ナタリー PowerPush - フジファブリック
キーパーソン3組とメンバー3人が語る アルバム「STAR」完成への道のり
2010年7月の自主イベント「フジフジ富士Q」とアルバム「MUSIC」のリリースを経て、バンド活動の続行を決めたフジファブリック。前作が、志村正彦(Vo, G)の遺したボーカル音源やデモをもとに作り上げたアルバムだっただけに、ボーカリスト兼ソングライター不在の中でのニューアルバム制作は、残された3人のメンバーにとって相当困難な作業だったはずだ。しかし、その先で光る何かを見たからこそ、彼らは今ここに、勇気ある大きな一歩を記すことができた。
「STAR」と題されたフジファブリックのニューアルバムは、そんな彼らが逆境の中、音楽に見た希望の輝きそのものだ。ギターの山内総一郎がボーカルを担当し、キーボードの金澤ダイスケ、ベースの加藤慎一を交えた3人体制で作詞作曲とアレンジに取り組んだこの作品には、まっすぐ前を向き、頭上の瞬きを見つめる彼らの心境がありのままに収められている。
ギターやキーボードのリフを生かしたパワーポップ、ストレートに刺さる歌モノや遊び心あふれたストレンジソングなど、フジファブリックらしい自由な表現の可能性が注ぎ込まれた全12曲。この作品を足がかりに彼らはどこへ向かうのだろうか?
ナタリーでは、フジファブリックに縁の深いアーティスト3組の談話と、メンバー3人のインタビューによる2部構成で、現在のバンドの姿を紐解いていく。本日公開の前編では後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)、岸田繁&佐藤征史(くるり)、桜井秀俊(真心ブラザーズ)のインタビューを掲載。9月21日公開の後編で山内総一郎(Vo, G)、金澤ダイスケ(Key)、加藤慎一(B)の3名に話を訊く。
取材・文 / 小野田雄
CD収録曲
- Intro
- STAR
- スワン
- ECHO
- 理想型
- Splash!!
- アイランド
- 君は炎天下
- アンダルシア
- Drop
- パレード
- cosmos
初回限定盤DVD収録内容
“STAR” MUSICVIDEO
フジファブリック
志村正彦(Vo, G)を中心に2000年に結成されたロックバンド。都内を拠点に活動を開始し、2002年にミニアルバム「アラカルト」をリリース。そのユニークなサウンドと捻りの利いたアレンジ、志村の綴る独特の歌詞が注目を集める。2004年4月にシングル「桜の季節」でメジャーデビュー。「フジファブリック」「FAB FOX」「TEENAGER」といったアルバムがいずれも高い評価を受け、2009年5月発売の4thアルバム「CHRONICLE」でさらに支持を拡大するも、同年12月24日に志村が急死。バンドは山内総一郎(Vo, G)、金澤ダイスケ(Key)、加藤慎一(B)の3人でその活動を継続し、2011年9月に新体制で初となるアルバム「STAR」をリリース。
2011年9月21日更新