですね。
──HISASHIさんも亀田さんとやりとりをしながら進めたんですか?
TAKURO 詞とか相談するの?
HISASHI いや、詞は一応送ったけども、返信がなかったですね。
TAKURO あははは!(笑) 珍しいね! 亀田さん、内容を見て困ったんじゃないかな、「なんて言っていいんだろう、この詞に対して」って。
HISASHI 返信が早いので有名な亀田さんが、あのときだけ返信なかったですもん(笑)。非常に残念な結果でした。
東北復興から新しい存在意義を得る
──さて、最後に「GLAY EXPO 2014 TOHOKU 20th Anniversary」への意気込みを聞かせてください。
HISASHI 震災以来、TERUはいろんな場面で「この思いを東北に捧げよう」と叫んでいたので、それがようやく形になりますね。日本全国のみんなを東北に集めて、GLAYの力で歌おうっていうか、みんなの声で思いを伝えることができるっていうのは、GLAY EXPOにとっても新たなパワーになるんじゃないかな。
──GLAY EXPOってこれまでもすごくスペシャルなものであったし、それを10年ぶりに、しかも東北でやるってことに今回は強い意味があるわけですし。
TAKURO そうですね。GLAY EXPOも1999年のときはよかったですよね、函館から出てきた何も知らない連中が自分たちの夢を叶えるために「みんな来てくれ!」って言ったら20万人集まり。でも次は21万人集めたら満足かって言ったらそうではない。じゃあその次に「GLOBAL COMMUNICATION」ってことで北九州にアジアのバンドを集めたり、北海道でやったり。だけどそのあとに9.11が起きてしまい、グローバリゼーションの是非みたいなものが世界中で話し合われるようになって、自分たちもちょっと冷水を浴びせられたような気持ちになってしまった。で、基本に立ち返って今度はエンタテインメントの聖地ということでUSJと組んで。そういう繰り返しに、俺たちはGLAY EXPOに対する意義みたいなものを見失っちゃったんです。そこからこの10年間は解体作業ですよ。EXPOの要素の1つであった“おもてなし”の精神は「HOTEL GLAY」に受け継がれて、展示館やパビリオンみたいなものは「LiB CAFE」だったり函館の「G4 Space」だったり、そういうところに移行して。そして東北で大地震が起こり、多くのミュージシャンが音楽の無力さに打ち拉がれる中、そんなことも言ってられないってことでTERUの音頭で2011年5月5日から「Thank you for your love」を配信して……そこで、GLAY EXPOのエンタテインメント性を通じて東北復興のお手伝いをしたい、そうすることでGLAY EXPOがまた新しい存在意義を得ることができるんじゃないかと、そう思ったんです。
──なるほど。
TAKURO これ、いろんなところで聞いてるんですけど、人の誕生日を祝うのと自分の誕生日を祝われるのって、どっちがいいですか?
──そうですねえ……自分の誕生日も祝ってほしいとは思いますが……。
TAKURO 悩むならまだまだですね、男として(笑)。
──すみません(笑)。
TAKURO 俺は素直に「人を祝うのが一番の幸せです」って言えたら、男として最高にカッコいいと思うんです。まあ実際に自分たちも「20周年おめでとう」って祝っていただいてうれしい気持ちもあるんですけど、誰かのためのお祝いだったらもっと力が出せるんじゃないかなって。誕生日会だとかアニバーサリーだとかそういった喜ばしい席を、誰かのための喜ばしい場所に変えられるのであれば、俺はGLAYってすげえ素敵なバンドだなと思えるので、それを今回のGLAY EXPOでやってみようかと思ってます。
GLAY EXPO 2014 TOHOKU 20th Anniversary
2014年9月20日(土)宮城県 ひとめぼれスタジアム宮城
OPEN 13:30 / START 16:30 / END 19:30(予定)
チケット料金:
S席 8500円 / A席 6500円
※全席トーホクロッケンブレス付き
GLAY 50th SIngle「BLEEZE」DVDダイジェスト
- ニューシングル「BLEEZE~G4・III~」/ 2014年7月9日発売 / loversoul music & associates
- CD+DVD 2052円 / PCCN-00013
- CD 1512円 / PCCN-00014
CD収録曲
- BLEEZE
- 外灘SAPPHIRE
- 黒く塗れ!
- YOU
DVD収録内容(※CD+DVD盤)
- 「BLEEZE」MUSIC VIDEO
- 「BLEEZE」MUSIC VIDEO MAKING
- IVAN による東北六魂祭 in 山形 DOCUMENT & LIVE
- 六魂fes!×GLAY「BEAUTIFUL DREAMER」「SOUL LOVE」「everKrack」
CD収録曲
- BLEEZE
- BLEEZE KARAOKE VER.
DVD収録内容
- 「誘惑」from GLAY EXPO ’99 "SURVIVAL"
- 「グロリアス」from GLAY EXPO 2001 "GLOBAL COMMUNICATION" in TOKYO STADIUM
- 「口唇」」from GLAY EXPO 2001 "GLOBAL COMMUNICATION" in HOKKAIDO
- 「HOWEVER」from GLAY EXPO 2001 "GLOBAL COMMUNICATION" in KITAKYUSHU
- 「春を愛する人」from GLAY EXPO 2004 "THE FRUSTRATED"
- 「BLEEZE」MUSIC VIDEO(Loppi・HMV VER.)
- 「BLEEZE」LIVE VER. FROM 六魂祭
- Blu-ray Disc / DVD「GLAY 20th Anniversary LIVE BOX VOL.1 DVD & Blu-ray」/ 2014年6月18日発売 / loversoul music & associates
- [Blu-ray Disc 3枚組]14904円 / PCBE-53335
- [DVD3枚組]14904円 / PCXE-53335
- アルバム「灰とダイヤモンド Anthology」/ 2014年5月25日発売 / loversoul music & associates
- [CD2枚組+DVD]6999円 / PCCN-90001
GLAY(グレイ)
函館出身の4人組ロックバンド。TAKURO(G)とTERU(Vo)を中心に1988年から活動を開始し、1989年にHISASHI(G)が、1992年にJIRO(B)が加入して現在の体制となった。1994年にシングル「RAIN」でメジャーデビュー。1996年にはシングル「グロリアス」「BELOVED」が立て続けにヒットし、1997年に「HOWEVER」がミリオンセールスを記録したことでトップバンドの仲間入りを果たす。1999年7月には幕張メッセ駐車場特設会場にて20万人を動員するライブ「MAKUHARI MESSE 10TH ANNIVERSARY GLAY EXPO '99 SURVIVAL」を開催。この人数は単独の有料公演としては、日本のみならず全世界での史上最多動員記録となっている。その後も数多くのヒット曲やヒットアルバムを生み出し、2010年4月には自主レーベル「loversoul music & associates」を設立。GLAYメジャーデビュー20周年となる2014年は、デビュー日にあたる5月25日にインディーズで唯一リリースしたアルバム「灰とダイヤモンド」の特別仕様「灰とダイヤモンド Anthology」を発表。6月18日には未発売のライブ映像をまとめた「GLAY 20th Anniversary LIVE BOX VOL.1 DVD & Blu-ray」を、7月9日には50枚目のシングルとして「BLEEZE~G4・III~」をリリースした。同作の表題曲「BLEEZE」は初のTERU作詞・作曲のシングル表題曲であり、9月20日に宮城で行われる大型ライブ「GLAY EXPO 2014 TOHOKU 20th Anniversary」のテーマソングにも決定している。