ナタリー PowerPush - GARNiDELiA
「魔法科高校の劣等生」とメイリア&tokuの2ndシーズン
やりたいことをやる。貫き通す勇気
──人との出会いや状況の変化で理不尽を乗り越えられるっていう実感はお2人にも?
toku 実際僕らも長い間音楽の世界で芽が出なくて悔しい思いはしてましたし(笑)。
メイリア でも今のレーベルスタッフさんに出会えたことで、このGARNiDELiAの形になれた。だから現状に悩んで苦しんで立ち止まってる人にも「やめよう」なんて思わないでがんばってほしいなって思ってるんです。あきらめるのは思いつく限り可能性を試してみてからでもいいんじゃない?って。お互い個人でそれなりに音楽活動していた私たちが、突然GARNiDELiAとしてネットに曲を発表したのもそういうことですから。ちょっとイレギュラーなやり方だったかもしれないけど、それでも音楽の世界にしがみついていこうと思ってネットを使ってみたら、そこにはちゃんと聴いてくれる人たちがいてくれて、その向こうにはネットでの声をちゃんと評価してくれるレーベルの人がいたんです。
toku やりたいことをやる。貫き通す勇気って必要なんですよね。今回は作詞の方法が特殊だったこともあってけっこう綿密に打ち合わせをしてから詞を書き始めたんですけど、その打ち合わせの中で気付いたんですよね、「あっ、お互い自分の思いを貫き通す勇気が必要だっていう認識を持ってるんだな」って。
──綿密な打ち合わせをした痕跡ってレトリックにも残ってますよね。tokuさんが書いた1コーラス目の「この思いは群青」っていうフレーズを、2コーラス目でメイリアさんが「この思いは純情」で受けていたり。
toku スピード感のあるメロディなので、そのスピード感、テンポ感を殺さないようにするには韻を踏んだほうがいいだろうな、みたいな話し合いは確かにしました。
メイリア 世界観やメッセージを統一するだけじゃなくて、けっこう言葉選び、1コーラス目と2コーラス目の言葉を当てるための話し合いも重ねましたよね。
第1期と第2期、どちらも愛して
──ちょっと意地の悪い質問なんですけど、「ambiguous」は「キルラキル」の第2期オープニングテーマで、「grilletto」は「魔法科~」の第2期オープニングテーマです。
メイリア 第2期といえばGARNiDELiA(笑)。
──当然第1期のオープニングは別の方、「キルラキル」なら藍井エイルさん、「魔法科~」ならLiSAさんが歌っている。こうやって誰かのあとを引き継ぐプレッシャーって……。
toku ないって言ったらウソになりますね。
メイリア しかもお2人の曲とも、すごくアガるじゃないですか。
──藍井さんの「シリウス」も、LiSAさんの「Rising Hope」もライブのキラーチューンと化してますもんね。でも「grilletto」も負けず劣らずアガるわけで。だからGARNiDELiAって強いなあっていう気がするんです。
メイリア ありがとうございます(笑)。ただ「負けたくない」「勝ちたい」って思ったことはないんですよ。「どっちも好きになってほしいな」っていつも思ってます。
toku それって負けることはおろか、勝つことよりも難しいんだけどね(笑)。
メイリア だよね(笑)。お2人の曲が好きな人たちに「あっ、GARNiDELiAもいいね」って振り向いてもらうのってすごく大変な気はするんですけど、私たちはそれがやりたい。GARNiDELiAも好きになってほしいし、エイルちゃんやLiSAちゃんをきっかけに「キルラキル」や「魔法科高校の劣等生」を好きになった人たちにそのままアニメを好きでいてほしいんですよ。そういう思いが強く込められてるから「負けてない」って思ってもらえるのかもしれないですね。
エロさを出したいよね
──今回のシングルのトラックリストはある意味「ambiguous」と同じ。リードトラックはアガるギターロックでカップリングはダンスミュージックとメロウなミディアムチューン。ただその肌合いはだいぶ違う。特に象徴的なのが、カップリング1曲目の「LOVE or GAME」だと思うんですけど……。
toku 振り切りましたね(笑)。
──R&Bの世界標準をけっこうシリアスににらんだ曲になりましたよね。
メイリア この曲がアニメのテーマソング、それも「grilletto」みたいな曲のカップリングになってるのを改めて見てみると、我がことながら「あっ、この曲、入れちゃうんだ」っていう気はします(笑)。
──詞も「ほら どんどん私に触れたくなってきたでしょ」と、セクシャルなことをかなりあけすけに歌ってるし(笑)。
メイリア もともと「エロさを出したいよね」ってことで作った曲なので(笑)。「LOVE or GAME」ってけっこう前に作った曲、「いつか世に出せたらいいな」って思っていた曲なんです。もともと私がダンスをやっていたっていうのもあったし、今後GARNiDELiAとしてライブをやる機会も増えるだろうから、パフォーマンスとしてのダンスを見せられる曲がほしいっていうことで。で、さっきおっしゃっていたように、今回「grilletto」をリリースするにあたって、「ambiguous」と同じ構成にしよう。ギターロックの次にはダンスミュージックを入れようってことになって。それで2人の間で「LOVE or GAME」をみんなに聴いてもらおうよ、って話して、スタッフさんに相談したら、OKが出ました。
次のページ » こんなエロエロな生活は送ってないですから!
- ニューシングル「grilletto」 / 2014年7月30日発売 / DefSTAR RECORDS
- 初回限定盤 [CD+DVD] 1620円 / DFCL-2074
- 通常盤 [CD] 1296円 / DFCL-2076
- 期間生産限定盤 [CD+DVD] 1620円 / DFCL-2077
CD収録曲
- grilletto
- LOVE or GAME
- キミとボクが出会う確率
- grilletto(instrumental)
- grilletto TV Size ver.(※期間生産限定盤のみ)
初回限定盤 DVD収録内容
- 「grilletto」Music Video
期間生産限定盤 DVD収録内容
- 「魔法科高校の劣等生」オリジナル映像
GARNiDELiA(ガルニデリア)
アニソンシンガーなどとして活躍するメイリア(Vo)と、アンジェラ・アキ、LiSAらのアレンジャー、ボカロP「とく」などの横顔を持つtoku(Key, Compose)からなるユニット。2010年、共通の知人を介して知り合い、オリジナル曲「ARiA」を動画共有サイトに投稿。toku作編曲、メイリア歌唱のアニメ「フリージング」オープニングテーマ「COLOR」を発表したのと前後して、ユニット結成を宣言する。以来ハードロック由来のヌケのいいギターロックから、ダンスミュージックまで幅広い楽曲群をネットで発表する一方で、2010年末にはミニアルバム「ONE」をインディーズで発表。さらに翌年には東京・JCBホール(現・東京ドームシティホール)での「ニコニコ大会議Final」や、中国・上海での「舞動漫櫻楽祭~ANIME ROCK CONVENTION~」など国内外でのイベントに招聘されるなど、国内外で高い人気を獲得する。2014年3月、アニメ「キルラキル」の後期オープニングテーマ「ambiguous」でメジャーデビュー。そして同年7月、アニメ「魔法科高校の劣等生」後期オープニングテーマ「grilletto」を発表した。