原因は自分にある。インタビュー|げんじぶの曲には“色”がある。曲を彩るその理由と、東名阪ツアーで得た“大きな経験” (4/4)

やっぱ7人じゃないとな

桜木 僕も裏側の話になってしまうんですけど、今回のツアーでは、これまでに自分が味わったことのなかった経験をしました。今までだったらライブ中ってずっとアドレナリンが出ていて「イエーイ!」みたいなテンションだったんですけど、今回のツアーでは自分の体調管理が不十分で、そこでの自分との戦いと言いますか……「がんばろう、がんばれ」と思いながら一生懸命やったことが心に残っています。すみません、こんなしんとした雰囲気になっちゃって。

長野 なってないから大丈夫だよ。

小泉 全然なってない。

──皆さんは雅哉さんのがんばりを一番近くで見ていたんですね。

小泉 見てました。がんばってた。

大倉 がんばってましたよ、彼は。

長野 東京もがんばろうね。

桜木 東京もがんばります!

桜木雅哉

桜木雅哉

長野 雅哉は悪くないってことを前提に言うと、僕ら自身初めてそういう出来事に直面したので、メンバー的にもチーム的にも、すごく大きな経験になったなという思いがあります。そういう意味では、今のタイミングで経験できたことはある意味よかったのかなって。

杢代 そうだね。

大倉 それで言うと、俺は「犬と猫とミルクにシュガー」の雅哉パートを歌えたことが印象に残ってるかな!

桜木 それはホントに助かった(笑)。

長野 アンコールでの出来事だったんですけど、6人だけの状態で曲が始まってしまって。「どうしよう」となったときに、空人が歌ってくれたんです。歌い出しが雅哉のパートなので、そこを抜いちゃうとまずいなという思いが全員の中にあったけど、全部カバーしてくれて。

──それはステージ上の判断ですか?

長野 そうです。

大倉 天才ですみません!(笑)

──ほかの5人も、空人さんが歌ってくれるのがわかったってことですもんね。

長野 ボイトレのときも、誰かが休んだら空人はいつもその人のパートを歌ってくれるんです。だから「ここは空人が行くでしょ!」って。

小泉 間違いない。

大倉 それもあるし、俺、雅哉と一緒によくラップを練習してたんです。それは「犬猫」に限らずなんですけど、雅哉のラップパートも練習していたから、ちょうど覚えてたんですよ。だからできた部分もあるのかなって。けっこう難しいんです、雅哉のラップパート。俺、ラップ好きだからずっと挑戦してみたくて。思わぬ形だったけど、歌えてラッキーでした。

大倉空人

大倉空人

──6人の姿を見て、雅哉さんはどう感じましたか?

桜木 大阪公演が終わったあとにグループLINEでもみんなに伝えたんですが、本当に6人のありがたみを感じました。大阪のときはかなり大変だったんですけど、ステージ上でもみんなそれぞれの形で僕を励ましてくれたんです。本当に6人の大切さを……それにファンの皆さんも、僕がステージに出ていったときに、めっちゃペンライトを振ってくれたりして。“げんじぶ空間”全体に感謝したライブだったなと思います。

長野 僕ら6人は6人で、「1人でも抜けたらダメなんだな」ということがめちゃくちゃわかったというか。やっぱ7人じゃないとなって。このグループは7人。雅哉だけじゃなく、誰が抜けても成立しないんだということを身に染みて感じたので、この7人でいられて本当によかったなあって思いました。

桜木雅哉(中央)を筆でくすぐる6人。

桜木雅哉(中央)を筆でくすぐる6人。

“目標の場所”に立てるようなパフォーマンスを

──2019年7月のデビュー以降、コロナ禍が影響して皆さんが有観客でワンマンライブを初開催できたのが2021年4月。ライブ会場で観測者さんに対面するまでに時間はかかりましたが、そこからはコンスタントにライブを開催できていますね。

大倉 僕ら、リリースイベントも2ndシングルまでしかできていないんです。そこからコロナ禍になって、皆さんに会えない期間に入ってしまったので……ひさしぶりに観測者の皆さんに会えたときは、すごくうれしかったのを覚えています。客席に皆さんがいること、一緒にライブを作ってくれていることのありがたさを僕ら7人ずっと忘れていないので、これからも大切にしていきたいなと思います。

──すでに今秋のツアー開催も発表されていて、次回は福岡と北海道が追加されて全国5会場と、さらにスケールアップしますね。

杢代 着実にステップアップできるチャンスがある中で、自分たちがこれをモノにしないとこれから大きくなれないのも現実だと思っています。去年のワンマンで僕ら「もっと大きいステージに立ちたい」って言ったんですけど、7人の共通認識として今目指しているのがパシフィコ横浜の国立大ホール。先輩のライブを観に行った、あの大きな会場で自分たちのライブをやりたいという目標があるので、そこに立てるようなパフォーマンスをしていくことが秋ツアーでは一番大切だと思っています。5公演それぞれに日替わりの曲も用意しますので、何度だって来ていただいて、げんじぶの魅力を全身で感じてほしいです。そこから冬、来年と、次のステップをより大きなものにしていきたいので、秋ツアーが始まるまでの5カ月で着実にスキルやパワーを蓄えます。ホントに超えるべき壁というか、秋ツアーは僕らの中で大きなものになると思っているので、ぜひ足を運んでもらいたいです。

杢代和人

杢代和人

自分の心の支えなので、隣にいられることがすごいうれしくて

──では最後に、皆さんがライブをしていて喜びを一番感じる瞬間はどんなときか、教えてもらえたらと思います。

大倉 俺は、自分の隣にこの人たち(メンバーを指しながら)がいることを実感できるときですね。6人は自分の心の支えなので、隣にいられることがすごくうれしくて。ライブしているときに「ああ、俺ってこの6人と一緒に活動しているんだな」ということを一番感じられるんですよ。日々一緒に過ごして当たり前の存在になりそうなところを、特別な存在なんだと思い改められるのがライブなんです。

長野 僕はもう、始まる前から終わりまで全部の瞬間に喜びを……いや、前日くらいからいろんな喜びを感じているかもしれないです。ツアー初日のワクワク感も楽しいし、メンバー7人で「がんばろうぜ」って気合いを入れてる時間も好きだし、スタッフさんも優しくしてくれて。ステージに上がったら観測者が温かく迎えてくれて、裏動線を通るときには「これ、ライブ映像で見たことあるやつやー!」って思いますし……もう、オタクみたいな気持ちなんだと思います(笑)。

一同 あはははは。

長野 あと何より、メンバーと目が合ったとき。同じ夢を目指す仲間として自分のすべてをさらけ出しているメンバーとライブ中に目が合うと、「僕はこの人たちと同じ道を歩いてるんだ」ってことをすごく実感します。そんな仲間と、終わったあとに「おつかれさま」と言い合うのも楽しい。だから、ホントにずっと楽しいです(笑)。

長野凌大

長野凌大

小泉 いや、実際そうだよね。自分もめっちゃざっくりになるんですけど、ライブ中は楽しいです。

一同 あはははは!

小泉 結論そうなんですよ! ファンの皆さんがいてくれるからこそ喜びがあるし、自分の決めた目標や、たくさん練習したことがステージでできたときは「うれしい!」となりますし。もし失敗したとしても、いつか「あのときは大変だったよね」と思い出話にもできる。悔しかった思い出も、ライブなら最終的には楽しくなるよなって思います。だから、ライブは全部楽しいです。

桜木 僕は、ライブ前に組む円陣が何よりも好きかもしれないです。円陣の覇気って、毎回毎回、公演ごとに違うんです。1人ひとりコメントを言ってから潤のひと言で締めるときもあるし、潤のひと言だけで行くこともある。そのときどきの僕らの雰囲気に合わせて変わる円陣のムードが、僕は好きですね。

目が合うと、うれしいです

──潤さんはいかがですか?

武藤 僕が喜びを感じるのは、曲が切り替わる場面で、観測者の皆さんがペンライトの色を曲の色に合わせようとしてくれるときですかね……。

長野 ああ、わかる。

武藤 ペンライトの色を決めている曲がいくつかあるんですけど、その色に変えてくれたときは「ああ、覚えててくれた!」とうれしくなります。例えば「豪雨」はペンライトを消灯してほしい曲なんですけど、凌大の0サビが始まった瞬間にサーッと消えると「やってくれてる……!」って、ポーズを決めながら思ってるんです(笑)。そういうところで一体感が生まれると、「ライブって楽しいな」と思いますね。

杢代 僕がアガる瞬間は、キメ顔をしている瞬間ですかね……。

大倉 君はそういうところがいいと思うよ。

杢代 ライブって、ダンスや歌だけじゃないと思うんです。ファンの皆さんに楽しんでもらいたい、幸せになってもらいたいと思って表情を決めたり、コミュニケーションを取っているとき、僕はすごく幸せを感じます。求められているし、求められたことに応えられたときが、「ライブができてよかったな」と思える瞬間です。

──では最後に要人さんお願いします。

大倉 いい言葉頼むよー!

吉澤 そう言われると緊張する(笑)。僕は、ファンの方と目が合った瞬間がうれしいです。僕、人と目を合わせてしゃべるのが得意じゃないんです。だから、それができたときにすごく喜びを感じるというか。それって生のライブの大きなよさの1つだと思うし……目が合うと、うれしいです。それに、自分たちに興味を持ってくれている人の目って、違うじゃないですか。

吉澤要人

吉澤要人

長野 わかるわ。

吉澤 やっぱり、自分たちに興味がある人が好きです(笑)。お互いにいいコンタクトが取れると思うから。だから、ライブ中はすごくうれしいんです。

「ワンマンライブ げんじぶ空間:case.3」セットリストと“曲の色”

  1. 青、その他 / 藍白
  2. 結末は次のトラフィックライト / バーミリオン(朱赤)
  3. シェイクスピアに学ぶ恋愛定理 / エメラルドグリーン
  4. 以呂波 feat. fox capture plan / ターコイズブルー(青すぎない)、リリックビデオの感じ
  5. 柘榴 / ワインレッド、夜の柘榴
  6. 豪雨 / 藍鉄色
  7. J*O*K*E*R / 葡萄色
  8. 夢に唄えば / 黄緑、1stシングルの空人の衣装っぽい感じ
  9. 嗜好に関する世論調査 / 白黒
  10. ジュトゥブ / フランスパン、ミルクティ、ピンクのランチョンマット、クッキー
  11. キミヲナクシテ / 灰青
  12. 夜夏 / 夏の夜の風景(夏夜の月と街灯など)
  13. ギミギミラブ / 薄いピンク
  14. 0to1の幻想 / ネオングリーン
  15. 藍色閃光 / 紺碧色+鮮やかな虹
  16. ネバーエンドロール / 白、ルーズリーフに書き足していく
  17. 半分相逢傘 / 青紫(ネオンっぽい)
  18. 幽かな夜の夢 / リリックビデオのサムネ
  19. 青、その他 / 藍白

<アンコール>

  1. 原因は自分にある。 / メンバーそれぞれが思う覚悟の色
  2. (第1部)黄昏よりも早く疾走れ / オレンジ
  3. (第2部)犬と猫とミルクにシュガー / 灰色
原因は自分にある。

原因は自分にある。

プロフィール

原因は自分にある。(ゲンインハジブンニアル)

大倉空人、小泉光咲、桜木雅哉、長野凌大、武藤潤、杢代和人、吉澤要人による7人組ダンスボーカルグループ。EBiDAN研究生によるプロジェクト・BATTLE BOYS内のユニット・BATTLE STREETとして2018年8月に活動をスタートさせたのち、2019年7月7日に独立ユニットとして活動していくことを発表。正式にグループを結成する。1カ月後の8月7日、ユニット名を原因は自分にある。に改名することを発表した。グループ名には「原因」という言葉を肯定的に捉え、自身が引き起こす事や作り出す物を“原因”として音楽シーンに新たなインパクトを与えたいという意味が込められている。10月に1stシングル「原因は自分にある。」をリリースし、2020年1月に2ndシングル「嗜好に関する世論調査」を発表。8月にはライブイベント「a-nation online 2020」に出演した。2021年1月には1stアルバム「多世界解釈」をリリース。4月に初のワンマンライブを成功させ、12月に2ndアルバム「虚像と実像」を発表した。2022年3月より、東名阪ツアー「ワンマンライブ げんじぶ空間:case.3」を実施。9月には全国5カ所を回るツアー「ワンマンライブ げんじぶ空間:case.4」の開催を控えている。