もう二度とヘソ出しの衣装なんか!
──もう1つの新曲である2曲目「アブラカダブラ ~avra K'Davarah~」(2018年7月22日投稿)はアラブがテーマ。「極楽浄土」以降の“踊っちゃってみた”シリーズを民族音楽シリーズと捉えると、日本、中国ときて「なるほど、今回はアラブ音楽か」って合点がいきます。
メイリア そうなんです。でも、実はアラビアンはずっとやりたくて、ホントだったら「ヒスバレ」(「Hysteric Bullet」2017年9月投稿)の前ぐらいに上げたかったくらいなんですよ。
toku 曲自体は去年できてたんで。
メイリア だからようやく念願叶って。とにかく私はアラビアンの衣装が作りたかったんです(笑)。
──ベリーダンサーふうの。
メイリア そうそう。
toku 撮影前、みんな必死で絞ってたよね。
──ははは(笑)。
メイリア この「アブラカダブラ」を撮影する1カ月くらい前から突然みんなジムに通い始めて。私も週2でジムの予約入れてたし。とにかくお腹をきれいに見せたい一心で、みんな撮影前日からごはん食べないようにして、当日も撮影が終わるまで飲み物だけで凌ぐっていう。終わった瞬間に「カロリー!」って叫んでみんなでハンバーガーを食べに行きました。
──いい話ですね(笑)。
メイリア だから過酷な戦いでしたね、「アブラカダブラ」は。「もう二度とヘソ出しの衣装なんか!」って思いましたね……(笑)。でも、自分的には衣装も踊りも満足のいくものになったし、サウンドもすごい好きだし、夏のツアーで初披露したときもみんなサビの「~Abracadabra~」のところを一緒に歌ってくれて。ライブでやるとさらに楽しくなる曲にもなったなと思います。
──tokuさんもアラビックな曲を書きたいと思っていたんですか?
toku いや、そうでも……。
メイリア そうでもなかったかー(笑)。
toku このシリーズに関してはメイリアがほぼプロデューサーというか、メイリアから「こういうのがやりたい」っていう提案がくるので。でも、いろいろ調べていくと面白くて、例えばアラブ音楽とインド音楽では音階も楽器も違ったりとかするので、すごい勉強になりましたね。
メイリア あとね、民族楽器のシンセがどんどん増えていくっていうね。
──ウードやカヌーンが鳴ってますもんね。
toku はい。で、いろんな国のダンスミュージックがありますけど、コード進行が変わらないというか終始ワンコードで演奏するのって、アラブ音楽特有なのかなって。例えばインドネシアのガムランにしても、インドのシタールにしてもコードチェンジはあるし。そういう意味では、ずっと同じコードを繰り替えずアラブ音楽はまさにダンスミュージックには最適で、「アブラカダブラ」もそういう仕様になってますね。最初から最後までワンコードで。
──なるほど。
toku まあ、けっこう大変だったんですけどね。「ずっとルートが一緒なんだ!」とか思ったりして(笑)。でも、そういう制限があったほうが面白い部分もあるし、そこに日本語が乗るっていうのもまた面白いかなと。我ながら新しいと思います、「アブラカダブラ」は。
──「アブラカダブラ」の歌詞は、従来の“踊っちゃってみた”シリーズらしい、ちょっと強めでセクシーな女性が主人公ですね。
メイリア そうですね。私のイメージなんですけど、アラブの踊り子さんってメイクもパキパキだし、衣装も派手でダンスも激しいので、アグレッシブな印象を受けるんですよね。それと暑い国なんで、強気な女の人のほうがマッチするかなと思って。そこに妖艶なムードをどうまとわせるかを考えながら書きました。といっても、この手の歌詞は得意なので、ささっと書けましたね。
toku 最近、メイリアの作詞スピードが速すぎてドン引きしてるんですよ。「アブラカダブラ」も、さっき曲を送ったと思ったら「もうDropboxに(歌詞が)入ってるよー」って返事が来てて、「ええー!」みたいな。
メイリア 「できたよー」って、3時間後ぐらいには渡してる。「響喜乱舞」もめちゃくちゃ速かったです。
「極楽浄土」はラスボス的なポジション
──新曲ではありませんが、最新アルバム「G.R.N.D.」からジャズナンバーの「Love Swing」が“踊っちゃってみた”入りを果たしていますね。
メイリア はい。「ラブスイ」はもう仕事は関係なく、初期の頃みたいに完全に趣味というか、もはや内輪のノリでやりました!
──「G.R.N.D.」でもそうであったように、この「響喜乱舞」の中でも異彩を放っていますね。
toku うんうん。
メイリア 「ラブスイ」はもともとダンスすることを前提に作った曲でもあったので、4月末の東京・中野サンプラザホールでダンスチームのSLHとコラボする形で初披露したんです。
──現場で拝見しました。かなり大人っぽいダンスでしたね。
メイリア ありがとうございます。でも、中野の1回だけじゃもったいないし、作品として残したいなという話をみんなでしてて。振りもSLHのカラス氏に付けてもらってるし、しかもSLHは男子4人組なので“踊っちゃってみた”のメンバーとペアにできるし、「これはちょうどいい!」ってなってすぐ撮りました。で、今おっしゃってくださったように「ラブスイ」は「G.R.N.D.」の中でも異色の曲だったので、みんなの反応もちょっと気になってたんですけど、「『ラブスイ』やってくれてうれしい!」ってすごい喜んでくれて。ちゃんと浸透してたんだなって、こっちもうれしくなりました。
──この「Love Swing」も含めて、曲順は悩みませんでした?
メイリア めっちゃくちゃ悩みました。私がまず決めて、それをtokuに見せて「いいね」って許可をもらったんですけど、普段のアルバムを作るときより悩んじゃったかも。
──今回の場合、作品を発表した順に並べるという手もあり得たと思うのですが。
メイリア そうそう。でも、せっかくCDというパッケージで出すんだから、最適な曲順を自分で決めたいと思って。だから「もしこの10曲でライブするなら……」って考えました。特に、「アブラカダブラ」と「Girls」、そして「ラブスイ」の位置に悩んだんですけど、最後は「極楽浄土」で締めるだろうなと。だから「極楽浄土」はラスボス的なポジションです(笑)。
toku そういった意味でも、CD化にするにあたってマスタリングするときに、曲の並びで印象も変わるんですよね。「響喜乱舞」の「Love Swing」も、「G.R.N.D.」に収録したものよりも音圧は出てるかなと。また違うアプローチをしてるので。
メイリア リマスタリングしてるからね。
toku そう。だから全曲にわたって、“踊っちゃってみた”用のチューンナップになってますね。
──最後に、ライブハウスツアー中に「東京ではどんなガルニデを見せたいか」を話し合われたとのことですが、どんなガルニデを見せてくださいますか?
メイリア 今回のツアー自体が、初めての場所を回るとともに、自分たちのベストライブを完成させたいなと思っていて。アニメのタイアップ曲や“踊っちゃってみた”の曲はもちろん、インディーズ時代の曲まで、とにかくみんなが聴きたいであろう曲たちをめいっぱい詰め込んだライブだったんです。要はどこで私たちと出会ってくれていても、必ず刺さる曲があるセトリを組んでいて。しかも東京ではフルバンドでダンサーも入るので、今回のライブハウスツアーの集大成みたいな装いになるでしょうね。あと、このZepp DiverCityがワンマンとしては今年最後のライブになるので、お祭り感も満載の、2018年を総まとめするワンマンにします。
toku だいたいメイリアが言ってくれちゃったんですけど、夏に10カ所回って、ラストでツアーの真価が問われるんだろうなと。そして、このあとも実はいろいろ発表があったりするのでちょっと気が早いかもしれないんですけど、皆さんに「ありがとう」が言えるようなライブにできたらなと思います。
- GARNiDELiA「響喜乱舞」
- 2018年9月26日発売 / SACRA MUSIC
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初回限定盤 [CD+フォトブック]
3000円 / VVCL-1296~7 -
通常盤 [CD]
2500円 / VVCL-1298
- 収録曲
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- 響喜乱舞
- アブラカダブラ ~avra K'Davarah~
- 紅葉愛唄
- Girls
- Love Swing
- Lamb.
- PiNKCAT
- Hysteric Bullet
- 桃源恋歌
- 極楽浄土
- GARNiDELiA「stellacage Live House Tour 2018 "glow"
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- 2018年7月7日(土) 埼玉県 HEAVEN'S ROCK さいたま新都心 VJ-3
- 2018年7月8日(日) 茨城県 mito LIGHT HOUSE
- 2018年7月14日(土) 千葉県 KASHIWA PALOOZA
- 2018年7月15日(日) 長野県 NAGANO CLUB JUNK BOX
- 2018年8月4日(土) 京都府 KYOTO MUSE
- 2018年8月5日(日) 兵庫県 神戸VARIT.
- 2018年8月11日(土・祝) 香川県 DIME
- 2018年8月12日(日) 広島県 CAVE-BE
- 2018年8月18日(土) 岩手県 Club Change WAVE
- 2018年8月19日(日) 秋田県 Club SWINDLE
- 2018年9月29日(土) 東京都 Zepp DiverCity TOKYO(※追加公演)
- GARNiDELiA(ガルニデリア)
- モデルとしても活躍するメイリア(Vo)と、さまざまなアーティストへ楽曲提供を行うtoku(Compose, Key)からなるユニット。2014年3月、アニメ「キルラキル」の後期オープニングテーマ「ambiguous」でメジャーデビューする。その後も数多くのアニメソングのテーマ曲を手がけ、2015年1月にメジャー1stアルバム「Linkage Ring」を、8月にはインディーズ時代の楽曲を集めたベストアルバム「BiRTHiA」を発表した。2016年8月、アニメ「クオリディア・コード」のエンディングテーマのシングル「約束 -Promise code-」、12月に2ndフルアルバム「Violet Cry」をリリース。2017年6月に映画「劇場版 魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女」の主題歌「SPEED STAR」をシングルとして発表する。海外での活動も活発で、2017年5月には初の海外単独公演を中国・上海で行い、秋には「GARNiDELiA stellacage Asia Tour 2017」と題しアジアツアーを開催。2018年1月にアニメ「BEATLESS」のオープニングテーマとして書き下ろした「Error」をシングルとして、3月に3rdアルバム「G.R.N.D.」を発表した。9月に“踊っちゃってみた”動画シリーズで話題となった楽曲を集めた企画盤「響喜乱舞」をリリース。9月29日には「stellacage Live House Tour 2018 "glow"」追加公演の東京・Zepp DiverCity TOKYO公演を開催する。