ナタリー PowerPush - GARNiDELiA
「魔法科高校の劣等生」とメイリア&tokuの2ndシーズン
こんなエロエロな生活は送ってないですから!
──その「OKが出た」詞ってメイリアさんの本音だったりします?
メイリア 歌いたい世界観ではあるものの、かなりフィクションですね(笑)。……というか、そうだ! これははっきり言っとかないと。私自身はこんなエロエロな生活は送ってないですから!
──あはははは(笑)。じゃあなぜ「歌いたい」んでしょう?
メイリア ある意味サウンドに引っ張られるというか、私の中ではダンスナンバーにはタフな女性像がハマる気がするんです。なんていうかダンスミュージックにはそういうタフな女の子がセクシーに踊るものっていうイメージがあるので。だから歌詞の世界観もちょいエロで小悪魔的なものになりがちなんですよね。まあ「LOVE or GAME」に関しては“ちょいエロ”じゃ済まなかった気がするんですけど(笑)。
最新ダンスミュージックとJ-POPの融合を目指す
──その“かなりエロい”詞は書きやすかったですか?
メイリア 前のインタビューと同じお話になってしまうんですけど、女の子なら誰もがちょっとは持っているはずのドロドロした本音は書きやすいですね(笑)。
──あははは(笑)。一方、サウンドメイキングは?
toku この曲に限らず、作曲やアレンジっていう実際の作業中に悩んだり行き詰まったりすることってまずないんですけど、「LOVE or GAME」は「どういうアレンジにしようか」って考えることに時間がかかりました。
──それはなぜ?
toku ダンスミュージックって流行に左右されるじゃないですか。
──確かによほどの名曲じゃない限り、“クラシック”が生まれにくいジャンルですもんね。日々世界中で新しい音が生み落とされているから、1年前のクラブヒットみたいな曲を今さらリリースすると「ダセエよ」って言われかねない。
toku そうなんですよ。でも特に日本では最先端に走りすぎると、ほとんどの人がわからなくなるという(笑)。だからJ-POPとして機能しつつ、かつ先鋭的なダンスミュージックとしても機能する曲ってなんだろう?っていうことはメイリアとかなり相談しました。僕らの曲ってどれも編曲のクレジットは「GARNiDELiA」なんですけど、この曲については特に2人でアレンジした気がしてます。
こっちが本来の私です!
──そしてカップリング2曲目は「キミとボクが出会う確率」。「LOVE or GAME」で“かなりエロい”ことを歌っていたメイリアさんがすごくいいメロディに乗せて「星を見上げて なぞる デネボラ スピカ 想い重ねた」と、すごくいいことを歌っています。
メイリア こっちが本来の私です!
──了解です(笑)。
toku でもホントに自分の気持ちに素直な詞を書いたんだと思いますよ。この曲って僕は失恋をイメージしてわりと悲しいメロディを書いたつもりなんですけど、特にそういうテーマを伝えずにデモを渡したら前向きな詞が上がってきましたから。
──別れの歌のつもりが「キミとボクがこうして愛しあう確率 それはもっとキセキ」。愛しあってます(笑)。
メイリア 失恋しなくてすみません(笑)。でもこの詞のテーマって常に私が考えていることなんです。どうして人は生まれたんだろう? 私は今なぜここにいるんだろう? もしそれが愛する人と出会うためだったらいいなって。愛する人っていうのは家族や友達や恋人もそうですし、世界中にいろんな音楽がある中で私たちの曲を選んで聴いてくれている人たちもそう。地球上に生まれたこと自体奇跡的なのに、その上私たちの音楽をいいって言ってくれるのって相当な奇跡だと思っていて。その奇跡を大事にしたい、その奇跡に感謝したいっていう曲を作りたかったんです。
toku その同じ曲を聴いて僕とメイリアが受けた印象がまったく違う上に、そのどっちもが間違っていない感じが「あっ、面白いな」って思えたんですよね。あと「grilletto」の「群青」と「純情」と同じようにちょっとテクニカルな詞だったのもよかったですし。僕の代表曲のひとつに「SPiCa」っていう曲があるんですけど、そのフレーズを引用していたりして。だからメイリアから詞をもらってから、あまり悲しくなりすぎないようにメロディとアレンジをちょっとイジりました。
──そのアレンジも面白いですよね。この曲ってメロディはいい意味でベタ。ちょっと牧歌的だからアコースティックギターなんかでコードバッキングするとフツーのギターロックになりそうなところ、シンセのパッドの音に任せていて。
toku まさにそういうつもりだったんです。いわゆるバンドアレンジにすると普通になっちゃうんだろうな、と思っていたので。
メイリア シンセにしたことでガルニデっぽくなったよね。
toku うん。だから2人とも「ガルニデサウンドとは何か?」に対する明確な答えを持ってはいないんだけど(笑)、ちゃんと「ガルニデらしさ」は共有されてるんですよ。
GARNiDELiA 『grilletto』
- ニューシングル「grilletto」 / 2014年7月30日発売 / DefSTAR RECORDS
- 初回限定盤 [CD+DVD] 1620円 / DFCL-2074
- 通常盤 [CD] 1296円 / DFCL-2076
- 期間生産限定盤 [CD+DVD] 1620円 / DFCL-2077
CD収録曲
- grilletto
- LOVE or GAME
- キミとボクが出会う確率
- grilletto(instrumental)
- grilletto TV Size ver.(※期間生産限定盤のみ)
初回限定盤 DVD収録内容
- 「grilletto」Music Video
期間生産限定盤 DVD収録内容
- 「魔法科高校の劣等生」オリジナル映像
GARNiDELiA(ガルニデリア)
アニソンシンガーなどとして活躍するメイリア(Vo)と、アンジェラ・アキ、LiSAらのアレンジャー、ボカロP「とく」などの横顔を持つtoku(Key, Compose)からなるユニット。2010年、共通の知人を介して知り合い、オリジナル曲「ARiA」を動画共有サイトに投稿。toku作編曲、メイリア歌唱のアニメ「フリージング」オープニングテーマ「COLOR」を発表したのと前後して、ユニット結成を宣言する。以来ハードロック由来のヌケのいいギターロックから、ダンスミュージックまで幅広い楽曲群をネットで発表する一方で、2010年末にはミニアルバム「ONE」をインディーズで発表。さらに翌年には東京・JCBホール(現・東京ドームシティホール)での「ニコニコ大会議Final」や、中国・上海での「舞動漫櫻楽祭~ANIME ROCK CONVENTION~」など国内外でのイベントに招聘されるなど、国内外で高い人気を獲得する。2014年3月、アニメ「キルラキル」の後期オープニングテーマ「ambiguous」でメジャーデビュー。そして同年7月、アニメ「魔法科高校の劣等生」後期オープニングテーマ「grilletto」を発表した。