ナタリー PowerPush - GARNET CROW
新たな扉を開いた「Nostalgia」
3曲でがっちりひとつの作品を作れた
──2曲目「風の中のオルゴール」は、先程お話に出たように最後までA面候補だったという曲ですね。
中村 はい。これは本当に私たちらしいバラードというか、なんの不安もなく聴いてもらえるのかなって。切なさ、壮大さ、はかなさ、そして憂いもちょっと含んだ曲になっています。
──歌詞からは、どんなインスピレーションが浮かびましたか?
中村 「金魚鉢にユラユラと」という部分があるんですが、ここで思い浮かべたのが派手な金魚……らんちゅうだったんです。お祭りの金魚じゃなく、もっと主役級の金魚たちがわーって泳いでる姿をイメージしながら歌いました。
岡本 僕はサビの「風の中のオルゴール」って言葉がすごく飛び込んできて。これをA面に推したのは主に古井さんなんですが、彼もその歌詞とメロディがガチってはまる感じが好きだったのかなって。インパクトもありますし。
──確かに、一度聴けばスッと耳に溶け込む覚えやすいサビが印象的でした。で、通常盤のみ収録される3曲目「Happy swallow」は、前の2曲と大きく異なるナンバー。明るくて、体が乗り出してしまうような仕上がりですね。
中村 1曲目がクール、2曲目がバラードなので、最後は少しホッとできるようなキャッチーな曲がいいかなって。ライブでも盛り上がるだろうし、楽曲の持つハッピーさや楽しさが伝わるよう、コーラスワークもちょっと遊んでみたんです。
──今回の3曲は三者三様のカラーがはっきりしたシングルになりましたよね。
中村 はい。色で例えるなら「Nostalgia」はメタリックで無機質、「風の中のオルゴール」は自然なアースカラー、「Happy swallow」は元気なパステル。曲調も4つ打ち、バラード、ポップスと分かれてるし、いろんなGARNET CROWの顔を見せられるのかなと思います。
岡本 3曲でがっちりひとつの作品を作れたっていう自信作になったのかなって。毎回そうですけど、カラーが違う3曲でも、こうやってちゃんとまとまり良く仕上げられると気持ちがいいですね。
生ストリングスは、手を止めて聴きたいくらい素晴らしかった
──同時リリースのDVD「GARNET CROW livescope 2012 ~the tales of memories~」についても聞かせてください。振り返ってみて、どんなツアーでしたか?
中村 ひと言で言うなら“盛りだくさん”ですね。今回はバンドサウンド+生ストリングスのコーナーで深みのある音を表現したり、ストリングスを入れたからこそ披露できた曲もあったので。幅が広がったし、非常に満足できるツアーでした。
──ストリングスをライブに入れたのは初ですか?
中村 今まで何度かあるんですが、ここ最近はずっとバンドでやっていたので久しぶりでしたね。やっぱり生のストリングスは厚みや温もりが違うし、音の立ち上がりもファーって段々上がってくる感じがいいんですよ。
岡本 僕もストリングスはすごく気持ち良くて。自分で弾かずに、手を止めて聴いていたかったくらい素晴らしかったです。
──オーケストラの指揮者の方が、すごくノリノリだったのも印象的でした。
中村 インパクトありますよね! 後ろ向きの(指揮者の)先生に全部持っていかれた感じで(笑)。
岡本 しょうがないね、名物の大先生だから。
──これまで何度か共演されてるんですか?
中村 2~3回、ストリングスが入るときにレコーディングでお願いして。私たちも絶大な信頼を置いてお任せしてるんですけど、ライブ本番になると……。
岡本 ダンサーの要素が加わる!(笑)
中村 そう。指揮者兼ダンサーみたいになるんです(笑)。終わったあと、お客さんからも「あの指揮者がすごかった!」って言われることも多いです。
──では最後に、今作発表後に行うファンクラブ限定イベントについて、意気込みをお願いします。
中村 ファンクラブイベントは久しぶりなので、まずは楽しみっていう気持ちが一番。内容も普通のライブよりファンクラブならではの演出もできるかもしれないし、事前に人気曲の投票を募っていたので、その結果をベスト10形式で披露しようかなとか。それをやると普通のライブでは考えられないようなセットリストになりそうなので、そこもドキドキしますね。
岡本 まだ企画段階なんですけど、ただライブをやるだけじゃなく、皆さんと楽しめるコーナーもやりたいなって。半券を使って抽選するプレゼントタイムとか、もっと僕たちを近くに感じてもらえるようなイベントにしたいですね。
GARNET CROW「Nostalgia」
GARNET CROW LIVE DVD
「GARNET CROW livescope 2012 ~the tales of memories~」
- ニューシングル「Nostalgia」 / 2012年9月26日発売 / GIZA
- 初回限定盤 [CD+DVD] / 1365円 / GZCA-7168
- 通常盤 [CD] / 1260円 / GZCA-4136
CD収録曲
- Nostalgia
- 風の中のオルゴール
- Happy swallow(通常盤のみ収録)
- Nostalgia -instrumental-
初回限定盤DVD収録内容
- 「Nostalgia」ビデオクリップ
DISC 1収録内容
- Misty Mystery
- Rhythm
- 創世記I
- Naked Story
- メモリーズ
- 夜深けの流星達
- Go For It
- 英雄
- 静寂の concerto
- 涙のイエスタデー
- 君 連れ去る時の訪れを
- 海鳴り
- nonsense
- ロンリーナイト
- wish★
- 廻り道
- live
- Fall in Life ~Hallelujah~
- Smiley Nation
- JUDY
- 今宵エデンの片隅で
- スパイラル
DISC 2収録内容
- 一緒に暮らそう
(「GARNET CROW Special Countdown Live 2011-2012」より) - Smiley Nation
(「GARNET CROW Special Countdown Live 2011-2012」より) - ロンリーナイト
(「GARNET CROW Special Countdown Live 2011-2012」より)
GARNET CROW(がーねっとくろう)
中村由利(Vo, Songwriting)、AZUKI 七(Lyrics, Key)、古井弘人(Arrange, Key)、岡本仁志(G)からなる音楽クリエイター集団。全楽曲の作曲を中村が、作詞をAZUKI 七が手がけている。2000年3月にシングル「Mysterious Eyes」「君の家に着くまでずっと走ってゆく」の2タイトル同時発売でデビュー。デビュー直後は制作およびリリースのみに専念していたが、2002年10月からはライブ活動を開始する。その後も順調にリリースを重ね、2010年にはデビュー10周年を記念してベストアルバム「THE BEST History of GARNET CROW at the crest...」を発表。2012年2月にはカップリングベストアルバム「GOODBYE LONELY ~Bside collection~」を発売し、9月にニューシングル「Nostalgia」とライブDVD「GARNET CROW livescope 2012 ~the tales of memories~」を同時リリース。