GARNiDELiAが企画アルバム「響喜乱舞」を9月26日にリリースした。
今作にはメイリア(Vo)発案で誕生した“踊っちゃってみた”動画シリーズの一環で発表された「極楽浄土」をはじめとする8曲に加え、新曲2曲を収録。“踊っちゃってみた”のベスト盤とも言える1作だ。
“踊っちゃってみた”をきっかけに、海外でもその名が知られるようになったGARNiDELiA。2人にとって欠かせない活動となった同シリーズに対する思い、制作の舞台裏をメイリアとtoku(Compose, Key)に聞いた。
取材・文 / 須藤輝
ガルニデのダンスミュージックが根付いてる
──お二人はこの夏に全国10都市を回るライブハウスツアー「stellacage Live House Tour 2018 "glow"」を行われましたが、その感想からお聞きしてよいですか?
メイリア(Vo) このツアーは、今まで行ったことがない場所を回るというのがコンセプトだったんです。なので、どういうお客さんが来て、どういう反応が返ってくるのかまったく読めなくて。実際にライブをしてみても地域ごとに反応が違ったりしてすごく面白かったですね。何より、みんな「来てくれてありがとう!」ってめっちゃ言ってくれて、ホントにやってよかったなって。
toku(Compose, Key) 以前からいろんな地域のファンの方から「来てください」っていうお手紙をいただいたりしていたので、ようやく約束を果たせた感もありましたね。
メイリア 場所によってはライブに行くこと自体が初めてっていう子もたくさんいたんですけど、最前列付近のガルニデのライブ常連組がお手本みたいになって、みんな見よう見まねで声を出してくれたり踊ってくれたり。ステージ前からフロア全体に波が広がっていくような素敵な光景も見られたし。あと、地方に行けば行くほどこの“踊っちゃってみた”シリーズのファンも増えていった印象があって。きっとYouTubeやニコ動経由で知ってくれたんですけど、いずれにしてもガルニデのダンスミュージックが根付いて、その楽しみ方もみんなわかってきているのが見えた手応えのあるツアーでしたね。
toku 僕らも各会場で同じことをやるんじゃなくて、例えば「Girls」って曲は毎回少しずつ肉付けしていったんですよ。今回のアルバムに収録されている「Girls」は僕がリアレンジしたバージョンなんですけど、それが徐々にできあがっていく過程を皆さんに聴いてもらうような感じで。そんなふうに「今回のツアーを通してやったことが『響喜乱舞』にも乗っかりますよ」みたいなことも言えるツアーだったりしたので、企画としても面白かったのかなと。あと、2カ月で10カ所を回ること自体が初めてだったので、プチ旅行感が満喫できました。
メイリア うちら、たくましくなったよね。短期間にたくさん場数を踏めたのもそうだけど、毎回いろんなハプニングがあったから。でも、それも込みでお客さんも楽しんでくれてるのが伝わってきたし、自分の対応スキルも上がったと思う。もう、ちょっとやそっとじゃ動じないよね。
toku そうだね。
メイリア あと、チームの結束も強まったし。「じゃあこのツアーを経て、追加の東京(9月29日開催のZepp DiverCity TOKYO公演)ではどんなガルニデを見せたいか」みたいな話もできたので、うん、ホントにやってよかったですね。
最初は友達と趣味でやった思い出作り
──ではアルバム「響喜乱舞」のお話を伺っていきます。まず、そもそも“踊っちゃってみた”動画を投稿した動機ってなんだったんですか?
メイリア これはですね、6年前に、ガルニデとしてではなくMARiAのソロアルバム「aMazing MusiQue PaRK」のリリース記念に何かできないか考えまして。当時の私は歌い手として認識されていたので、そんな私が踊ってみたら面白いんじゃないかと。ちょうどその頃イベントでみうめと仲よくなってたので彼女に振り付けをお願いしたら、「3人いたほうがフォーメーションとかも組みやすいし」と言って217を連れてきてくれて。この3人で、アルバム収録曲でEasy Popさんに書いていただいた「Girls」の動画をニコニコ動画に上げたんですよ(2012年8月投稿)。だから最初は全然仕事じゃなくて、友達と趣味でやった思い出作りみたいなものだったんです。
──シリーズ化することは?
メイリア 考えてなかったですね。1回限りだろうが自分たちが楽しめたらいいやって。だからなんとなく「10万再生ぐらい行ったらいいんじゃない?」くらいに思ってたんですけど、あっという間に100万再生超えて「うっそ!」ってなって。しかも「次も待ってます」っていうコメントもたくさんあったので、「じゃあ今度はガルニデの曲でやろう」という話になって、約1年後にまた軽いノリで「Lamb.」を上げたんです(2013年10月投稿)。で、「1本目ほど伸びないでしょ。だいたい2本目ってそういうもんだよ」って話してたら「Lamb.」のほうが伸びちゃって。
──ちゃんと支持されているし、ファン層も拡大したと。
メイリア ありがたいことに。なので「年に1回ぐらいはやろう」と第3弾の「PiNK CAT」を上げて(2015年4月投稿)。ここまではわりと一般的なダンスミュージックだったんですけど、私たちも海外のイベントにも呼んでもらえるようになり、世界の人たちに向けて“和”をテーマにした曲を作りたいと思って。そうしてできたのが「極楽浄土」なんです(2016年4月投稿)。これをきっかけに、中華圏を中心に動画を観てくれる人が爆発的に増えて、中国からお仕事のオファーもたくさんいただくようになり。その中国のみんなに感謝の気持ちを込めて作ったのが「桃源恋歌」で(2017年5月15日投稿)、直後に上海でワンマンライブもやらせていただきました。
──もともと趣味でやってらしたのが、アジア進出の足がかりに。
メイリア ホントにねえ。「PiNK CAT」あたりまでは「じゃあ、今年もそろそろやりますかー」みたいな感じだったのに。あと、「極楽浄土」あたりから“踊っちゃってみた”で私たちを知ってくれてる人が増えたこともあって、ガルニデの軸が2つになった感があるんですよ。要するに「ガルニデといえば?」と聞いたときにアニソンと答える人と、“踊っちゃってみた”と答える人が半々ぐらいになってきていて。だからどっちも自分たちにとってなくてはならないものになってるし、ちょうど10作目になるので、それらをまとめたベスト盤という形で今回リリースすることになりました。
──tokuさんは、「Girls」でメイリアさんたちが踊りだしたのをどんなふうにご覧になっていたんですか?
toku 最初は「あ、踊れるんだ?」っていう。
メイリア 私が踊れるの知らなかったしね。
toku でも結果、すごく人気も出てたし、動画のタイトルロゴとかは僕がデザインしてたりしていて。だから音楽だけじゃなくて、ブランディング的なことを一緒にやれたのも面白かったですね。楽曲に関しては、「極楽浄土」で陽気なお祭りソングのよさに気付けたところがあって。そこからよりEDMに傾倒していったのかなと思います。僕、そんなにダンスミュージックが得意ではなかったので。
メイリア あれだけダンスナンバー作っておいて、よく言うよねって感じですよね(笑)。
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僕の性格も明るくなったんじゃないかな(笑)
- GARNiDELiA「響喜乱舞」
- 2018年9月26日発売 / SACRA MUSIC
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初回限定盤 [CD+フォトブック]
3000円 / VVCL-1296~7 -
通常盤 [CD]
2500円 / VVCL-1298
- 収録曲
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- 響喜乱舞
- アブラカダブラ ~avra K'Davarah~
- 紅葉愛唄
- Girls
- Love Swing
- Lamb.
- PiNKCAT
- Hysteric Bullet
- 桃源恋歌
- 極楽浄土
- GARNiDELiA「stellacage Live House Tour 2018 "glow"
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- 2018年7月7日(土) 埼玉県 HEAVEN'S ROCK さいたま新都心 VJ-3
- 2018年7月8日(日) 茨城県 mito LIGHT HOUSE
- 2018年7月14日(土) 千葉県 KASHIWA PALOOZA
- 2018年7月15日(日) 長野県 NAGANO CLUB JUNK BOX
- 2018年8月4日(土) 京都府 KYOTO MUSE
- 2018年8月5日(日) 兵庫県 神戸VARIT.
- 2018年8月11日(土・祝) 香川県 DIME
- 2018年8月12日(日) 広島県 CAVE-BE
- 2018年8月18日(土) 岩手県 Club Change WAVE
- 2018年8月19日(日) 秋田県 Club SWINDLE
- 2018年9月29日(土) 東京都 Zepp DiverCity TOKYO(※追加公演)
- GARNiDELiA(ガルニデリア)
- モデルとしても活躍するメイリア(Vo)と、さまざまなアーティストへ楽曲提供を行うtoku(Compose, Key)からなるユニット。2014年3月、アニメ「キルラキル」の後期オープニングテーマ「ambiguous」でメジャーデビューする。その後も数多くのアニメソングのテーマ曲を手がけ、2015年1月にメジャー1stアルバム「Linkage Ring」を、8月にはインディーズ時代の楽曲を集めたベストアルバム「BiRTHiA」を発表した。2016年8月、アニメ「クオリディア・コード」のエンディングテーマのシングル「約束 -Promise code-」、12月に2ndフルアルバム「Violet Cry」をリリース。2017年6月に映画「劇場版 魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女」の主題歌「SPEED STAR」をシングルとして発表する。海外での活動も活発で、2017年5月には初の海外単独公演を中国・上海で行い、秋には「GARNiDELiA stellacage Asia Tour 2017」と題しアジアツアーを開催。2018年1月にアニメ「BEATLESS」のオープニングテーマとして書き下ろした「Error」をシングルとして、3月に3rdアルバム「G.R.N.D.」を発表した。9月に“踊っちゃってみた”動画シリーズで話題となった楽曲を集めた企画盤「響喜乱舞」をリリース。9月29日には「stellacage Live House Tour 2018 "glow"」追加公演の東京・Zepp DiverCity TOKYO公演を開催する。