音楽ナタリー Power Push - GOOD4NOTHING × ANDREW
合言葉は“入った”!波長が合いすぎるバンドマンとエンジニア
GOOD4NOTHINGがニューシングル「NIGHT」を10月12日にリリースする。このシングルは7月に発売した「DAY」との連動作で、明るい楽曲を収めた「DAY」と対照的に、切ない楽曲が収録されたシングルとなっている。
音楽ナタリーでは「DAY」と「NIGHT」のリリースを祝して、GOOD4NOTHINGのU-TAN(Vo, G)とMAKKIN(B)、彼らのライブPAおよびレコーディングのエンジニアリングを担当しているANDREW(FUCK YOU HEROES、BBQ CHICKENS、FULLSCRATCH、RISE)による座談会を実施。2組の出会いや、近くにいるからこそわかる互いの魅力などを聞いた。
取材・文 / 小林千絵 撮影 / EL CURI-NHO 取材協力 / Buddy Buddy
話さなくても通じちゃう仲
ANDREW 改めてこうやって話すの照れるね。普段は真面目な話なんてしないから。音のことなんて、話さなくても通じちゃうっていうかさ。
MAKKIN(B) うん、「今の“入った”ね!」って(笑)。
U-TAN(Vo, G) 最初にイメージをちょっと伝えて、曲を聴いてもらったらもう「はいはい」って。
ANDREW 世代が一緒ってのもあるし、聴いてきた音楽もかなり近いからねえ。付き合いも長いし。出会ったのは15年前くらいだよね。
MAKKIN もともとANDREWは新宿のACB HALLで働いてたから、そのときにPAをやってもらったのが始まり。
ANDREW そうそう。当時パンクロックのバンドが出る日は俺がPAをやってたの。だからGOOD4NOTHINGももちろんよく担当してて。バンドからしたら「あの人またいるわ」って思ってただろうし、俺も「また来たわ」って思ってた。
MAKKIN ACBにちょこちょこ行くようになって、でもまだそんなに会話もしてない頃、ライブ終わったらANDREWが興奮した様子で楽屋に「今日むっちゃライブよかったよ」って言いに来てくれたことがあったんだけど「……MAKKINのコーラス以外」って言われた(笑)。ANDREWは覚えてないって言うんだけど、俺はめちゃくちゃヘコんだから忘れられへん(笑)。
ANDREW その頃「エンジニアたるものは、エンジニア席に座ってどんと構えてるもんだ」と思ってて。でも、その日のGOOD4NOTHINGのライブはよすぎて、興奮して楽屋まで行っちゃった。で、「よかったら聴いてよ」って言って、FUCK YOU HEROESのデモカセットテープを渡したんだよね。それは覚えてるんだけど(笑)。当時からGOOD4NOTHINGのPAはやってて楽しかったんだよなあ。やりがいがあった。
1分半の転換
ANDREW でもそこから6、7年は絡みがなくなるんだよね。ACBのときもただのライブハウスPAとして、来たら担当するっていうだけで、GOOD4NOTHINGの専属ってわけじゃなかったし。だからそのあとは、会えば話すけど仕事で絡むことはなくって。
U-TAN で、ひさしぶりにライブPAをお願いしたのが7年くらい前の「MONSTER baSH」。俺ら的に1段階上の音を目指したいって思ってて、「ANDREWにお願いしてみいひん?」って話になって。その「MONSTER baSH」さ、前のバンドが押してたかなんかで、俺らの転換時間が5分しかなかったやねんな。
ANDREW そうそう。「転換が5分しかないです」って言われて、「じゃあ5分でやってやろうぜ!」って言って。
U-TAN 結果、1分半くらいで終わったよな。
ANDREW 一瞬で終わらせて、関係者がみんな驚いてた。そこからずっとGOOD4NOTHINGのライブPAを担当してる。
U-TAN その時点で“入って”たよね。
ANDREW そうだね。
MAKKIN 波長が合うんやろうな。
ANDREW まあ俺はGOOD4NOTHINGみたいなサウンドは得意だったから「絶対に俺がやったほうがいいよ」と実は思ってたんだけどね。ひさしぶりに一緒に音を出したらやっぱりかっけーなって思って、それは今でも変わらないかな。
レコーディングエンジニアの最初はマッキン&来来キョンシーズ
ANDREW で、一緒にツアーも回るようになってくると、「CDのレコーディングもやりたいね」って話になって。タイミングが合ったのが、BBQ CHICKENS監修のオムニバスアルバム「Japanese Katana Soundtrack」でのマッキン&来来キョンシーズ(GOOD4NOTHINGの変名バンド)だよね。そこで俺は「こんなサウンドを作れるぜ」ってメンバーに聴かせることができたし、「このサウンドでGOOD4NOTHINGやったらカッコいいんじゃないか」って思わせる音が作れた。予想通りというか、それぞれが思い描いてた通りの音ができあがったよね。
MAKKIN うん。しかも俺らってそれまでレコーディングにすごく時間がかかってたんやけど、ANDREWとやるようになったら一瞬で。
U-TAN 俺らも欲しい音が明確やなかったんかもしれんな。でもANDREWの音を聴いた瞬間「“入った”な」って。
MAKKIN 説明はできへんけど“入った”っていう感覚があるねんな。
U-TAN 「キタキタキター」みたいなやつ。
ANDREW 「いい」と思う基準って人それぞれ違うと思うんだけど、“入った”って思う音は、誰が聞いてもいい音なんだなって思ってる。
次のページ » レコーディング終わりのバーベキュー
収録曲
- LOVE SAVES ALL
- FIGHTING ME
- Life Will Be Fun(Acoustic ver.)
- Calling My Name(Acoustic ver.)
収録曲
- SIGNAL
- THE DAYS
- It's My Paradise(Acoustic ver.)
- Maximize(Acoustic ver.)
GOOD4NOTHING「『NIGHT』 Release tour 2016」
- 2016年11月3日(木・祝)大分県 club SPOT
- 2016年11月4日(金)福岡県 Queblick
- 2016年11月12日(土)東京都 渋谷CLUB QUATTRO
- 2016年11月13日(日)宮城県 enn 2nd
- 2016年11月18日(金)北海道 KLUB COUNTER ACTION
- 2016年11月20日(日)青森県 八戸ROXX
- 2016年11月22日(火)新潟県 GOLDEN PIGS BLACK STAGE
- 2016年11月23日(水・祝)石川県 vanvanV4
- 2016年11月25日(金)愛知県 名古屋CLUB QUATTRO
- 2016年11月27日(日)広島県 CAVE-BE
- 2016年12月10日(土)香川県 DIME
- 2016年12月11日(日)愛媛県 Double-u studio
- 2016年12月17日(土)大阪府 梅田CLUB QUATTRO
GOOD4NOTHING(グッドフォーナッシング)
TANNY(Vo, G)、U-TAN(Vo, G)、MAKKIN(B)、SUNE(Dr)からなる関西在住のメロディックパンクバンド。2001年2月のマキシシングル「LET'S MAKE THE FUTURE」でのCDデビュー後、同年夏にリリースされた1stアルバム「GOOD 4 NOTHING」が1万枚のセールスを記録しその人気は全国区へ。2007年には「SUMMER SONIC 07」や「FUJI ROCK FESTIVAL '07」といった大型フェスの出演に加え、Madina Lakeとのシカゴツアーに参加。2010年には自身のレーベル「L.M.N.O.P.」を立ち上げ、アルバム「BACK 4 GOOD」を発表した。2012年1月にキャリアを総括したベストアルバム「GREATEST HITS!?」とニューシングル「RIGHT NOW」を同時発売。2013年3月には盟友THE CHINA WIFE MOTORSとともに、大阪・堺市にて主催フェス「SAKAI MEETING」をスタートさせた。2015年9月に通算10枚目のフルアルバム「KIDS AT PLAY」をリリース。2016年には7月に「DAY」、10月に「NIGHT」という連動シングルを発表する。
ANDREW(アンドリュー)
サウンドエンジニア。GOOD4NOTHINGやHOTSQUALL、THE CHERRY COKE$などのライブPAおよびレコーディングなどで手腕を発揮している。一方でドラマーとしてFUCK YOU HEROES、BBQ CHICKENS、FULLSCRATCH、RISEにも所属。インディーズレーベル「TIGHT RECORDS」の主宰者でもある。