原因は自分にある。の楽曲には、1曲1曲に“色”がある。
東名阪ツアー「ワンマンライブ げんじぶ空間:case.3」を終えたばかりのげんじぶ。このツアーで披露されていた楽曲にもメンバーが付けた“色”があり、彼らは彩り豊かなカラーパレットを共有しながらステージに立っていた。
なぜ彼らは自身の楽曲に色付けをしているのか? 音楽ナタリーでは“曲の色”と今回のツアーをテーマに、メンバーにインタビューを行った。7人の口から語られたのは、1つひとつの曲への思い入れ、そして今ツアーで得た“大きな経験”と、そのときに感じたメンバー、グループへの深い思いだった。
取材・文 / 三橋あずみ撮影 / 曽我美芽
曲の雰囲気に色付けする
──今回は“曲の色”をテーマにお話を聞けたらと思います。過去のインタビューの中でも少しお話してくれていましたが、原因は自分にある。の楽曲に、皆さんは1つひとつ“色”を付けているんですよね。
一同 そうですね。
──そもそもなぜ、曲に色を付けることになったんですか?
長野凌大 僕たちの振り付けの先生が、ライブの作り方についての話し合いの中で「曲に色があったほうがいいんじゃないか」と提案してくれたのがきっかけです。最初はなんとなく始めたことだったんですけど、何回かライブをやっていく中で、メンバーにとってもスタッフさんにとっても色が共通認識として存在しているのはやりやすいねと……同じイメージを持てるのはいいねということになって。
──曲に色を付けているグループをほかに聞いたことがないので、どうやって決まっていくのかも気になります。色決めの話し合いはどのような感じで進んでいくんですか?
武藤潤 話し合いは、けっこう直前だよね。初披露の直前。
杢代和人 そうだね。1人ずつ順番に「自分は何色だと思う」と意見を言っていくんですけど、たまに「この色のイメージがあるけど、あの色も当てはまるよね」みたいな感じで悩んだときは、色見本が載ったWebサイトを見ながら「こっちの色のほうが近いんじゃない?」と話し合いながら決めていきます。
長野 僕らがお世話になっている、おなじみのサイトがあるんです(笑)。
──意見を発表するとき、皆さんは頭の中でどうやって“曲の色”を決めているんですか?
大倉空人 自分は曲の雰囲気に色付けしている感じかなあ。ポップな曲だったら明るい色とか。ただ、僕らの曲には曲調はポップだけど歌詞が切ない、みたいなものもけっこうあるので、複数の色で悩んだときはどちらのほうがライブ中に想像しやすいかを考えたりします。
吉澤要人 僕は、曲を聴いて思い浮かぶ景色の中で、一番心に残る色を選び取ることが多いです。
──ちなみに、話し合いはスムーズにいくものですか?
桜木雅哉 全っ然いかないです(笑)。
小泉光咲 みんな、すごい意見が分かれるので……(笑)。
杢代 これまでに決めた曲、全曲バラバラだったんじゃない?
一同 あはははは!
小泉 最近の曲で言うと「結末は次のトラフィックライト」はまったく違う色が挙がって、すごく悩みました。
大倉 「Up and Down」も迷った気がする。
武藤 迷ったねー! この曲は結局色を付けなかったし。
大倉 そう、最初のうちは色を設定するだけだったんですけど、次第に物や情景をイメージとして設定する曲も増えてきたんです。「Up and Down」はオレンジっぽいイメージだったんですけど、すでにオレンジの曲があったので「同じイメージになっちゃうね」と悩んで……色だけにこだわっていた時期だったので、相当時間がかかった思い出があります。最終的に「ろうそくの火」に決まったんですけどね。
同じものを共有していることに安心する感覚
──曲に色やイメージを付けることによって、実際にパフォーマンスのやりやすさを感じますか?
小泉 最初に色を決めようとなったとき、僕は「色で曲がわかるかな?」と思ったんです。けど、例えばピンクに決まったら、そのピンクから「かわいい」みたいな連想をすると、イメージが膨らみやすくなって。そのやり方を見つけてからは、パフォーマンスがしやすくなりました。赤だったら強めに踊る……とか、色の印象がダンスにも影響していると思います。
武藤 ライブの照明の色に反映されることも多いので、本番中にも思い出せるしね。
桜木 パフォーマンスをしている最中に思い出すと、自分の中で曲の世界観が広がる感覚があります。あと、今回のツアーではありがたいことに、凌大とスタッフさんがセットリスト表に色を付けてくれたんです。
大倉 曲名の横の部分を、その曲の色で塗ってくれたんだよね。
桜木 そう。それを見てライブ中でも色を感じられたので、すごくありがたみを感じました。
長野 僕的には、全員が1つ同じものを共有していることに安心する感覚があります。同じ色のイメージを持っているから、思っていることはみんな一緒だよなって、精神面が安定するのが自分の中で大きくて。そういった部分でも、パフォーマンスをするうえで色を決めるのはいいなと思いますね。
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7人のお気に入りの“色”は?