ナタリー PowerPush - FUZZY CONTROL
3年2カ月ぶりアルバム完成! その名も「SUPER FAMILY CONTROL」
FUZZY CONTROLが5thアルバム「SUPER FAMILY CONTROL」をリリースする。約3年2カ月ぶりのアルバムとなる今作には、その間にレーベル移籍やDREAMS COME TRUEら他アーティストとの共演などを経て、さらに音楽への思いとメンバー同士の絆を深めた彼らの進化がボリュームたっぷりに詰めこまれている。
収録曲は「あ・あ・あいやいや・あ・あ!」や「SWEET RAIN SWEET HOME」などのシングル曲に加え、亀田誠治をサウンドプロデューサーに迎えた「GONNA MAKE A LOVE SONG」や「COOKIE IN A JAR」といった新曲も。デビュー当時から骨太なロックサウンドを響かせてきた彼らだが、そのダイナミズムはスケールアップさせつつ「FAMILY」をテーマにしたアコースティックな音の温もりや優しいメッセージソングも今作の聴きどころだ。取材現場ではいつもハイテンション!な3人に今作に込めた思いを語ってもらった。
取材・文 / 上野三樹 インタビュー撮影 / 中西求
アルバムタイトルは「5に見えるSから始まるのがいい」
──前回のインタビューのときに「『SWEET RAIN SWEET HOME』のビデオクリップの中にはどうしてスーパーファミコンが出てくるんですか?」って訊くと、皆さんギクッとした感じになってて。
SATOKO(Dr, Vo) 「私、ヤバいこと言っちゃいました?」的な感じになってましたよね(笑)。
──帰り道に、次のアルバムのタイトルが「スーパーファジコン」だったりして、とかいろいろと考えてたんですけど。思ってた以上にそのまんまのタイトルで(笑)。
JUON(Vo, G) わかりやすいというか。
SATOKO シンプルイズザベストですね!
──というわけで今回は、アルバム「SUPER FAMILY CONTROL」についてお話を伺いたいと思います。すごくパワフルで温かくて、今の3人の絆を感じさせるアルバムだなと。で、それが外に対しても開けてるというか、メッセージを感じる作品だなと思いました。
SATOKO おおー、イエーイ!
JUON ステキなコメントをどうもありがとうございます!
──(笑)。ちなみにこのタイトルに関しては、結構前から決めていたんですか?
JOE(B, Vo) そうですね、アルバムを作ってて、曲がだんだん仕上がってきた、ぐらいのときかな。
SATOKO 5枚目のアルバムなので「5に見えるSから始まるのがいい」とJOEが言い出して。それで「Sから始まる……スーパー……スーパー!?」って。そこでまたJOEが「スーパーにコントロールじゃ、スーパーファミコンしかないでしょう!」と(笑)。
──なるほどね。
JOE そう、最初はギャグで流しちゃうところだったんですけど、よく考えてみたら、この3年2カ月、いろんな人と出会ったりして、前に進めてこれたのは、みんなに出会えたおかげだったりするから。
SATOKO 「FAMILY」という言葉が、すごく今回のアルバムに似合う言葉だっていうことに気付いちゃったんですよね。
──そこで周りの人たちに対する感謝の気持ちや、この3人のつながりが、ひとつのテーマになったんですね。
JUON そうですね。ほんとに周りの人に助けられて支えられてたから、僕たちは音楽にまっすぐに進めてこれた。だから「これを聴いたら僕らの絆がわかる」っていうのは、それを聞くだけで僕らはすごくうれしい感じです。
SATOKO そのために作ったと言っても過言ではないね!
3人の感情をシェアしながら歌詞にしていく
──このバンドは基本的にはJUONさんがバンバン曲を書いて、そのデモをきっかけにSATOKOさんが歌詞を手がけられるということですが、音楽に込める思いは3人でどのように共有しているものなんですか?
JUON 自分が最近思ってることや、自分に起こってることを手紙にするんです。3人で一緒にいることが多いけど、伝えられてない部分もいっぱいあるし。毎日こんなことを家ではしてる、最近こんなこと考えてるんだ、こんな音楽が好きなんだとか。そういうのをちょっとさらさらと書いて渡したりして。
SATOKO それがすごく良くて。
──そうなんだ。
SATOKO 時にはホテルのメモ帳、時には大学ノートに書いてくれて。それを移動中の車で一緒に読んだり、帰る寸前のときに「これ持ってって」みたいな感じで渡されて、自分1人で読んでみたりとかして。すると、今こんな気分でこんな風に音楽やってる、みたいなこととか書かれてて。音楽って人間そのものなんだなって思うんですけど、その感情が今どういう状態になってるのが、すごくきれいな感じでわかります。
JUON 俺もこう言っちゃなんですけど、やっぱりSATOKOが詞を作ってくれるっていうことで、やっぱりちょっと恥ずかしくても、別に普通だったら言わなくていいこととかもあるけど、でもこういう関係だからこそ、やっぱり全部言うべきことなんだなって思ってて。
SATOKO 昔はそんなことできなかったけどね。
JUON 例えば誰かと別れたとか、誰かと付き合ったとか、別に言わなくていいことだったりするところも、こんなことあってこうなったとか、やっぱり伝えるべきなんだなって。自分が歌うわけだし。
SATOKO それで詞を作ってみて2人に見せて、3人でまたディスカッションがあったりして。めっちゃくちゃ楽しいですよ。
──では3人の日々というか人生そのものがシェアされて音楽になっていくと。
SATOKO 音楽に関してはいつも一緒に音を出せば、一発でわかっちゃうんで。音楽じゃないところは言葉でそうやってシェアし合いながら作ってます。
──なるほどね。見てると普段から仲が良くて、すごくコミュニケーションを取れてるバンドなのかなって思いますけど、やっぱりそういうことだけじゃなくて、それでも言えてないことをちゃんと言葉にして、分かち合って音楽を作っていくっていうことなんですね。
SATOKO そうです。そうやって聞くと、めちゃめちゃ聞こえいいね!(笑)
CD収録曲
- GONNA MAKE A LOVE SONG
- X
- SWEET RAIN SWEET HOME
- COOKIE IN A JAR
- latest
- BEAUTIFUL
- TIME
- BIG DEAL
- あ・あ・あいやいや・あ・あ!
- TOUCH
- SWEET HEART
- SUNSET
FUZZY CONTROL(ふぁじーこんとろーる)
JUON(Vo, G)、SATOKO(Dr, Vo)、JOE(B, Vo)からなる3ピースバンド。2003年にシングル「SHINE ON」でメジャーデビュー。2004年には米テキサス州で開催されるアメリカ最大級のフェス「SXSW」に出演するなど頭角を現し始める。その後もリリースやライブを重ね、2009年9月にはDREAMS COME TRUEとのコラボシングル「その先へ」も発表。2011年10月に5thアルバム「SUPER FAMILY CONTROL」をリリース。日本のロックの王道を行くダイナミックな楽曲が特徴で、3ピースとは思えないエネルギッシュなライブパフォーマンスも魅力。