泣きかけた最年長の思い

長野　てかさ、潤くん、レコーディングで泣きかけたって言ってなかった？

桜木　ええー！

長野　レコーディングの順番、潤くんが最後だったんです。だから6人の声が入った状態で歌入れをするんですけど、「歌いながら泣きそうになった」って……。

大倉　めっちゃいいエピソード持ってるじゃん！

杢代　そういう話、どんどんしてよー。

武藤　（照れ笑いしながら）いやあ、それは……そうですね。物量の多いハモりとか自分のパートを終えて、最後にラストサビの歌入れをしたんですね。で、凌大が言ってくれたように、僕が最後だったから6人のパートは完成しているわけです。ひと足先に完成音源を聴けるみたいな状況だったんですよ。

長野　歌入れをしながらね。

武藤　そう。それで自分の歌も一発でOKだったから「よし、聴いてみよう！」とプレイバックして、ラストの「まだ」を順番にリレーしていくみんなの声を聴いたときに……「ちゃんと7人の声があってよかったな。まずは3年、がんばってここまで来れたなあ」と思って、思わず涙目になってしまったんですけど……直後にスタッフさんから「すいません、ここもう少しボリューム大きめでいきましょうか？」と指示が入って「あ、はい！ すいません！」みたいな（笑）。

長野　現実に引き戻されちゃったんだ（笑）。

武藤　うん。でも本当にこのラストは聴きどころというか、めっちゃ好きですね……。

──「まだ、生きたい（シネナイ）」の「まだ」9連発を7人がリレーして、「生きたい（シネナイ）」から「ららら……」のユニゾンで皆さんの声が重なって、「wow wow wow」というコーラスも添えられるラストの流れは、リスナー側からしてもエモーショナルな感情を掻き立てられました。

長野　僕も完成音源でこのパートを聴いたとき、ただただ感動しちゃって。「7人でここまでやって来れたんだなあ」と思って……。

杢代　しびれたよね。

長野　しびれましたよ！ 鳥肌立っちゃったもん。ライブでやるのが楽しみだし、コロナ禍を抜けたときには、ファンの皆さんも一緒に「wow wow wow」を歌ってくれたらめちゃくちゃうれしいよなとか……。そんな日が来るのを楽しみに待ちながら、歌っていけたらいいなっていうところまで想像しちゃって。

小泉　やっぱりそこ、想像しちゃいますよねえ。

杢代　俺、実際さ、この曲を初めて聴いた瞬間から、レコーディング中も完成してからも、早くライブしたい欲がすごくて。絶対、ライブでドカーンといくでしょ！

長野　いやあ、間違いない。ドカーン！だよ。

きっと久下さんも把握しきれてない

──また、「原因は君にもある。」は「原因は自分にある。」へのアンサーソングという側面のほかに、これまで皆さんが発表してきた楽曲を連想させるフレーズやサウンドがイースターエッグ的に仕込まれている楽曲でもありますよね。それも山ほど。

小泉　そうなんですよ。それこそ、さっき話題に挙がっていた和人の「明らかに君のせいだよね？」に至るまでのDメロなんかは、注目ポイントだなと思います。

──例えば、雅哉さんが歌っている「君だ！ 君だ！ 絶対君だ！」は、「ギミギミラブ」（2019年リリース「原因は自分にある。」収録）の言い換えですよね？

桜木　そうなんですよ。

小泉　ここ、最初にもらった歌詞は表記も「gimme love」だったんですけど、最終的に「君だ！」に変わったんです、実は。

──あと「共犯だっていうのかい？」は、「半分相逢傘」（2021年12月リリースのアルバム「虚像と実像」収録）の象徴的なフレーズである「これでどっちも悪いね」のアンサーになるのかな？とか……。

小泉　ヤバい、俺そこまで気付けなかった。

大倉　確かにそうですね。たぶん僕らより発見できていますよ（笑）。

──ほかにも「おっ？」と引っかかるフレーズや音が満載だけど、それでもきっと読み切れてはいないんだろうなと……。

杢代　大丈夫です！ 正解は久下さんしかわからないんで！

長野　きっと久下さんも、詰め込みすぎて把握しきれてないよ（笑）。

杢代　曲を聴いて、皆さんが発見したり感じたりしたことが正解なんです。ファンの方が曲を楽しく読み解いてくれる部分も、げんじぶの魅力の1つだと思うので。

大倉　ホントそうだよね。げんじぶって、いいグループだなあ。

杢代　それに加えての情報を1つ言っちゃうと、曲の中にモールス信号が薄く入っているんです。ぜひこれも解読してもらえたら、きっといいことが……。間違いなく、観測者のみんなはさらにグッときちゃうと思います。

そこもまた、僕らの進化なのかなって

──では次に、「原因は君にもある。」の振り付けについても教えてもらえますか？

杢代　ちょうど昨日振り入れしてきました！

小泉　歌だけじゃなく、ダンスも間違いなく見どころだと思います。

武藤　いやあ、すごかったね……。今回、僕らの曲としては長いんですよ。4分以上あるのかな。その中に“あんな振り”が出てきたり……。

杢代　懐かしいやつね。自分的には間奏パートの音ハメをぜひ観てほしいです。踊っててすごく気持ちいいんですよ。

小泉　自分が一番面白いなと思うところは、「原因は自分にある。」の振りをちょこちょこ取り入れているところかな。サビの振りもそうだし、最後のポーズもデビュー曲を感じられるものになっているんです。僕らをずっと応援してくれている人ほど、感動してくれるんじゃないかなって思います。

大倉　とにかく今回は相当踊りますよ！ 振り入れでこんなに筋肉痛になったことはないです（笑）。「原因は自分にある。」の振り付けの特徴であるキャッチーさを取り入れているし、観測者がマネできるような部分ももちろんあるんですけど、全部音ハメ！くらいの勢いで踊りまくります。そこもまた、僕らの進化なのかなって。「3年の月日を経て、僕らはこんなパフォーマンスもできるようになったんだよ」と。そういう視点でもすごく楽しめるんじゃないかなと思います。

──ちなみに凌大さん、「原因は自分にある。」では「オムライスでも食べて」と歌うところで手を“パクパク”させますけど、今回の曲で「美味しいパスタが食べたいだけ」と歌っている部分でも食べる仕草をするんですか？

長野　オムライスもパスタも独り占めすると太っちゃうんで、今回はみんなで分けます！（笑）

一同　あはははは。

──ありがとうございます（笑）。では最後に、「原因は君にもある。」という曲が完成しての今の思いを教えてください。

長野　3年目でこんなに素敵な曲を出せて、結成日に初めてのホール公演にして初めてのファンクラブイベントを開くことができて、自分たちのことを本当に好きでいてくれる皆さんとお祝いができること。まず、この環境を作れたことにすごく感謝しています。FCイベントではみんなで喜びを分かち合って、これからの未来が見えるような日になればいいなと思いますし……そこから夏、秋ツアー、さらにその先と、決まっていることはたくさんあるので。ここから僕ら、「第2章の始まりなんだ」と改めて覚悟を決めてやっていくつもりです。7人で進んで行くうえで、もしかしたら困難なこともあるかもしれないけど、それさえも皆さんと分かち合っていけるように、まずは7日を素敵な日にしたいと思います！