マカロニえんぴつ|リクルート「FYHM」|迷いを振り切ってたどり着いた“素晴らしき世界”

俺らがもっと番場さんを楽しませたいと思った

──今回の撮影にあたって挑戦したことはありますか?

はっとり 俺はめっちゃ動いたな。今までのMVの演奏シーンでは、ギターを弾く手元も正確にしようとしていたんですけど、今回はそこは適当にして、動きながらまっすぐ前を見て歌いました。ギターをちゃんとやってる人がこのMVを観たら「出てる音と手の動きが全然違うじゃん」ってバレちゃう(笑)。

田辺 MVの撮影ではいつもカッコつけてるんですけど、今回はとにかく楽しくやろうということだけを考えました。

高野 僕は自分の携帯でUFOを撮るシーンとかもあって。演奏シーンでは少年のように弾きました。メンバー同士で横並びに歩くシーンとかもワチャワチャして楽しかった。

はっとり 賢也は踊ってた。

長谷川大喜(Key, Cho)

高野 ベースを弾いているときも弾いてないときもステップ踏んでました。これまでのMVで一番動いたんじゃないかな。

──長谷川さんはどうでしたか?

長谷川 逆に僕は何も考えなかった。何も考えなくても楽しい環境ができてたから、それに身を任せたら自然といい作品になってた。

──番場さんの現場作りがうまかったと。

長谷川 本当に! 気遣ってくれて。

はっとり いや、気遣ってくれるというより、番場さん自身がすげー楽しんでやっていたんだと思うよ。それにみんなが乗っかりたくなっちゃうんだよ。周りを巻き込む力がすごい人。途中から俺らがもっと番場さんを楽しませたいってなってたもん。逆に気を遣ってないんだと思う。キャストのおじいちゃんが一番気を遣ってたんじゃないかな。

──このMVを通してどんなメッセージを届けたいですか?

はっとり 自由に楽しんでほしいですけど、自分が目指しているものや憧れているものがある場所に飛び込む、踏み出す勇気を受け取ってもらえたら、俺らは本望だし、きっと番場さんもそうだと思います。

4人がバンドを選んだ理由

──今回の企画には「自分の心に従え、音楽と一緒に。」というコピーが付いていますが、皆さんは自分の心に従って挑戦した経験はありますか?

はっとり 俺は絵が好きで、高校の頃はマンガ家かイラストレーターになりたいと思ってたんです。音楽には本気にならないようにしてた。でも高校の学祭でライブをやってから音楽に対する気持ちに歯止めが効かなくなってしまって。その気持ちに従って、絵の道ではなく音楽の道に決めました。その時点では絵も音楽も趣味程度のレベルだったから大した話ではないかもしれないけど、自分としては大きな決断で。

──そうだったんですね。

はっとり その後しばらくは絵を描くこともなかったんですけど、大学時代はイベントのフライヤーをたくさん描かせてもらったし、今はグッズの絵を描かせてもらうこともあって、趣味として楽しめています。

長谷川 僕は高校が進学校だったから、先生や父親にも「普通の大学に行ってほしい」と言われていたんです。自分の中にも趣味程度に音楽をやっていたほうが楽しく音楽できるんじゃないかとか、プロになったら音楽をやりすぎて音楽が嫌いになるんじゃないかという不安や葛藤があって。そういう思いを振り切って、親を説得して、エレクトーンの先生になるために音大に入ったけど、今はマカロニえんぴつをやっているという(笑)。これがまさに自分の心に従った結果ですね。

はっとり すごいことだよね。俺らは音大でもロックのコースに通っていたけど、エレクトーンの先生になりたかった人がロックバンドに入って今はエレクトーンを弾いていないっていう。

田辺 なんなら今エレクトーン持ってないもんね(笑)。

はっとり あれは売ろうとしても買い取ってくれないでしょ?

長谷川 がんばって知り合いに8万で買ってもらった。

はっとり 100万円が8万円に……。

長谷川 1カ月分の家賃に(笑)。

一同 (笑)。

田辺 僕の場合、音楽をやっていくと決めたのはわりと早かったんですけど、もともとやっていた音楽はハードロックとかヘヴィメタルだったんです。髪の毛をゴリゴリに立てるような。そういう音楽しか知らなかったんだけど、大学ではっとりに声をかけてもらって、聴かせてもらった曲が純粋にいいと思ったので、その気持ちに従ってマカロニえんぴつでやっていくことにしました。

高野 僕はサポートミュージシャンになりたいと思っていて。アニソンのベースを弾きたいとか思っていたんですけど、入学後すぐに声をかけてきたはっとりの曲の雰囲気と歌声に惹かれて、すぐに路線変更しちゃいました。それからずっと楽しくやらせてもらっています。裏方の仕事もけっこう好きなので、もしバンドが解散しちゃったらローディとかになろうかなと思ってます。

はっとり リクルートで探しなよ(笑)。こうやってメンバーの話を聞いていると、番場さんじゃないですけど、俺が気を遣わずに自分勝手だったことで逆にメンバーを巻き込めたのかなと思いますね。楽しいことをするために一心不乱だった自分を見て、みんな面白そうだなって乗っかってくれたのかなって。

マカロニえんぴつ

逃げることも大事な生きる手段

──ニューアルバムのリリースと全国ツアーを控えているマカロニえんぴつですが、この先バンドで挑戦したいことがあれば教えてください。

はっとり 現状に満足せずに楽曲のクオリティを上げていくことですね。コーラスとかももっとうまくならないとヤバい状況だったりするし。「ブルーベリー・ナイツ」(2019年2月発売のミニアルバム「LiKE」収録曲)みたいなヒットの仕方をすると同じような曲を求められがちですけど、同じことをしていても楽しくないんですよね。だからやったことないことはなんだろうって常にアンテナを張りつつ、それをやるためにインプットをしながら曲を作っていく。ニューアルバムでも、どんどんテンポを上げていく曲とか今までにない挑戦をしています。賢也が作った曲は最終的に弾けないくらいに速くなったし。俺の挑戦はとにかく曲作りですね。

田辺 俺はバンドワーク的なところも課題なんですけど、まだライブができていない場所がたくさんあるので、いろんなところに行って、いろんな人に会いたいなと思います。

長谷川 僕は将来「マカロックフェス」を開催したいから、それに向けて少しずつ人脈を作っていきたいんです。フェスを主催しているバンドに話を聞いたり。

高野 ライブ会場のキャパが広くなると共にステージも広くなっているので、それにあわせて大きな動きをできるようにならなきゃなと思っています。この前のツアーファイナルの映像を観たら、思っていたよりも動けていなくて。見せ方を磨いていきたいですね。

はっとり 俺が歌ってるときに前を走り回ったり(笑)。

田辺 ワイヤーで飛んだり(笑)。

高野 あとは新しい機材を導入したいですね。

はっとり エフェクターとかじゃなくて飛び道具系の音を入れていきたいとか?

高野 いや……。

田辺 いろんなサウンドに挑戦したいってことだよね。

高野 ……。

田辺 えっ?

一同 (笑)。

長谷川 違うらしい、決め付けはよくないよ(笑)。

高野 新しい機材を導入しつつ、今のサウンドをもっと掘り下げていきたいと思っています。

──なるほど。最後にこれから新たな一歩を踏み出そうとする人たちに向けてメッセージをお願いします。

はっとり なんか違うなとか、無理してるなと思ったら、逃げることもすごく大事な生きる手段だと俺は思うし、逃げ道は常に用意したらいいと思います。逃げた先で本当にやりたかったことに出会えることもあるし、この道じゃないとダメなんだって決め付けはせずに進んで行ってほしいですね。

  5組が「挑戦」をテーマにしたコラボMVは「Follow Your Heart & Music」サイトにて順次公開中。
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