原因は自分にある。「無限の終わり」特集|「無限の終わり」その先の景色を7人で見るために (4/4)

まあ……待ってましたという感じで

──そして、「Lion」はアルバムの中で一番の異色作と言える曲ですね。まず、イントロが壮大かつ想定外の長さで驚きました。

大倉 みんなが思ってます。「なんでこんな長いんやろ?」って(笑)。

小泉 衝撃的ですよ。1分50秒くらいあります。約2分って考えるとすごくない?

長野 「夜夏」(2ndアルバム「虚像と実像」収録)だったら後半戦だよ(笑)。最初聴いたとき、インストナンバーかと思いましたもん。

──イントロの長さも、ギターが印象的なハードロック調のサウンドもこれまでのげんじぶの曲にはなかった特徴ですね。

大倉 最高ですね。

武藤 アルバム全体として見ても、8曲目にこの曲があるのがいいなと思います。折り返しのポイントでまた一気に上げていくっていう。

──皆さんそれぞれがすごくパワフルなボーカルを聴かせてくれていますが、パワーボーカルで歌い上げる感覚はどうでしたか?

小泉 僕はこれまで、たとえ攻撃的な歌でも曲調が落ち着くパートを担当することが多かったんです。だけど「Lion」は全パートが強いので(笑)、自分的にはけっこう苦戦しました。しかも僕が歌うのはAメロで、曲の始まりからしっかり聴かせないとなと考えていたので。というか「Lion」はさ、仮音源が来たときから「これは潤くんの曲だ!」と思ったよね。

吉澤 ホントにそう! 聴いた瞬間、もう潤くんしか思い浮かばなくて。潤くんとドライブに行くとき、彼の車では基本こういう曲が流れているんですよ。で、潤くんはめちゃくちゃ熱唱しているから、歌入れ前から歌う顔を想像できるくらいでした。

大倉 むしろ、タイトルを見た時点で「潤くんの曲だ」と思ったよね。

武藤 マジで?(笑)

吉澤要人と武藤潤。

吉澤要人と武藤潤。

吉澤要人と武藤潤。

吉澤要人と武藤潤。

──星座も獅子座ですしね。潤さん的には、すごく好きなテイストの曲だったんですね。

武藤 いやあ、そうですね。まあ……待ってましたという感じで。

一同 あはははは!

武藤 いろんな表現の曲を歌わせてもらっている中で「そろそろ来るんじゃないかな?」という思いがあったんですけど、ここで来るとは!って(笑)。うれしかったです。

小泉 久下さんから聞いたところによると、潤くんの好きな音楽のテイストを意識して作ってくれたそうです。

武藤 そうなんだよね……。

大倉 久下さん、俺たちにめちゃくちゃ寄り添ってくれるんです。

吉澤 潤くんの歌うサビ、マジで好きです! ライブでも、潤くんが持っていく注目ポイントなんじゃないかなと思います。

武藤 いやもう、みんなの歌の勢いがすごくて。ホントにライオンのような力強さがある仕上がりなので、ライブで絶対盛り上がると思います。

大倉 あとサビ直前の凌大の「No look, No look, No look……」も、ちょっと注目しておいてください!

長野 なんでそこ単体?(笑) いや、僕のパート、すごくいいところで終わっちゃうんですよ。上げて上げて、サビ入る!ってところでほかのメンバーのパートになるので……。

一同 あはははは!

長野 久下さんに言いましたもん。「もっと歌いたかったっすよ、久下さん!」って(笑)。だから自分は「いけー!」という気持ちで。このパートにすべてを出し切りました。一球入魂です!

等身大の僕たちに歌ってほしい曲を作ってくれたんじゃないかなって

──そして、アルバムのラストを飾るのが、izkiさんの3作目の提供曲となる「僕らの世界・物語」です。前作の「キミヲナクシテ」「貴方に溺れて、僕は潤んで。」と比べるとシンプルな構成で、メッセージが伝わりやすい曲だなという印象でした。

小泉 僕らも、前の2曲とは印象が違うなと思いました。ただ、シンプルなんだけど歌の難易度はめっちゃ高いっていう……。

小泉光咲

小泉光咲

長野 めちゃくちゃ難しいです。

──凌大さんと空人さんが担っているサビは、かなりのハイトーンを地声で当てていますよね。

長野 もう、やってくれたなと思いましたもん!

小泉 izkiさんが秋ツアーを観に来てくれたときに挨拶できたんですけど、そのときは「『貴方に溺れて、僕は潤んで。』、高くしちゃってごめんなさい」と言ってたんですよ。なのに次の曲はもっと高いっていう(笑)。

大倉 俺たちも「いやあ、ホントっすよー!」とか言ってたはずなんですけどね!

一同 あはははは!

──(笑)。ここは間違いなく聴かせどころですね。

長野 そうですね。キーを下げるか?という話も出たんですけど、いや、この曲はこのままで歌おうと。

大倉 この曲はizkiさんが歌ってくれたデモからインスピレーションを受けて、ディレクターさんと「この世界観を崩したくないね」という話になったんです。歌い方のニュアンスもizkiさんから刺激を受けている感じですね。

──歌詞の内容に目を向けると、げんじぶと観測者さんの過去から現在に至るまでの歩みと、未来へ向けての思いが刻まれているのかなと感じたのですが、そのような受け止めで間違いないですか?

大倉 合ってます。最高!

長野 なんだろう。izkiくんが……あ、僕友達なのでizkiくんと呼ばせてもらうんですけど(笑)、彼が今のげんじぶを見て書いてくれた曲なんだなとすごく思ったんです。これまでの2曲はizkiくんの世界観をげんじぶの曲に持ってきてくれた感じだったけど、「僕らの世界・物語」はそこに原因は自分にある。と観測者の皆さんを掛け合わせて、等身大の僕たちに歌ってほしい曲を作ってくれたんじゃないかなって。

──出会いから約1年間、izkiさんが皆さんのことを見てきた眼差しがすごく愛情深いものだということが、この曲の音色や展開、歌詞表現から感じ取れますね。

大倉 ありがたいですよね。いい出会いをしました。

大倉空人

大倉空人

強い決意があるからこそ見える過去、現在、未来を

──1stアルバムと2ndアルバムの収録曲のクレジットにはさまざまなクリエイターの名前が並んでいましたが、今作「無限の終わり」は、1曲を除いて久下さんとizkiさんからの提供曲で構成されているのも大きな特徴かと思います。皆さん自身は、この変化をどのように受け止めていますか?

長野 デビューから3年というタイミングで、一旦自分たちの集大成を観測者の皆さんに見てもらいたいという思いがあったので、原因は自分にある。の世界観をここまで一緒に作り上げてくれた久下さんと、3年目の僕らにすごく影響を与えてくれたizkiくんに入ってもらい、その2人がメインとなって曲を作ってくれたアルバムができたということはすごく意味のあることだと思いますし……“第1期げんじぶ”じゃないですけど、この先何年経っても、僕らの歴史の中で輝くようなアルバムになったなと思います。

──そんな作品を携えて、1月28日にはげんじぶ史上最大規模の会場となるパシフィコ横浜 国立大ホールでのライブが行われます。

吉澤 ステージに立っているのは“今”の僕らだけど、その僕らの背後にはげんじぶのこれまでが見えて、そして僕らの視線の先には僕らの未来が見えるような。強い決意があるからこそ見える過去、現在、未来を感じられる、そういう希望に満ちあふれた空間にしたいなと思います。僕、希望って伝染するものだと思うんです。僕らの希望が見てくれる皆さんに伝染して……僕らの見せる景色が皆さんの希望になったらいいなと思います。

──パシフィコ公演は、ひさびさの7人ですしね(参照:原因は自分にある。杢代和人が1月のワンマンライブに出演確定、7人全員で“夢の舞台”へ)。

一同 そうですね!

大倉 もう、直近でリハが始まるんですよ(取材は12月下旬に実施)。和人はだいぶ大変だと思うけど、そこは思い切りやっていただいて(笑)。

長野 我らが杢代氏なのでね。

──楽しみにしています。では最後に、「無限の終わり」から始まる2023年の目標を聞かせてください。

長野 そうですね、まずはパシフィコ横浜公演を成功させることなんですけど……デビュー前にはパシフィコに僕らが立てるなんて誰も思わなかったと思うし、僕ら自身も想像できなかった。自分的には昔から変わらないものをずっと持ちながらここまで来た感覚ではあるんですけど、でも、今見えている景色は絶対に昔とは違うという感覚もあるんです。僕らの中で見えている“この先の景色”を、観測者さんにも見たいと思ってもらえるような年始めにしたいですし、その景色を現実のものにできる2023年にしたいなって思います。7人それぞれが精進して、さらにステップアップしていける年にしたいです。

原因は自分にある。

原因は自分にある。

プロフィール

原因は自分にある。(ゲンインハジブンニアル)

大倉空人、小泉光咲、桜木雅哉、長野凌大、武藤潤、杢代和人、吉澤要人による7人組ダンスボーカルグループ。EBiDAN研究生によるプロジェクト・BATTLE STREETとして2018年8月に活動をスタートさせたのち、2019年7月7日に独立ユニットとして正式にグループを結成する。1カ月後の8月7日、ユニット名を原因は自分にある。に改名することを発表した。グループ名には「原因」という言葉を肯定的に捉え、自身が引き起こす事や作り出す物を“原因”として音楽シーンに新たなインパクトを与えたいという意味が込められている。10月に1stシングル「原因は自分にある。」でCDデビューし、2021年1月に1stアルバム「多世界解釈」をリリース。4月に初のワンマンライブを成功させ、12月には2ndアルバム「虚像と実像」を発表した。2022年9月には全国5カ所を回るツアー「ワンマンライブ げんじぶ空間:case.4」を開催。2023年1月に3rdアルバム「無限の終わり」をリリースし、パシフィコ横浜 国立大ホールでグループ史上最大規模のワンマンライブを行う。