音楽ナタリー PowerPush - Gacharic Spin
バカテク+限界パフォーマンス! 異色ガールズエンタメ集団
バンドの枠からどんどんはみ出す
──強烈な個性を持った6人からなるGacharic Spin、かなり面白いです。そもそもバンドにパフォーマーが存在するスタイル自体が異色ですよね。
KOGA そうですね。ありそうでなかった、とはよく言われます。
はな 踊るだけのダンサーがいるバンドならほかにも例はあるのかもしれないけど、うちはあくまでもダンサーではなくパフォーマーですからね。ダンスはもちろん、ライブ中にキーボードを背負ったりとか、ローディみたいなことをやったりとか(笑)、そういうのも全部ひっくるめてパフォーマンスにしちゃってるんで。ほかにはないタイプのバンドだと思います。
──もともと純粋なバンドスタイルで活動していたGacharic Spinが、ガチャガチャダンサーズをメンバーに加えて丸2年が経ちました。
KOGA 2012年にセンターボーカルの子が脱退してしまったときに、はなとオレオのツインボーカルでバンドを継続させることにしたんですけど、言っても2人は楽器を演奏してるから手がふさがっちゃってて、それを補うためのアイデアが必要だったんです。例えばニューハーフの人にMCのときだけ出てきてもらったらどうだろうとか、マジシャンやってる子と曲中でコラボしてもいいかもなとか、いろんな案が出る中で最終的にはダンスがしっかりできるパフォーマーを入れることで落ち着いたんですよね。バンドの枠からどんどんはみ出していこう、みたいなテーマのもとに。
──でも珍しいスタイルですからね、けっこう見せ方は苦労されたんじゃないですか?
はな そうですね。バンドとパフォーマーの押し引きが難しいというか。お客さんの目線が全部パフォーマンスにいってしまうと、歌や演奏をちゃんと聴いてもらえなくなったりしますから。そのバランスは自分たちの中で試行錯誤を続けながら見つけていった感じで。
KOGA 最初の頃はライブをビデオに録って、繰り返し見せ方を練っていましたね。「この曲の2番ではちょっとパフォーマーは下がろう」とか、「この曲は踊らないで小道具を使って見せよう」とか、いろんなパターンを見つけていって。案外「なんでもやっちゃえ!」っていう精神でやってきたからこそ、結果的にバンドとしてできることも広がったし、間口も増えたんじゃないかなって思います。このスタイルこそがGacharic Spinの武器だなって、明確に思えるようになったというか。
──ガチャガチャダンサーズの2人は、Gacharic Spinに参加してパフォーマンスすることをどう感じていますか?
まい Gacharic Spinのサウンドで踊ることに関してはまったく違和感はなかったんですけど、ライブで煽りとかヘドバンとかをやらなきゃいけないのが最初は大変でした。ただ、そこで味わえるお客さんとの一体感は、それまでダンスだけをやっていたときには感じられなかったものなので、すごく楽しくって。いろんなカツラをかぶれたりするのもうれしいです(笑)。
ありさ いろんな小道具を自分で作るのが楽しいです! 段ボールを集めて、ガムテープで補強してから切って、みたいな。
TOMO-ZO 「DJまい」っていうパフォーマンスがあるんですけど、ありさはレコード役で登場するんです(笑)。そのDJブースとかレコードを段ボールで自作したんだよね。
KOGA しかも、そのパフォーマンスが出てくるのはめちゃくちゃ激しくてカッコいい曲なんです(笑)。普通のバンドさんなら「いらないよね」って絶対なるところを、Gacharic Spinはあえて入れていくっていう。その面白さはぜひ一度体験してみてほしいなって思いますね。
ガールズバンドとは思えない曲
──で、今回メジャー1stシングルがリリースされるわけですが、なんとGacharic Spinの「赤裸ライアー」とガチャガチャダンサーズの「溶けないCANDY」が両A面という仕様で。
KOGA まさかのスプリットシングルということで。ジャケットもGacharic Spinバージョンとガチャガチャダンサーズバージョンがあって、その売り上げで勝負することになってるんですよ。もしダンサーズのほうが売れたら、ダンサーズ単独名義でシングルが出せるっていうご褒美が用意されてます。なので、まいとありさは本気でインストアイベントをしまくってるという(笑)。
まい がんばってます!
──「赤裸ライアー」はかなりハードなロックナンバーですね。
はな ゴリゴリの演奏でメンバーそれぞれの見せ場をしっかり取り込めたと思います。メジャー進出した自分たちの“自己紹介ナンバー”とも言える、攻撃的な曲になったかなって。
TOMO-ZO かなり男らしい、ガールズバンドとは思えない曲になったのがよかったと思います。
オレオ みんなで書いた歌詞もいいんですよ。韻を踏んでいくサビの「官能堪能~」のところが私は特に好き。今までガチャピンはそういうことあんまり書いたことなかったので。あとはソロもがんばりました。「ほんとは弾けないんじゃないか」って思ってる人もいるみたいなんで(笑)、「弾けるんだぞ」っていうところをしっかり見せてやろうと。
KOGA CDを聴いて楽しんでもらうのはもちろん、Gacharic Spinは目で観て楽しむバンドでもあるので、ぜひPVにも注目してもらいたいですね。歌舞伎的な要素を盛り込んだ斬新な内容になっているので。
渋公では小道具に注目!?
──一方の「溶けないCANDY」は非常にかわいらしいダンスポップチューンです。
まい はい。テレビアニメ「テンカイナイト」のエンディングテーマになってます。ガチャガチャダンサーズとしては初めての曲なんですけど、Gacharic Spinよりも先にタイアップが付きました!
はな なんでだよっていう感じですよね。しかもそれをいちいち言ってくるのが憎たらしいっていう(笑)。
──ありささん、曲の印象はどうですか?
ありさ プリティー、キュートー!
一同 ………。
オレオ あんた家帰ったら反省会だかんね!
まい この曲はGacharic Spinとの差別化という意味で、とにかくキュートでキャッチーな仕上がりにしてもらいました。ファンの方に「1回聴いただけで口ずさめる」って言ってもらえるのがうれしいですね。
──売上勝負の行方も気になるところですが、本作のリリース後には全国ツアーも決定していますね。ファイナルは5月3日の初の渋谷公会堂ワンマンです。
KOGA はい。Gacharic Spinは目標や試練をどんどんクリアすることでここまで来れたところがあるので、今はとにかく渋公に向けてツアーを成功させなきゃなって思ってます。このシングルをきっかけに、新しい人たちがたくさんライブに来てくれたらうれしいですね。
──じゃあ最後に、ありささん。渋公への意気込みをビシッとお願いします。
ありさ 小道具お楽しみにー!
オレオ バンドなのに小道具お楽しみにってどういうことだよ!
- メジャーデビューシングル「赤裸ライアー / 溶けないCANDY」 / 2015年2月25日発売 / Victor Entertainment
- Type A [CD+DVD] / 1800円 / VIZL-774
- Type B [CD+DVD] / 1800円 / VIZL-775
- Type C [CD] / 1000円 / VICL-37013
- 通常盤 [CD] / 1400円 / VICL-37014
Type A CD収録曲
- 赤裸ライアー
- 溶けないCANDY
- 赤裸ライアー(Inst.)
Type A DVD収録内容
- Gacharic Spin「赤裸ライアー」ミュージックビデオ&メイキング
TypeB CD収録曲
- 溶けないCANDY
- 赤裸ライアー
- 溶けないCANDY(Inst.)
Type B DVD収録内容
- ガチャガチャダンサーズ「溶けないCANDY」ミュージックビデオ&メイキング
TypeC収録曲
- 溶けないCANDY
- 赤裸ライアー
通常盤収録曲
- 赤裸ライアー
- 溶けないCANDY
- ヌーディリズム(LIVE VERSION 2014)
「赤裸ライアー」ツアー
- 2015年3月1日(日)埼玉県 西川口Hearts
- 2015年3月7日(土)新潟県 CLUB RIVERST
- 2015年3月15日(日)山口県 TIKI-TA
- 2015年3月21日(土・祝)長野県 LIVE HOUSE J
- 2015年3月22日(日)石川県 vanvan V4
- 2015年3月24日(火)東京都 The Play House
- 2015年3月29日(日)宮城県 HooK SENDAI
- 2015年4月4日(土)北海道 Sound Lab mole
- 2015年4月5日(日)北海道 CASINO DRIVE
- 2015年4月9日(木)千葉県 KASHIWA PALOOZA
- 2015年4月11日(土)福岡県 BEAT STATION
- 2015年4月12日(日)広島県 ナミキジャンクション
- 2015年4月17日(金)大阪府 umeda AKASO
- 2015年4月19日(日)愛知県 ElectricLadyLand
- 2015年4月24日(金)神奈川県 Thunder Snake ATSUGI
- 2015年5月3日(日・祝)東京都 渋谷公会堂
Gacharic Spin(ガチャリックスピン)
2009年に結成されたガールスバンド。メンバーはF チョッパー KOGA(B)、はな(Vo, Dr)、TOMO-ZO(G)、オレオレオナ(Vo, Key)、まい(Performer1号)、ありさ(Performer2号)の6人構成で、2013年よりこの編成で活動している。はなの力強い歌声と、レオナの哀愁漂う歌声が織り成すツインボーカルやにぎやかなバンドサウンド、ハイボルテージなライブパフォーマンスが魅力。KOGA、はな、TOMO-ZOはそれぞれ教則DVDを発表するなど高い演奏力を誇る。2010年3月に1stシングル「Lock On!!」を発表し、2011年5月にミニアルバム「Virgin-A」を発表。国内外でライブを行っており、ワールドワイドに活躍している。2014年10月にベストアルバム「ガチャっとBEST<2010-2014>」をビクターエンタテインメントからリリース。2015年2月にメジャー第1弾シングル「赤裸ライアー / 溶けないCANDY」を発表した。