音楽ナタリー Power Push - 「ちゃんげろソニック2017」

Gero×天月-あまつき-×きただにひろし

アニソン! ゲーム実況! うどん! 異種格闘技的イベントの楽しみ方

4月16日に東京・新木場STUDIO COASTでGeroが総合プロデュースを手がけるイベント「ちゃんげろソニック2017」が開催される。

イベントにはGero率いるGeroBAND、天月-あまつき-、オメでたい頭でなにより、きただにひろし、CHiCO with HoneyWorks、PASSPO☆、Q'ulleといったアーティストのほか、加藤純一(うんこちゃん)、もこう、恭一郎らゲーム実況者やYouTuberが出演する。音楽ナタリーではイベントの開催を記念してGero、天月-あまつき-、きただにの3人による座談会を実施。それぞれ世代の異なるシンガーである3人にイベントの見どころ、注目の出演者、当日への意気込みなどを語ってもらった。

取材・文 / 倉嶌孝彦 撮影 / 佐藤類

音楽の異種格闘技大会みたいなイベント

──フェス形式で行われる今年の「ちゃんげろソニック」ですが、もともとはGeroさんと交流の深いアーティストが集まる対バン形式のイベントだったんですよね。

Gero 初期の頃の「ちゃんげろソニック」は3、4バンドくらいを呼んでライブをするっていうイベントだったんです。でも前回は地方にも行きたくなって、「ちゃんげろソニック」の全国ツアーをしたんですよ。そうしたらこれが大赤字で。

左からGero、天月-あまつき-、きただにひろし。

一同 (笑)。

Gero バンドがいくつも一緒に行くものだから、すげえ赤字になりました(笑)。まあでも僕らにとってはいい思い出になったからよかったんです。それで去年はスケジュールの関係で「ちゃんげろソニック」が開催できなかったから、今年はその分大きいイベントにするぞって気合いを入れて、新木場STUDIO COASTで4つステージ作ることにしたんです。

──これまでの「ちゃんげろソニック」と違って、今年のラインナップはバンドやアイドルなどいろんなカテゴリーの方々が集まる印象を持ちました。

Gero 僕自身がニコニコ動画とかに歌を投稿していたこともあって、普通に顔なじみを集めるとどうしてもニコニコに縁のある人ばっかりのイベントになってしまうんですよね。それはそれで素敵なことなんですけど、僕としてはいろんな方々の架け橋になればなっていう思いが強くて。それこそアイドルさんもいれば、きただにさんのようなアニソン界の大御所がいて、さらに歌い手界のエースである天月-あまつき-くんにも出てもらう。音楽の異種格闘技大会みたいなイベントにしたかったんですよ。

ベテランがあぐらかいてちゃいけない

──きただにさんは「ちゃんげろソニック」のオファーが来て、どういう印象を持ちましたか?

きただにひろし 声をかけていただいて光栄だと思いました。若い方たちとイベントに出させてもらうと、自分の中でも発見があるんです。「ベテランがあぐらかいてちゃいけないな」っていつも思いますから。

Gero

Gero きただにさんは新しいアニメとかニコニコ動画とかをまめにチェックしてるんですよね。

きただに アニメを観るのは好きですし、なるべくいろんなことに対してアンテナを立てるようにしています。今回もものすごく人気のあるニコ動の歌い手さんとかと競演できるわけですから、いい刺激がもらえると思って楽しみにしてるんです。

──最近はアニメの主題歌を歌い手出身の方が担当することも多いですからね。

きただに そうそう。「クズの本懐」も96猫ちゃんだし。僕らにとってはある意味脅威なんですけどね(笑)。

──天月-あまつき-さんは「ちゃんげろソニック」のオファーが来て、どう思いましたか?

天月-あまつき- 僕はけっこう年齢の近い人たちとライブをやる機会が多かったので、新しいフィールドに呼んでもらえてうれしかったですね。自分としてもいつもと違う現場でのライブという感覚があるので、ステージではちゃんと僕らしさを表現して、いろんな人に楽しんでもらいたいなって考えてます。

Gero 天月-あまつき-くんは僕と同じニコ動出身だから、けっこう付き合いも長いんですよ。最初に会ったときはまだ天月-あまつき-くんが10代の頃だったよね。

天月-あまつき- はい。確か「ニコニコ大会議」とかのイベントでお会いしたのが初めてでした。

Gero 「10代なのに自分で歌を録って投稿するんだ!」っていう衝撃がありました。

きただにひろし

きただに いやあ、すごい時代だよね。

Gero 天月-あまつき-くんは中学生とか高校生にメチャクチャ刺激を与えている存在だと思うので「ちゃんげろソニック」にさわやかな風を送ってほしいですね。

──きただにさんと天月-あまつき-さんから見たGeroさんのイメージってどういうものですか?

きただに 最初に会ったときは「すごい後輩が出てきたな!」っていう感じだったんですよ。イベントでは声出しとか練習をしっかりやってたし、一緒に飲んで話をしたときにものすごく喉を大事にしてるって聞いて。歌に対してものすごく真剣というか、ボヤボヤしてると僕らは追い抜かされてしまうなって思いました。

天月-あまつき-

天月-あまつき- 僕からするとGeroさんはすごい先輩なんですよ。自分が学生のときにGeroさんの動画を観ていたわけですから。「チルノ」とか観てました。

Gero 「ヒャー」とか騒いでたときだね(笑)。

きただに 確かシンガポールのアニメイベントで、隣のブースがGeroくんだったことがあって。ステージとかが区切られてないから、Geroくんのシャウトがメチャクチャ会場中に響き渡っててね。

Gero シンガポールのイベント、ありましたね。その節はご迷惑を……。

きただに 何しろ声がビッグなんだよね。そこがGeroくんの魅力だから、謝らなくていいんだよ。

ちゃんげろソニック2017
2017年4月16日(日)
東京都 新木場STUDIO COAST
出演者GeroBAND / 天月-あまつき- / SLHfamily / オメでたい頭でなにより / 加藤純一(うんこちゃん) / きただにひろし / 恭一郎 / CLEANERO / ゲーム実況者わくわくバンド / S!N / 蛇下呂(蛇足、Gero、湯毛、that) / TEAM ニコライ(コゲ犬、ASK、湯毛、ぽこた) / CHiCO with HoneyWorks / DJ HACK / DOPEDOWN / トシゾー / 流田Project / PASSPO☆ / VALSHE / めろちん / もこう / ROOT FIVE / Q'ulle / MeseMoa. / こーすけ

Gero(ゲロ)

兵庫県生まれのボーカリスト。2009年、ニコニコ動画に投稿した「歌ってみた」動画が話題を集め、本格的な活動をスタート。多くの同人CD / DVDへの参加や、ライブ、イベントへの出演を果たしてきた。2011年には初のフルアルバム「Gourmet」をリリース。インディーズながらオリコン週間アルバムランキングで7位を獲得した。また2011年、2012年には全国ツアーを2回敢行。東京・SHIBUYA-AXや大阪・なんばHatchなどの大バコもソールドアウトさせる。2013年7月、テレビアニメ「BROTHERS CONFLICT」のオープニングテーマ「BELOVED×SURVIVAL」でメジャーデビューを果たし、同月にはメジャー1stアルバム「one」を発表した。2014年7月には「SECOND」、2015年7月には「ZERO」と順調にアルバムを制作し、2016年7月にはセルフプロデュースによるミニアルバム「Road」をリリース。2017年4月には東京・新木場STUDIO COASTにて自身が総合プロデュースを手がけるライブイベント「ちゃんげろソニック2017」を開催する。

天月-あまつき-(アマツキ)

ネットを中心に活動する男性ボーカリスト。2010年初頭より、ニコニコ動画「歌ってみた」カテゴリーにボーカロイドナンバーをカバーした楽曲の投稿を開始する。力強くもどこか少年らしさを感じさせるハイトーンのボーカルを武器に、ライブを精力的に実施。舞台への出演や声優を担当するなど活動の場を広げながら、ネットへの歌唱動画の投稿も引き続き行っている。2012年6月リリースの1stアルバム「Melodic note.」はオリコン週間インディーズアルバムチャートで1位を獲得した。2014年7月にKING RECORDSからアルバム「Hello, World!」を発表し、メジャーデビュー。2015年2月には、はしやんとのユニット・melostとしてアルバム「Melody Stock」を発表。同年6月に発表した天月-あまつき-名義でのライブDVD「Hello, World! TOUR 2015~春、君と見つける扉の向こうのお伽話~ FINAL LIVE at Zepp Tokyo」がDVDのオリコンウィークリーチャートで1位を獲得するなど注目を集める。2016年7月にはメジャー2ndアルバム「箱庭ドラマチック」を、12月には最新シングル「DiVE!!」をリリースした。2017年5月からは佐香智久のツーマンツアー「天月智久つーまんらいぶ『あまとも、二人でやるってよ。』~月と太陽編~」を開催する。

きただにひろし

1994年に3人組ユニット・Staggerの一員としてメジャーデビュー。その後、いくつかバンドやユニットでの活動を経て、OVA 「め組の大吾」のエンディング主題歌「Red Darkness」で初めてアニメ主題歌の歌唱を担当した。1999年、アニメ「ONE PIECE」の主題歌「ウィーアー!」を歌唱し、アニソンシンガーとしてのその名を広く知らしめることになる。その後は「仮面ライダー龍騎」「魔弾戦記リュウケンドー」「妖怪人間ベム」などさまざまな作品の主題歌を担当した。また数多くのアニソンを担当するユニット・JAM Projectの一員としても活動しており、日本だけでなく世界各国のライブイベントにも出演している。