ナタリー PowerPush - GARNET CROW
みんなを笑顔にするナンバー「Smiley Nation」完成
ニューシングル「Smiley Nation」、ライブDVD「GARNET CROW livescope 2009 ~夜明けのSoul~」「GARNET CROW livescope 2010+ ~welcome to the parallel universe!~」という3タイトル同時リリースで、2011年の活動を華々しくスタートさせるGARNET CROW。
新曲「Smiley Nation」は、昨年末リリースのアルバム「parallel universe」の流れを汲んだ、聴き手の笑顔を誘う明るくハジけたアッパーチューン。一方、カップリングには切なさやはかなさをたたえたミディアムナンバー「八月の夜」を収録している。また、2つのライブDVDにはそれぞれ彼らの“陰”と“陽”を感じさせるパフォーマンスが収められている。このように、今回リリースされる作品群は、GARNET CROWというバンドが持つ対極とも言える2つの魅力をまざまざと映し出す内容に仕上がった。
デビュー10周年イヤーを経た今もなおハッピーな気分が終わらないというメンバーを代表して、ボーカルの中村由利に、それぞれの作品について話を訊いた。
取材・文/もりひでゆき
「Smiley Nation」はすごいパワーを持ってる曲
──新曲の「Smiley Nation」は、昨年12月にリリースされたアルバム「parallel universe」に満ちていた開放的で明るいテイストと同軸にある曲ですね。
そうですね。この曲は去年に作ったんですけど、去年はデビュー10周年のアニバーサリーイヤーとしてライブやイベントがすごく多くて、ファンの皆さんとお会いできる機会も多かったんです。そこですごく元気やパワーをもらうことができたので、それを消化、還元して、今度は皆さんを元気にできるような明るく抜けのいい曲を、と思って作りました。
──制作したのはアルバムと同時期なんですか?
同じぐらいに作ってはいましたね。なので去年の4月にリリースした「Over Drive」の流れをもう少し掘り下げてみた感じです。シングルとアルバムという差はありますけど、「Over Drive」「parallel universe」「Smiley Nation」は、ハッピーオーラをまとった3部作チックなイメージというか。
──本作はタイトルどおり、ホントに笑顔を誘う曲ですもんね。
この曲はすごいパワーを持ってますよね。“陽”のパワーがすごくあるので、聴いてるとみんなホントに笑顔になってくれるんじゃないかな。だから、歌うときもこのパワーに負けないようにって思うので、結構エネルギーがいるんです。
──イントロのピアノでテンションがグッと上がりました。
頭からグリッサンドですからね。もういきなりテンションマックス(笑)。
──あとサビ頭の中村さんの掛け声。あれがいいんですよー。
アハハハ、あそこですか!(笑) 思わず出ちゃったんですよね。あそこで駆けあがってジャンプするみたいな、そういう勢いのとっかかりみたいなイメージで。メロディではないし、歌詞にもないんですけど、ついついね(笑)。
──それをそのまま活かして大正解だと思います。
違和感はなかったので(笑)。思わず出たっていうことは、そっちのほうが曲としても気持ちいいんだろうなとも思いましたしね。
アップテンポで前向きに笑顔になれる音楽をリリースしたかった
──こういうタイプの楽曲は、完成まで迷いがなさそうですよね。
うん、私も一気に曲を書き上げましたし、AZUKI(七)さんも今回は勢いをつけて詞を一気に書いたって言ってました。デモの段階で、メロディの持ってるポップさだったり軽快さだったりっていうところをすごく感じてくれたみたいで、アレンジもけっこう早かったですね。みんながパワーを込めて一気に作り上げたので、それだけギュッと濃縮されたものになっていると思うし、鮮度も保たれてると思います。非常にアグレッシブなインパクトのある、“動”のGARNET CROWというか。
──聴いているとカラダが動いてくる感覚もありますしね。
そうそう。しっぽり聴くんじゃなくて、ついついカラダを動かしたくなっちゃう、歌ってみたくなっちゃう、そういう曲になったと思います。そういうのって大事じゃないですか。カラダを動かせば心も健全になってくるし、心が健全になれば前向きな気持ちにもなれるし、前向きになれれば自然と笑顔になれるから。今のタイミングで、1人でも笑顔になれる人が多くなればいいかなと思って。
──あ、そういうタイミング的なことも今回のシングルリリースにおいて考えたところもありましたか?
やっぱり考えなくはなかったですよね。「今回のシングルはバラードで」っていう案もあったんですけど、でもやっぱり今はアップテンポで前向きに笑顔になれる音楽をリリースしたくて。震災で大変な思いをされている方がまだまだたくさんいらっしゃると思うので。
GARNET CROW(がーねっとくろう)
中村由利(Vo, Songwriting)、AZUKI 七(Lyrics, Key)、古井弘人(Arrange, Key)、岡本仁志(G)からなる音楽クリエイター集団。2000年3月にシングル「Mysterious Eyes」「君の家に着くまでずっと走ってゆく」の2タイトル同時発売でデビュー。全楽曲の作曲を中村が、作詞をAZUKI 七が手がけており、ファンタジックな作風とダークな色合いを持つサウンドスケープで、独特の世界観を確立している。デビュー直後は制作およびリリースのみに専念していたが、2002年10月に1stツアーを行い、その後活発なライブ活動を開始。2010年にはデビュー10周年を迎え、コンプリートベストアルバム「THE BEST History of GARNET CROW at the crest...」、シングル「Over Drive」を発表。さらに12月に、バンドの新しい一面を提示する最新アルバム「parallel universe」をリリース。