GANG PARADE「LOVE PARADE」インタビュー|メジャー1stアルバム完成 私たちは愛の化身になる

1桁から2桁になる重み、譲れない節目のコント

──10人になって、パフォーマンス面ではどういう変化がありましたか?

キャン・GP・マイカ

カミヤ 9人から10人になると1人増えたというだけでなく、1桁から2桁になったと考えると、大人数になってきたなと。9人では全員で一緒に踊る振り付けが多かったんですけど、今回のアルバムの曲は顕著で、曲によって例えば「このパートは5人だけ踊って、後ろは違うことをやる」とか、10人ならではのフォーメーションダンスの見せ場を作る機会が増えてきました。この人数だからこそできるパフォーマンスを追及しようと意識的に9人時代とは違う振り付けになっています。

月ノ 練習の仕方にも変化がありました。振り入れのとき、9人時代はサキさんとマイカさんが振り付けで、2人共フォーメーション、振り付けの内容を固めて事前に送ってくれて。ほかのメンバーはそれを見ながら振り入れしていく感じでした。今回のアルバムの曲ではサキさんもたぶん初めてやることが多くて、その場でサキさんが伝えながら合わせて、少しずつ変えていくことが多かったです。

──10人体制のお披露目の場となった5月26日の日比谷野外大音楽堂公演は、遊び人(ギャンパレファンの呼称)が野音いっぱいに集まっている光景が客席から見ても壮観でした(参照:新生GANG PARADE、5年で到達した満員の日比谷野音ワンマンで新たなスタート切る)。

月ノ 私は日比谷野音でのライブにすごく思い入れがあったので本当に忘れられないし、目に焼き付けないといけない景色だとステージ上で感じました。明るい時間から始まってどんどん夕方になって夜になっていく景色の移り変わりも野音ならではだったし、遊び人がグッズのリストバンド型のLEDライトを腕に付けていて、夜になるとそれがすごくキラキラして……忘れられない景色です。

──10人体制での初ライブとあって、準備などいろいろ大変だったのではないでしょうか。

テラシマユウカ

テラシマ 東阪野音ツアーの初日、大阪城音楽堂公演(5月19日開催)が9人体制のラストで、次の日から10人体制の日比谷野音公演に向けたリハをしていました。時間がなかったのでなかなか大変でしたね。

ココ 日比谷ではコントもあったし。

マイカ コントの件はいろいろ話し合ったよね。日比谷でコントをやることになってたんですけど、大阪のライブを振り返ってスタッフから「コントなしのほうがいいんじゃないか」という意見が出たんです。でも私たちは節目のライブでコントをやり続けてきたので、そこは譲りたくないという思いがあって。でもコントをやるにしてもどういうネタをやるのがいいかを含め、悩みましたね。

ココ リハーサルまでに台本を間に合わせなきゃいけないんですけど、大阪が終わった次の日にリハーサルだったのでコントの台本を考えるにしても「時間がないぞ」という状況で。

カミヤ コントを含め、ギャンパレならではのライブの雰囲気をどうやって作っているのか、ナルハになかなか直接伝えられなくて。ギャンパレがなぜコントをやるのかとか、いろいろ事前に話せたらよかったんですけど。

月ノ あのときは既存のメンバーよりもナルハが本当に大変そうでした。WAggとGANG PARADEの練習を両立していた時期なので。

──ギャンパレが大阪城音楽堂公演を行った日に、ナルハさんは埼玉・浦和ナルシスでWAgg卒業公演に出演してました(参照:WAgg、全力ライブでギャンパレ移籍のナルハワールドを送り出す)。浦和ナルシスで卒業公演に出演して、次のライブが日比谷野音というのもすごい話ですよね。

カミヤ WACK史上最大のお披露目ライブになりましたからね。

ナルハ めちゃくちゃ緊張してました!

──野音のステージに上がるまで、どう過ごしていたんですか?

ユイ・ガ・ドクソン

ドクソン ナルハはずっと私の横のイスに座ってたんですけど、鏡を見つめたままずっと動かなくなってて。

一同 (笑)。

ドクソン ずっと自分の顔をずっと真顔で見つめていて、大丈夫かなと思って声をかけてました。実際、ナルハは「大丈夫じゃない!」って状況だったらしくて(笑)。

カミヤ ドクは大丈夫だったの?

ドクソン 私は私でめっちゃ緊張しいなんですよ。ヤバいヤバいと思ってましたけど、ナルハがすごく思い詰めてたからそっちのほうが心配で。鏡を見つめて動かない人ってたぶん危ないですよね(笑)。

マイカ ナルハはどんな心境だった?

ナルハ リハーサルでステージに立って客席を見たときに「こんなに広いんだ」と思って。本番でここに立つことを意識したらより緊張感が増して(笑)。

ココ WAggの最後のステージとはキャパも違うし、野外だったしね。

マイカ でも本当に10人で最初の大舞台をやり切れて本当によかったです。

大忙しの夏

──ギャンパレは舞台「プレイハウス」で初の演技にも挑戦しました(参照:GANG PARADE初ミュージカル「プレイハウス」開幕、メンバーそれぞれ思い語る)。この夏は多忙の日々だったのでは?

ココ・パーティン・ココ

ココ この夏はかなり忙しかったです。ありがたいことに。

マイカ 会わない時間が数時間しかないってくらい、ずっと一緒だったよね。

ココ 「4時間後に会おうね」みたいな(笑)。

ユア 舞台の稽古にアルバムのレコーディングに……イベントにもたくさん出演させていただいて。

テラシマ 毎日5時起きみたいな時期もありました。大変そうな状態になってるみんなをひさしぶりに見て「なんとか乗り切らないと」って思いました。みんな「あー」ってなっていたから……。

ココ 口が半開きみたいな感じね(笑)。

ハルナ 稽古場に入ったらずっと目覚ましのアラームが鳴ってたので「誰かアラーム鳴りっぱなしだよ!」って叫んだんですけど、実際は鳴ってなかったなんてこともありました(笑)。

マイカ 朝は稽古だから絶対に起きなきゃみたいな状態が続いてたからかな。

カミヤ 「プレイハウス」を振り返ると、初日は特に緊張しました。

月ノ 未知の世界でしたね。個人的にはギャンパレ加入時のお披露目前の緊張に似てました。ステージから見える景色がどうなるか想像も付かなかったから、緊張よりも不安のほうが大きかったくらい。

カミヤ メンバーの中でも一番緊張してたのはたぶんヤマちゃん。セリフの量とか、立ち位置的に。

ヤママチミキ

ヤママチ 根本宗子さんが私を主軸に物語を書いてくださったので、あんまりセリフはないんですけど、わりとずっとステージの上にいる状態が続いていて。しゃべらない時間はどうしてたらいいんだろうとかわからないことがたくさんありました。

マイカ 確かに舞台裏であんまり会わなかったね。

ヤママチ 裏に行っても私はすぐに着替えて次の場面に備えることが多くてバタバタしていたから。歌はもちろん、セリフもディレクション通りにちゃんとやる必要もありましたし。けっこう「やらなきゃ、ああやらなきゃ」という気持ちで初日を迎えました。

──「プレイハウス」は根本さんのギャンパレ愛を感じる内容でしたね。

ユア すごく感じました。遊び人のみんなもそれを感じてくれたと思うし、舞台が好きで観てくれた人もギャンパレを好きになってくれるような内容にしてくれたので。

ドクソン ギャンパレのメンバーでパラレルワールドにいるみたいな気持ちでした。