GANG PARADE|9人体制になって最初で“LAST”のフルアルバム

WACKの社内事情をイメージした「HERETIC」

──カミヤさんは「HERETIC」で作詞を担当しています。

カミヤ 「HERETIC」は“異端者”という意味なんですけど、見た目的にも私にぴったり(笑)。デモのオケの段階で中国とか韓国の恋愛ドラマで使われていそうなサウンドだと思ったので、恋愛要素を含めた歌詞を書きたいと思っていたんですが、けっこう難産でした。なかなか歌詞ができないときにマネージャーから「歌詞書いて!」と催促されたので、「マネージャーをテーマにしてみよう」とふと思いまして(笑)。で、WACKの社員さんとかインターンの人とかが渡辺さんのことを思う歌になりました。

月ノ それを知ってから歌詞を読むとまた違ったイメージが浮かぶ(笑)。

カミヤ 読んでくれたら恋愛にも当てはまるし、その方向で感情移入できると思うんですけど、結果的にモデルになったのは渡辺さんと社員さんです(笑)。2番のAメロ「あの人の心 理解できない 朝焼け 昨夜を 投影」は飲み会が夜遅くまで続いたときの気持ちですね(笑)。

月ノ その状況を歌詞に詰め込むのがすごいです。

ドクソン サキちゃんと渡辺さんの2人でも当てはまるね。

カミヤ 「衝突 波乱波乱 増えてく」とか?(笑) こういう変わった切り口の歌詞を「来了」(2018年5月発売のシングル「GANG 2」カップリング曲)みたいなクセのある歌い方で歌っているので、やっぱりこの曲は異端ですね。

──歌詞が決まる前から歌い方の方向性は見えていたんですか?

テラシマ 仮歌の段階でクセのある状態だったので、「こうやって歌うんやな」ってみんな思ってました。だから歌詞を考えるのが大変で。

月ノ 一番時間をかけてレコーディングしました。

テラシマ 歌っていくうちにどこまで振り切っていいのかわからなくなって、みんな暴走気味になって。

ココ どんどんヒートアップしていったからね(笑)。耳から受ける衝撃がすごいと思うんですよ。Twitterに「ある曲で我慢できなくなって電車の中で笑いが堪えられんかった」と思わず書いてしまったのがこの曲です。

ヤママチ 愛情を“エジョン”って韓国語読みにしてるんですけど、落ちサビだけ素直に“あいじょう”って日本語になって、歌い方もそこだけ普通なのもフックになっています。

左からココ・パーティン・ココ、テラシマユウカ、ヤママチミキ。

左からココ・パーティン・ココ、テラシマユウカ、ヤママチミキ。

2018年に起こったできごとを振り返る

──続いて、「BREAKING THE ROAD」は現体制で再録されたバージョンで、このシングルが出た2018年2月はまだ月ノさんもハルナさんの加入前でした。ここで2018年の体制が変わる時期からの出来事をいくつか振り返っていただければと思います。

ハルナ その頃はオーディションに応募してたけど、まだどうなるかわからないタイミングでした。

──またギャンパレ自体はカミヤさんとアヤさんがレンタルトレード中という時期でした。

カミヤ ちょうど、私がBiSからギャンパレに戻るための準備をしていた時期でもあるんですよね。

ココ 「BREAKING THE ROAD」はアヤがいる体制で出したシングルですけど、実際アヤと一緒にステージで披露した回数はほんの10回くらいでした。

ヤママチ 表向きにはアヤがいる編成で活動をしてたけど、合間にサキちゃんとお話をしたり、一緒に練習をしたりしてました。

テラシマ 正直言うと、「あんまよくわからない時期」って感じ(笑)。アヤがいる体制で出した曲だけど、今の体制の準備もしていたし。

カミヤ 当時からこの歌詞にどういう意味が込められているんだろうと考えてました。「形違えど WE ARE THE ONE 見てるもの一緒!!」というフレーズは以前の体制のミュージックビデオが公開されたタイミングで刺さってきて。アヤを送り出す意味だろうと思ったし、自分からしたらレンタルトレード中に在籍していたBiSからギャンパレに戻ることで状況は変わるけど、私はまた一緒にやっていくんだという意味で捉えてました。

──3月にお台場でカミヤさんのBiSとして最後のステージがあり、その翌日には両国国技館でのプー・ルイさん卒業公演が行われました。あの日はアヤさんの出番が一番多かったんですよね(参照:BiS、お台場で現体制最後のフリーライブ「BiSの曲は呪いではなく、魔法でした」 / 「BiSは私の人生の一番の汚点であり、誇りです」BiSからプー・ルイ卒業&新体制スタート)。

カミヤ アヤは両国のステージで私のBiS衣装を着ていたんで、つんつるてんでしたね(笑)。

一同 ははは(笑)。

GANG PARADE

──カミヤさんはレンタルトレード終了から時間が経った今、改めてレンタルトレードの意義について思うことはありますか?

カミヤ 前のほうが悪い意味で盲目だったと思います。「GANG PARADEは自分のもの」という感覚がレンタルトレード前は強かったので。帰ってきたときは、いい意味でそういう所有欲がなくなりました。それはきっとトレード中にアヤのいるギャンパレを見て、みんながどういう気持ちでギャンパレを作りたいのかを客観的に観察することで、「こういうギャンパレもいいな」と思えたから。

──「REBUILD TOUR」では、9人でのチーム力がより強まった印象もありました。

ヤママチ 確かにあのツアーは自分たちの成長を考えると、大きな意味がありました。

──ココさんは2018年初夏に足を怪我してしまい、しばらくは固定位置でパフォーマンスをしていた時期がありましたね。大変な時期だったと思いますけど、メンバー同士、支え合っている様子が伺えました。

ココ 足に負担がかかるからできる動きは制限されていたし、何より動けない状況がそもそも苦手なのでウズウズして大変でした。限られたことしかできない状況だったので困りましたけど、お客さんの顔が見やすかったのと、メンバーが近寄ってきてくれたのでちゃんと9人でやっている姿勢が見せられてよかったです。電車の移動で席に座らせようとしてくれたし(笑)。

テラシマ でも優先席に連れていっても、なかなか席を譲ってもらえなかったのは驚きでした。「ココ、足痛いフリしてでも座ったほうが安全だよ」と小さく話しかけて。

ココ そんなこと言っちゃダメでしょ(笑)。

テラシマ でも私からしたらすごく心配で。足を怪我してるココが立ったまま電車に揺られてる状況が。踏まれたら終わりやから!

ドクソン 意外と譲ってくれないんだよねえ。席を必要としてそうな人がいたら一声かけるくらいはしていいんじゃないかなあって思いますよね。断られたらスッと引くくらいの感じで。優しくするにも勇気がいるなあ。