GANG PARADEが11月21日にニューアルバム「GANG PARADE takes themselves higher!!」をリリースする。7月に最新シングル「Beyond the Mountain」を発表し、5都市ツアーを成功させたほか、BiSとのツーマンツアーや、「TOKYO IDOL FESTIVAL 2017」「@JAM EXPO 2017」といった大型アイドルイベントなどで精力的なライブを展開してきた彼女たち。音楽ナタリーでは7人にインタビューを実施し、駆け抜けた夏以降の出来事を振り返ってもらったほか、所属プロダクション・WACKの他グループとのライブ競演やシャッフルユニットへの参加を通じて感じたこと、メンバーが作詞のみならず作曲でも携わったニューアルバムについて話を聞いた。
取材・文 / 古川朋久 撮影 / 西槇太一
ギャンパレで何も残せてないから今BiSには戻れない
──ニューアルバムのお話を聞く前に、前回行ったインタビュー(参照:GANG PARADE「Beyond the Mountain」インタビュー)からおよそ3カ月経過しているので、その間にギャンパレの中で起こったことをクローズアップしていきたいと思います。まずはアヤさん加入後の快進撃を象徴するように、今夏にはさまざまなフェスやイベントに出演されていましたね。
ユイ・ガ・ドクソン よく「勢いあるね!」とは言われるんですけど、自分たちでは本当に勢いがあるのかがわからなくて。いろんなフェスに出させていただいても、とにかく「やるしか! やるしか! やるしか!」って感じ。なので自分たちとしてはもっと目に見えるような勢いを出さないとと思いながらこの夏はやってました。
ユメノユア 「SUMMER SONIC 2017」にも出演はできましたけど、アイドルだけが集まる「IDOL SONIC」というステージだったので、個人的には悔しい思いがありました。私たちもほかのアーティストさんが出演するステージに立ちたい気持ちはあったので、サマソニに出演した喜びよりもまだまだがんばらないとという気持ちのほうが強かったです。
ココ・パーティン・ココ とは言えサマソニさんからお呼びがかかったというのは大きなことだったので、それはすごくうれしかったですよ。そのうえで「次回はほかのステージに出たい」という思いが強くなりました。
──大型アイドルフェスとしては「TOKYO IDOL FESTIVAL 2017」と「@JAM EXPO 2017」の2つに出演しました。WACK所属グループとしてはこの2つに出演したのはギャンパレだけでした。アイドルフェスはたくさんのアイドルファンが集まりますし、皆さんとしてもアピールの場として気合いが入るんじゃないかと思うのですが、いかがでしたか?
ココ 大型アイドルフェスはいつもの対バンイベントよりも身が引き締まりますね。特に「@JAM EXPO 2017」ではステージのトリを用意していただけて、たくさんのオーディエンスの前でしっかりしたパフォーマンスを見せることができたのも私たちとしてはうれしかったです。
テラシマユウカ そういったフェスで結果を出せたこともあって、夏以降は新しいファンの人が増えてきた実感があります。
──そんな中、カミヤサキ(BiS)さんとアヤさんのレンタルトレード期間が無期限延長になることが発表されました。これについてアヤさん本人としてはどう感じました?
アヤ・エイトプリンス 8月6日に赤坂BLITZ(現マイナビBLITZ赤坂)で行われたBiSHとGANG PARADEのツーマンライブ「SORRY!! NEXT BiS ONEMAN is 10.6!!」の楽屋で、その日にレンタルトレードが無期限延長になることを知らされて(参照:BiSとギャンパレがツーマンツアー開催、アヤ&カミヤサキのレンタルトレードは無期限延長)。そのときは正直ちょっと安心しました。今のままでBiSに戻っても私はまだギャンパレで何も残せてないと思っていたから。だからこのタイミングで戻るのは違うなと。もし渡辺(淳之介 / WACK代表)さんに戻ってと言われても素直に喜べなかったと思う。
キャン・マイカ 私たちも普通にさらっと聞かされて、そのときは深くは考えられなかったんですけど、でもそれって限られたレンタルトレードの期間中にGANG PARADE自体が何も残せてないってことだよなって。だからアヤが残ってくれてうれしい気持ちと、何も残せてない自分たちに対する悔しい気持ちの両方がありました。
ココ トレードってアヤとサキちゃんの2人だけの問題じゃないんですよ。トレード後のBiSとギャンパレがどうやって変わっていくかということにトレードの大きな意味があって。だから無期限延長になったのは私たちにも問題があるんだろうなって受け止めました。渡辺さんからはグループとしての大きな変化をもっと期待されていたんだろうなって。5カ月の間ではそれができなかったから、アヤがいることの意味をもっと考えて、それを利用するくらい大胆なことを考えていかないとダメなんだろうなって気付くことができました。
みんなで楽しい空間を作っていくのがギャンパレのライブ
──それぞれのグループが期間延長の意味を考えている中、BiSとギャンパレのツーマンツアー「HELL!! CLASH!! BREAK!! TOUR」が10月に開幕しました。もちろんライブ中の熱量やフロアの盛り上がりも素晴らしかったんですけど、もっとバチバチ感のあるツーマンを想像していたので「WACK所属の仲間同士でのツーマン」みたいな雰囲気は若干想定外でした。
ユア 今回のツーマンって、ギャンパレのためにあると言っても過言ではないくらいうちらにメリットがあるツアーで、全国の研究員(BiSファンの総称)の皆さんに私たちをアピールする絶好の機会だったんですよ。だからツアー初日の広島は私たちもちょっと構えちゃって負けたくないっていう気持ちが突っ走って対決モードになっちゃったんです。でもその日のライブが終わってから、それは違うなって思い直して。ギャンパレはライブを“みんなの遊び場”というコンセプトでやってるので、BiSとツーマンをやっていても、それをちゃんと伝えることが大事だって気付いたんです。そこからはツーマンを通じて遊び人(GANG PARADEファンの総称)を増やすことをテーマにしていきました。
ドクソン メンバーみんな気持ち的に熱くて、対バンライブだと「誰にも負けねえぞ!」という気合いの入った戦闘モードになっちゃうんですよ。ライブは完全に戦場(いくさば)でしたから。今まではそれがいいと思ってたんですけど、でもまずはライブでお客さんに楽しんでもらわないといけないよねということに気付いて。
ココ 夏の大きなライブがひと通り終わったあと、緊張の糸が切れたのかメンバーとの気持ちが合わなくなっちゃった時期があって。そんなこともあったので原点に立ち返って、もっとお客さんと遊べる楽しい空間を作っていきたいというのを意識してライブしていきたいよねって話し合いました。
マイカ みんなが主役で、みんなで1つの空間を作っていくのがギャンパレじゃん、ってことを話してね。
──それでBiSとのツーマンから気合い一辺倒ではないギャンパレのライブを見せていくと決めて。ライブの合間にコントを挟んでいるのもその施策の1つですね。
マイカ あのコントもみんなで台本を考えてます。前回の「Beyond the Mountain」のリリースツアー中にもやってみたんですけど、そのときは渡辺さんがコントの内容を考えてくれてて。今回は公演ごとにセットリストも含めてコントの内容も全部メンバーで考えてます。
ユア このツアーにおいてコントはすごく重要。
ドクソン ギャンパレの楽しさを一番出せるコンテンツかもしれない(笑)。毎回内容を変えて、何かの役になりきってます。
ココ 今回のコントはギャンパレの個人の性格を知ってもらうためと言うよりも、うちらがどれだけ殻を破れるか、ご当地のネタを織り交ぜてどれだけ楽しんでもらえるのかがテーマでした。
ドクソン BiSの「nerve」ってキラーチューンだし、ライブでやるとすごく盛り上がるじゃないですか。私たちのライブのあとに「nerve」を出されると全部持っていかれてしまうような気がしてて。だからいかに私たちが衝撃を残すか、みたいな戦いになってるんですよ。
──コントで衝撃を残すんですか? 楽曲ではなく?(笑)
ココ もうどんな手を使ってでも衝撃を残せればいいんじゃないかって(笑)。でも私たちも「Plastic 2 Mercy」をライブでたくさんやって育てている最中なんです。今年の「TOKYO IDOL FESTIVAL 2017」のステージではこの曲を3連発してインパクトを残せたと思いますし。まだ「nerve」には匹敵しないかもしれないですけど、楽曲でも衝撃を残していけるようになりたいですね。
──BiSのライブを近くで観て、得るものもあったんじゃないかと思いますが、どうですか?
ドクソン BiSのメンバーの成長も感じられるし、ライブは観どころがたくさんあったので、いろいろ探りながら観てました。
ココ サキちゃんがBiSにいるからどうこう、みたいなのはもはやないですね。ただ今回のツーマンツアーで巡った都市は、BiSは以前行ってるけど私たちは初という場所ばかりなので、そういうアドバンテージってあるんだなと痛感しました。
次のページ »
BiSHの2人から奪えるものは奪おうと思った
- GANG PARADE「GANG PARADE takes themselves higher!!」
- 2017年11月21日発売 / T-Palette Records
-
[CD]
3240円 / TPRC-0187
- 収録曲
-
- イミナイウタ
[作詞:松隈ケンタ × 竜宮寺育 / 作曲:松隈ケンタ] - GANG PARADE
[作詞:GANG PARADE!! × 松隈ケンタ × JxSxK / 作曲:松隈ケンタ] - Are you kidding?
[作詞:テラシマユウカ / 作曲:oki you-oh] - 普通の日常
[作詞:竜宮寺育 / 作曲:ユメノユア] - FOUL
[作詞:GANG PARADE!! / 作曲:松隈ケンタ] - I need you I love you I want you
[作詞:テラシマユウカ / 作曲:松隈ケンタ] - Plastic 2 Mercy
[作詞:プラニメ / 作曲:松隈ケンタ] - TIE
[作詞:ユイ・ガ・ドクソン / 作曲:some] - Beyond the Mountain
[作詞:GANG PARADE!! × 松隈ケンタ × JxSxK / 作曲:松隈ケンタ] - CAR RADIO
[作詞:松隈ケンタ × JxSxK / 作曲:松隈ケンタ]
- イミナイウタ
- V.A.「WACK & SCRAMBLES WORKS」
- 2017年11月21日発売 / T-Palette Records
-
CD+DVD盤 [CD+DVD]
4860円 / AVCD-93764/B -
CD盤 [CD]
3240円 / AVCD-93765
- CD収録曲
-
- スパーク(オリジナル:BiSH) / beat mints boyz a.k.a. 松隈ケンタ×JxSxK
- オーケストラ(オリジナル:BiSH) / カミヤサキ、ゴ・ジーラ、ももらんど(BiS)&ヤママチミキ、ココ・パーティン・ココ、アヤ・エイトプリンス(GANG PARADE)
- gives(オリジナル:BiS) / アイナ・ジ・エンド、セントチヒロ・チッチ、リンリン(BiSH)&キャン・マイカ、ユイ・ガ・ドクソン、テラシマユウカ(GANG PARADE)
- Nerve(オリジナル:BiS) / BiS、BiSH、GANG PARADE、EMPiRE
- Plastic 2 Mercy(オリジナル:GANG PARADE) / キカ・フロント・フロンタール、パン・ルナリーフィ(BiS)&アイナ・ジ・エンド、ハシヤスメ・アツコ、アユニ・D(BiSH)
- EMPiRE is COMiNG / EMPiRE
- WACK is FXXK / SAiNT SEX
- フライングヒューマノイド(オリジナル:中川翔子) / プー・ルイ、ペリ・ウブ(BiS)&モモコグミカンパニー、リンリン(BiSH)&ユメノユア、ヤママチミキ(GANG PARADE)
- ラバソー ~lover soul~(オリジナル:柴咲コウ) / セントチヒロ・チッチ(BiSH)&アヤ・エイトプリンス(GANG PARADE)
- 屋上の空 / Buzz72+ feat. アイナ・ジ・エンド(BiSH)
※CD+DVD盤のみ初回限定デジパック、WACKグループ総出演写真集(50P)付属
- GANG PARADE(ギャングパレード)
- ヤママチミキ、ユメノユア、キャン・マイカ、ココ・パーティン・ココ、テラシマユウカ、ユイ・ガ・ドクソン、BiSから無期限レンタル移籍中のアヤ・エイトプリンスの7人からなるアイドルグループ。2014年に現BiSのカミヤサキと元いずこねこのミズタマリにより結成されたプラニメが前身ユニットで、ミズタマリ脱退後、2015年にPOPに改名しメンバーを追加。2016年6月にGANG PARADEに再び改名し、10月にキャン・マイカと元SiSメンバーのテラシマユウカ、ユイ・ガ・ドクソン、ココ・パーティン・ココが加入し現体制に。2017年3月末から4月に行われたWACK所属グループによる合同合宿にて、GANG PARADEからカミヤサキがBiSに、BiSからはアヤ・エイトプリンスがGANG PARADEにレンタルトレードという形で移籍することが発表された。7月25日に新体制初のシングル「Beyond the Mountain」を発表し、同月に5都市を巡るツアーを開催した。11月にニューアルバム「GANG PARADE takes themselves higher!!」をリリース。精力的なライブ活動を行っており、12月には所属事務所のWACK主催によるライブイベント「WACKのフェス。」への出演を控えている。