ナタリー PowerPush - GUNMA ROCK FESTIVAL 2013

茂木洋晃(G-FREAK FACTORY)×TAKUMA(10-FEET)故郷に熱狂を!地元フェス開催のワケ

9月21日に群馬・グリーンドーム前橋で「GUNMA ROCK FESTIVAL 2013」が開催される。昨年、地元密着型ロックフェスとして産声を上げたこのイベントの首謀者は群馬を拠点に活動し、9年ぶりとなるニューアルバム「S.O.S」を完成させたバンド・G-FREAK FACTORYのフロントマン茂木洋晃(Vo)だ。

ナタリーではフェスの開催とアルバムのリリースを記念し、同フェスに2年連続で出演する10-FEETのTAKUMA(Vo, G)との対談を企画。10年来の盟友でもある両者に、それぞれのフェスにかける思いや、互いの音楽観をじっくりと語り合ってもらった。

取材・文 / 柴那典 撮影 / 福本和洋

京都大作戦は事件

左から茂木洋晃、TAKUMA。

──まずは先日、10-FEET主催の「京都大作戦」が開催されました。今年はG-FREAK FACTORYも出演しましたが、どうでしたか?

茂木洋晃 あれはもう、事件でしたね。「京都大作戦」は事件だった。

TAKUMA うん、今回は事件やったな。

茂木 ものすごいですよ、ほんと。「京都大作戦」ってみんなの予想を毎年超えていくようなフェスなんです。10-FEETがやってるときなんて、2万人がいるでっかいライブハウスみたいだった。これだけフェスバブルって言われたって、そういうフェスはなかなかないですからね。

──「京都大作戦」の特別なところはどんなところにあるんでしょう?

茂木 フェスの中には、インスタントなものもたくさんあると思うんですよ。アーティストが出番前に会場に着いて、出番が終わったら帰ってしまうようなものもある。でも「京都大作戦」はそうじゃないんですよね。

TAKUMA 呼んでる側と呼ばれてる側が、バンド仲間、友達に近い関係なんですよ。

茂木 2日目に出演するアーティストが1日目から遊びに来てたりするし。

TAKUMA 「京都大作戦」は「源氏ノ舞台」「牛若ノ舞台」「鞍馬ノ間」っていう3つのステージがあって、「牛若ノ舞台」は、KYOTO MUSE店長の行貞と、京都GROWLYの恭平と、元京都WHOOPEE'Sの山田と、BLACKBOXxx店長の小谷、その4人と僕ら10-FEETとフェスを運営しているサウンドクリエーターのスタッフが集まって会議してブッキングしてるんです。現場でライブを観たうえで判断してるから信憑性があるし、ブッキングする側とアーティストがすごく近い関係なんですよね。「源氏ノ舞台」にしても、僕らが一緒にライブをやってるバンド、尊敬して憧れてる先輩、なんらかのつながりがあるアーティストに出てもらうのがほとんど。だから、各アーティストが自分のライブを一生懸命やるだけじゃなく、イベント自体を成功させたいっていう気持ちが自然と出てくるんです。「鞍馬ノ間」ももちろん一緒で、ただ相手と勝負するだけじゃなくて「すごかったね」ってみんなが思えるようにしようっていう気持ちが全員にある。いい意味で学園祭、文化祭に近いというか。

茂木 だから、あの雰囲気でライブをやると、「京都大作戦」ならではの追い風が吹くんですね。誰でもそういう感じになる。ケンカや揉めごとはまず起こらないし。あの感じが出るのは10-FEETというバンドの力っていうか、人間性なんじゃないかな。

全員が「フェスを成功させたい」

TAKUMA あと、アーティストだけじゃなくお客さんも「一緒にフェスを成功させよう」って思ってくれてるっていうのがすごいところだと思います。デカい公園なのに、毎年ゴミがまったく落ちてないんです。ゴミ置き場に行列ができて、1時間くらい並ばないと捨てれなかったりするんですけど、それでもみんな並んで捨てて帰ってくれる。出演者もスタッフもお客さんも、最後に「いいフェスだったね」って言えるように自分にできることは全部やろうというふうになってるんですよ。

茂木洋晃

茂木 もちろん、みんなはしゃぐ気で来てるし、むしろはしゃがなきゃ負けっていうくらいで。

TAKUMA はしゃぐっていっても、「チケット代払ったんだから、そのぶん楽しませてもらいましょか」っていう感じではないよね。

茂木 そうそう。ほかのフェスだったら、そういうタイプのお客さんもいるだろうから、みんなもうちょっと空気がゆったりしてるんですよね。でも「京都大作戦」は「フェスを成功させたい!」っていうつもりでお客さんが来てるから、お客さんのエネルギーが1点に集中する。それはもう、事件になりますよ。

──「京都大作戦」が普段のライブハウスからの地続きだという感覚も大きい?

TAKUMA それはすごく感じますね。僕らはライブハウスで年がら年中ライブやってますし、ちょっかい出しあったりしながらもお互いにライブを成功させようって気持ちでやってる。

茂木 ライブハウスで年中やってることを、フェスの規模で短時間に凝縮してやってる感覚なんです。

TAKUMA ただ場所が広くなると声も届きにくいし、顔も見えにくいし、知らん人もよりたくさん集まるわけだから、やっぱりそのぶんライブハウスと同じ空気にするのは難しくなってると思うんですよね。なのに、そういう雰囲気が生まれてきたのは本当に運がよかった。「『京都大作戦』を成功させたい」って思い続けて、言い続けて、毎回前の年の雰囲気を継承しながら、いろんな面で前年度を超えていこうってみんなが思えるようになった。すごく運がよかったと思ってます。

茂木 いや、運だけじゃあんなふうにはならないよ。やっぱりお客さんだとか、出演者の意識の問題なんで。

TAKUMA そうか。じゃあ、そこは僕らのカリスマ性じゃない?

茂木 え?(笑)

TAKUMA 「カリスマ」って言葉が最近面白くて(笑)。

茂木 まあカリスマ性じゃないな(笑)。カリスマとかじゃないけど、「京都大作戦」ではたくさんのミラクルは起こってますね。

GUNMA ROCK FESTIVAL 2013

GUNMA ROCK FESTIVAL 2013

2013年9月21日(土)群馬県 グリーンドーム前橋
OPEN 10:00 / START 11:00 / END 21:00(予定)

<出演者>
COKEHEAD HIPSTERS / EGG BRAIN / G-FREAK FACTORY / LACCO TOWER / 10-FEET / HEY-SMITH / HAWAIIAN6 / 秀吉 / HIFANA / MAN WITH A MISSION / MINOR LEAGUE / MOROHA / NAIKA MC / OVER ARM THROW / ROTTENGRAFFTY / SPECIAL OTHERS / STOMPIN' BIRD / 高崎頼政太鼓 / ZAZEN BOYS / and more

前売りチケット
大人(中学生以上) 6500円
ファミリーペアチケット(保護者1名+4才~小学生1名) 10000円
ファミリーペアチケット駐車券付き(同上+第一駐車場チケット付属) 11000円

G-FREAK FACTORY ニューアルバム「S.O.S」/ 2013年8月7日発売 / BADASS
ニューアルバム「S.O.S」
初回限定盤 [CD+DVD] 3200円 / BDSS-0015
通常盤 [CD] / 2500円 / BDSS-0016
G-FREAK factory(じーふりーくふぁくとりー)

茂木洋晃(Vo)と原田季征(G)が中心となり、1997年に群馬県にて結成される。結成直後から自主企画「MAD SOUL CONNECTION」を行う。2002年頃よりレゲエサウンドを取り入れた「DREAD-ROCK」を構築。2003年に自主レーベル「3TONE east」を設立し、そこを拠点に活動を展開する。2012年9月、地元を盛り上げるため「GUNMA ROCK FESTIVAL 2012」を企画・運営。2013年8月にBADASSより約9年ぶりとなるアルバム「S.O.S」を発表する。同年9月に「GUNMA ROCK FESTIVAL 2013」を開催。

10-FEET (てんふぃーと)

TAKUMA(Vo, G)、NAOKI(B, Vo)、KOUICHI(Dr, Cho)の3名により、1997年に京都で結成。2001年4月に1stシングル「april fool」をリリースし、3rdシングル「RIVER」がスマッシュヒットを記録する。結成以降、精力的にライブを行ってきているが、今なおそのスタイルは変わらない。2008年からは野外フェス「京都大作戦」を開催(※2007年は台風により中止)し、地元・京都の音楽シーンを熱く盛り上げている。