ナタリー PowerPush - GOOD4NOTHING
アホでナンボ!? 超濃厚&痛快ショートチューン集
関西を代表するメロディックポップパンクバンドとして絶大な支持を得ているGOOD4NOTHING。キャリアを重ねるごとにサウンドの幅を広げ、充実した歌心を磨いてきた彼らだが、「It's shoooort time!!」と題された7枚目のアルバムは、彼らの作品の中でも異例の、そしてなんとも痛快な1枚となった。
タイトルどおり、短すぎるナンバーばかりが21曲ぎっちり詰まった20分ちょっとのショートチューンショータイム。「速い」ことにこだわりながら、真面目なこともアホなことも全力でやってしまうのがG4N流なのだ。
取材・文/石井恵梨子
みんながやりそうでやらないことをしたい
──ナタリー初登場ですが、バンドとしてのキャリアは長いですよね。
U-tan(Vo, G) 無駄にやってるんです(笑)。
MAKKIN(B) オッサンです(笑)。
──ただ、今回は30代とは思えない勢い満点のアルバムが完成して。
U-tan 僕らこれが7枚目のアルバムですけど、いつも短い曲を1曲入れてて、いつかそういう曲を1枚にしてアルバムを作りたいっていう構想がかなり前からあって。俺らが影響受けた90年代のメロディックパンクって、短くて潔い曲が多かったし。そのへんのルーツもありますね。あとはやっぱり常に、みんながやりそうでやらへんようなことをできたらいいなと思ってるし。
TANNY(Vo, G) 行動とかだけじゃなくてね、音楽で意外なことができへんかなって話はいつもしてて。じゃあ今回ちょうどええんちゃうん?って。でも脱線しすぎず、ちゃんと自分らの土台の上でできることを。
──全曲短いけど、曲のバラエティは意外なくらいあるんですよね。
U-tan そうですね。速い曲って得意分野でもあるんでサクサクいくかなと思ってたら、逆にすごい難しかった。やっぱり歌詞の内容も21パターンいるし、演奏の細かいパターンにしても21個用意するし。だからいつものようなアルバム作るより、もしかしたら労力が必要やったかも。
TANNY いつものアルバムが長距離走やとしたら、今回は短距離走やねんけどハードルがむっちゃ多いみたいな。
MAKKIN 最初は軽く考えてたんですよ。短いのを21曲、ふざけて作ればいいわってノリで。でも実際そうやと面白くなくて、突き詰めていくと大変なものになりましたね。
SUNE(Dr) うん。ただ、曲作るときはけっこうシビアやったけど、レコーディングは楽しくやれたかな。短いし、勢い一発でバーンと録って。
──録るよりは作る段階、つまりソングライターの2人が苦労したと。
TANNY そうですね。曲が長かったらちゃんとドラマを作れるんですよ。1番あって、2番あってちゃんと落としてサビにドーン、みたいな。でも今回はそれすらコンパクトにせなあかんから、短い中でいかにドラマを作るか。そこで普段とは違う足し算と引き算が必要でしたね。ただ一貫して言えるのは、普通のアルバムと変わらんぐらいドラマ性のある作品にしようと思ってたところで。決して1回スッと聴いただけでは終わらへん、もっかい最初から聴きたくなるような内容にしたいなって。
U-tan うん、もちろんライブやったら「今日はちょっと勢いでセット組もうか」とか、そんときそんときのリアルな俺らを出せると思うんですけど。音源はもっと、1曲目から最後までにひとつのドラマとかストーリーが生まれるものなので。そこはいつも考えてますね。
「こいつらアホやな」って思ってもらえれば
──勢い一発の企画で作った作品のように見えるけど、じっくり聴けばこのバンドの真面目さ、曲作りに対する真剣さがより伝わる気がします。
一同 …………。
MAKKIN あんま伝わらんでもええとこやねんけどな(笑)。このアルバムで「真面目」って言われても。
U-tan 「こいつらアホやな」でいいんですけどね(笑)。でも、そういうギャップって昔から好きなんですよ。ライブ観に行って、MCめっちゃふざけてんなと思うけど、いざ演奏始まった瞬間にそいつがめちゃくちゃカッコええとか。そこに憧れたりとかするんで。歌詞とかも、ふざけてんなあと思わせつつ、ふっととこう考えさせるようなワードを出したりとか。そのへんは考えますね。まあトータルで言えばアホなんですけど(笑)。
TANNY 多分、真面目にやる部分とアホみたいにやる部分の線引きみたいなんは、この10年で自然に作られてきた感じかもしれないですね。
──ただ、GOOD4NOTHINGについて、失礼ながら今でも「いわゆるメロコアバンド」だと思ってる人、「ワーッとやって楽しくて元気なバンドでしょ」みたいにイメージしてる人がいると思うんですね。
U-tan どう思ってくれてもいいんですけどね。「ただ明るいバンドや」って思ってくれてもいいし「実はちょっと真面目やねんで」でもいいし。100人いたら100通りの意見があるバンドになりたいですね。
TANNY どう思われたいかを自分で決めてしまうのって、自分らの可能性を止めてしまうことになりかねへんし。音楽っていう土台の上でやってる限り、何か制限してしまうことは可能性を狭めるだけやな、っていうのは個人的に思ってることで。同じこと思ってなくてもほんまいいんですよ。
U-tan 俺らは提示するだけで、あとは好きなように感じてくれたら。ただ、それこそ商店街とかでふっと流れたりしたときに、「あっ、これGOOD4ちゃうんか?」みたいな、そういうジャンルになれればいいな、とは思うんですね。
CD収録曲
- BLAST OFF!!
- M×S×N
- HELLO 61
- Awesome Fat Guy
- Slack's Song
- I HATE YOU
- WON'T
- Shaken Up
- Home
- Got It Right
- Going On The Road
- Sundays
- JUST LIKE YOU
- Go Away
- Tomorrow
- Searching For My Way
- Alive
- Time To Breathe
- 1,2,3....
- Freedom
- Wait here
DVD収録内容
- 27 【BACK 4 GOOD TOUR '10-'11】
- Never Too Late 【BACK 4 GOOD TOUR '10-'11】
- UNIONWAY 【BACK 4 GOOD TOUR '10-'11】
- J.C. 【BACK 4 GOOD TOUR '10-'11】
- So long 【BACK 4 GOOD TOUR '10-'11】
- Run Away!! 【BACK 4 GOOD TOUR '10-'11】
- The Answer 【BACK 4 GOOD TOUR '10-'11】
- Rock and beer 【BACK 4 GOOD TOUR '10-'11】
- film 【BACK 4 GOOD TOUR '10-'11】
- RULE OF A SELFISH GUYS 【BACK 4 GOOD TOUR '10-'11】
- Honest with myself 【BACK 4 GOOD TOUR '10-'11】
- It's My Paradise 【BACK 4 GOOD TOUR '10-'11】
- WE CAN GO EVERYWHERE 【BACK 4 GOOD TOUR '10-'11】
- CAUSE YOU'RE ALIVE 【BACK 4 GOOD TOUR '10-'11】
- Flying high 【BACK 4 GOOD TOUR '10-'11】
- ~中国での移動の巻~ 【CHINA TOUR 2011】
- ~体当たりのMAKKINの巻~ 【CHINA TOUR 2011】
- ~中国での食事の巻~ 【CHINA TOUR 2011】
- ~中国のライヴハウスの巻~ 【CHINA TOUR 2011】
- ~言葉の壁の巻~ 【CHINA TOUR 2011】
- ~TANNYの誕生日の巻~ 【CHINA TOUR 2011】
- ~いろいろの巻~ 【CHINA TOUR 2011】
- ~そして日本へ~ 【CHINA TOUR 2011】
GOOD4NOTHING(ぐっどふぉーなっしんぐ)
TANNY(Vo, G)、U-tan(Vo, G)、MAKKIN(B)、SUNE(Dr)からなる関西在住のメロディックパンクバンド。1996年に前身バンドを結成し、その後メンバーチェンジを経て現在のバンド名に。CDデビューは2001年2月のマキシシングル「LET'S MAKE THE FUTURE」。同年夏にリリースされた1stアルバム「GOOD 4 NOTHING」が1万枚のセールスを記録しその人気は一気に全国区へ。SUM41やNEW FOUND GLORY直系のエッジの効いた爽快なパンクサウンドで国内外のバンドのサポートも多数務め、他のアーティストたちからの評価も高い。